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2018/07/01

映画_ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー(評価/★:3.6)ネタバレあり感想~遥か昔、銀河一の色男がまだピュアだった頃…~【映画レビュー】

「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」日本版予告
ハン・ソロ スターウォーズ 映画 感想 評価 オススメ

◆ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー 鑑賞◆


評価/オススメ:★★★☆

文月的採点(36/50点) 
ハン・ソロ 映画 評価 感想 オススメ

この作品ジャンルは?:スペースオペラ

オススメしたい人は?:スターウォーズファン

印象を一言で?:あのニヒルな男の片鱗を垣間見よ!

グロテスクですか?:いいえ。

◆synopsis◆


「スター・ウォーズ」最新作!
シリーズ屈指の人気を誇るハン・ソロは、いかにして愛すべき悪党<ハン・ソロ>となったのか!?
スター・ウォーズのヒーロー伝説のはじまりを描く、ノンストップ・アクション大作。銀河一のパイロットを目指すハン・ソロと、生涯の相棒チューバッカ、そしてミレニアム・ファルコン号との運命の出会いとは?
やがて彼は、謎の美女キーラらと共にカリスマ性を持つベケットのチームに加わり、 “自由”を手に入れるために莫大な金を生む“危険な仕事”に挑む!

※公式サイトより

◆comment◆


2018.06.29 より公開です。
わたし昨日劇場で鑑賞して、今回はゆっくり投稿です。

というのも、
「なんでこんなにネットで叩かれているのかぁ」
と、思い返す時間が必要だったからです。

ご存じの方も多いと思いますが特にアメリカでは興行収入にも如実に現れていますしね。
『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』が5000万ドルの大赤字か
かく言うわたしも、劇場で涙を垂れ流して鑑賞した
「ローグワン/スター・ウォーズストーリー」や「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」
と比べると、そこまでエモーショナルにのめり込まなかったのです。

公平を期すために同じ外伝であるローグワンとの比較で本作をみてみると、
この感情の動きの差は「本編への繋がり」度合いに起因しているんでしょう。

ローグワンは、時系列的にも構成も内容もスター・ウォーズファンなら誰もが知っている「新たなる希望」へ直接繋がる物語であったがゆえに、ジェダイでもない無名の主人公たちと一緒に立ち上がることができ、ともに戦い、そして結末に胸を締めつけられたのだと言えます。

ローグワンを鑑賞後にレンタル屋に駆け込んで新たなる希望を手にしたくなるくらい、本編への密着度が高いものでした。

※わたしのローグワンと最後のジェダイの紹介記事はこちら↓↓
【映画 感想】ローグ・ワン/スター・ウォーズストーリー  ―それでも、自分だってできることはある― 映画_スターウォーズ 最後のジェダイ (評価★:5!!!!!!)ネタバレあり 感想~老兵は死なず、消え去るのみ~【映画レビュー】
翻って本作「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」ですが、
当たり前な話になることは承知でタイトル
ずばり「ソロ」への焦点が強すぎるがゆえに、
この物語だけで、本編を想起することはなかなか難しい。

もちろん、これまで様々創作されていた「ハン・ソロ」の過去が本作で公式に映像化された点を始めとして、

「ソロ」という名前の由来

相棒チューバッカとの出会い

愛用のブラスターとの出会い

悪友のランドとの邂逅

そして何よりも愛機であるミレニアムファルコン号との出会い

というファンが期待するポイントは抑えているんです。

だけど!チューイとランドとの出会いはいいとして、ブラスターやミレニアムファルコン号との出会いはもっと、劇的なカット割りしてほしかった!!!

これだけ作り込んでいたのに、アレはあっさりしすぎだぞ!

何よりも、主演のオールデン・エアエンライクが「ニヒルなナイスミドル」になる前の

「自信だけに満ち溢れたやんちゃ坊主な若きハン・ソロ」



を見事に演じきっていて、わたしとしては時間経過とともに、彼の立ち振舞いにハリソン・フォードのそれがチラつきました。

あぁ、あの挑戦的な眼、俺様感はいかにも「ハン・ソロ」らしい。

素直にそう思いました。

●物語の主要人物はこちら!クリックで拡大されます。
スマホの方は横に画面を傾けてください。

※一応、この登場人物ポスターがカード」みたいにデザインされているのは実は
「大きなフラグ」ですよ♪

ストーリーとしては潔いまでに単純明快。

惑星コレリアで裏稼業をしながら、幼馴染のキーラと貧しく暮らしながらも、いつかここを抜け出してパイロットになることを夢見ていたソロが、ある出来事からその機会を得るところから始まります。

しかし予期せぬアクシデントでキーラと離れ離れになってしまうのです。

ただ、この描き方をしたが故に問答無用でキーラとソロ(正確に言うと彼は「ハン」なのですが)の恋愛要素は確定
数年後に再会パターンです。

そこから先程書いた「ハン」が「ハン・ソロ」になり、さんざん泥臭い目に遭いながら成長していく過程が描かれていきます。

※しかし、「ソロ」の由来が帝国軍の入隊受付の時に「ある意味適当に」つけられた名だったとは。それはいいのですが、独りだから「ソロ」だったとか、英語はその時代ないでしょうに、という激しいツッコミが入りますな…

また、主要登場人物それぞれキャラが非常に立っていて、それも魅力なのです。

特にわたしが惚れたのはふたり!

まずはソロに「銀河で生きる流儀」を教えソロのトレードマークである「ブラスター」を与えた
バイアス・ベケット
ラストまで見通すと解りますが、
「ハン・ソロ」を作ったのはある意味ベケットです。
超絶ガンアクションはいちいちカッコイイ(西部劇ですな)
若きソロのメンター。
ルークにオビ=ワン・ケノービがいたように、ソロにはベケットがいたんです。

そしてミレニアムファルコン号の元の持ち主であるランドの相棒
L34−37
スターウォーズ初の「人権派(正確にはドロイド権派)」ドロイドであり、
超一級の「ナビゲーションシステム」を搭載しているのです。
さらに「彼女」「愛」を理解していて
目下1番の悩みは
「ランドがわたしに惚れている」
こと(爆笑)

劇中中盤で観られる
キーラとの「女同士の秘密の会話」は大注目!

「でも…できるの?」
できるわ(意味深)」

ホントに頭が切れて、情熱的で純真乙女な子。
初登場から、彼女の言動に目が離せません。


最後まで通して鑑賞すると、結局のところ本作は
「自由に生きるとは?」
ということが主眼に置かれていて

そのための障害とは、それぞれ様々な形の鎖となって人を縛り付けているということを描いています。

人は誰しも自由に生きたいと望むものです。今もね。

しかし、自由に生きている様に見えるわたしたちも、生きるためには
「人と関わらないといけない」
「何かしらの生活の糧を得なければいけない」
「生きるためにどうしようもなくて自分の大切なものを犠牲にしなくてはいけない」
(なにも犠牲にしていない人なんていませんな。サラリーマンは会社に縛られ、仕事に縛られ、顧客に縛られ、日々の時間を奪われ、庶民はやっとこさ生きてますもんね。いい車もいい家も仮に持っていてもきちんと対価は支払っているでしょ?)

そこに銀河を生き抜くためには
「誰も信じるな」
と教わるソロ。

それでも、それでも、
本作のソロは「人を信じる」んです。

信じたいと願っているんですけどね。

その青臭いところって、ホントいいなぁ。

彼を青臭いと感じてしまう今の自分が「大人の原理」に組み込まれていることが悲しくなります。

そうです。

なので、ハマった方にとっては、

評価(確率)なんて関係ないさ!

な、一本。

うーん、これは続編作らないと、意味深なクライマックスを観たわたしたちもヤキモキしたままになってしまう。

キーラとソロの悲恋フラグが立ちまくり。

そして、まさかの「ダース・モール」出現!(ちょいだけど)



うむ、この続編ありきの展開を「あざとさ」と捉えると、1本に納めきったローグワンの潔さと比較して評価がグンと下がってしまうんだろうな。

わたしの心はきっとそれを感じ取ったんだと思う。

ただあのやんちゃ坊主が、後にルークと出会ったときのニヒルなナイスミドルにどう変貌していくのかを追いたい!!!

2018年映画鑑賞 206本目

post from #pixelbook

◆overview◆


・原題:Solo: A Star Wars Story 2018年公開
・上映時間:135分

・監督:ロン・ハワード
代表作「ダークタワー」「白鯨との闘い」
・脚本:
ジョナサン・カスダン
ローレンス・カスダン
    
・メイン・キャスト
オールデン・エアエンライク
ウッディ・ハレルソン
エミリア・クラーク
ドナルド・グローバー
タンディ・ニュートン
フィービー・ウォーラー=ブリッジ
ヨーナス・スオタモ
ポール・ベタニー


2018/06/10

映画_リディバイダー/Redivider(評価/★:2.5)ネタバレあり感想~うん、キャスト同じでこういう『ゲーム』売れば良かったのにね~【映画レビュー】

映画『リディバイダー』予告編
映画 リディバイダー Redivider 評価 感想 ネタバレ

◆ リディバイダー 鑑賞◆


評価/オススメ:★★☆

文月的採点(25/50点) 

この作品ジャンルは?:SFスリラー

オススメしたい人は?:うーん、『ハードコア』で幻滅した人

印象を一言で?:これどこで買えるゲームですか?

グロテスクですか?:ゴア表現もほとんどありません。ゲームですから。


◆synopsis◆

エネルギーの枯渇が大きな問題となっている近未来…

人類はコピーしたもうひとつの地球「エコーワールド」からエネルギーを得ることで、問題を解決しようとしていた。

しかし、2つの世界をつなぐタワーの暴走により各地で異常事態が発生。
地球は崩壊の危機に陥ってしまう。

人類は元NASAのパイロット、ウィルをエコーワールドへと送り込むが、そこには荒廃した世界が広がっていた…

※映画.com様より

◆comment◆


2018.06.09 より公開です。

ものすごく「ゲーム」です。

もうクレッシェンドイベントが96分間続いている感じです。

「ゲーム」として製作されたなら、それなりにヒットしたんじゃないかな…

本作「Redivider」の読み方ですが「リディバイダー」ではなく、「リ・ディバイダー」が正しく、言いやすいですな。

さて、本作ですがもともと監督のティム・スミット氏が製作し、youtubeで公開されたショートフィルム What's in the Box? が序章であり、原案となっています。
内容は10分ほどなのですが、これはこれでなかなか面白い。
What's in the Box? - Full Movie HD
わたしが過去にレビューした 10クローバーフィールド・レーン を監督したダン・トラクテンバーグ氏もyoutubeで大人気ゲームの「Portal」を元にしたショートフィルムを公開して超絶な再生回数を叩き出した結果同作品の監督をすることになったこともあり、youtubeというメディアの可能性を改めて思い知ったのですが、本作もその流れで映画化されたものです。
Portal: No Escape (Live Action Short Film by Dan Trachtenberg)
※わたしの10クローバーフィールド・レーンの紹介記事はこちら。
【映画 感想】10 クローバーフィールド・レーン  ―真実は自分の目で見ても、受け入れられるかは別問題―
気になる中身は…公式サイトと予告編で90%ネタバレされています。

いやぁ、ホントです。

映画のテイストとしては「ハードコア」(2015)が激しく想起され、おそらく比較されるでしょう。


この作品も「ゲーム」(FPSというジャンル特化ですが)を映画としたものですが、
わたしとしては本作リディバイダーの方が全体として丁寧でこだわった製作をしていると感じます。

映像美や主人公が装着する
AR(拡張現実)デバイスの細かな表現・機能のSF感は素敵
です。


ストーリーの補足というか、公式がネタバレしているので、アレなんなの?というネタを幾つか補足です。

エネルギー問題を扱った本作。

解決策として選択したのは「新エネルギー」ではなく「宇宙をコピーして、コピー先の地球からエネルギーをもらう」というちょっとおもしろい発想。
並行世界が絡んでくるのですけど、でも、これって「クローバーフィールド・パラドックス」と似てるやん!とのツッコミをされるかた、実は本作のほうが製作としては先。

もっというと日本のアニメやゲームのほうがこのモチーフを使ったものが数十年前から散見されるので、ま、珍しくはないかなと。

ま、最初ご覧になった時に混乱する方もいるでしょうが、これは「回想」と「現在」が交互に繰り返していく構成です。

回想シーン≒3人称視点(いわゆる普通の映画)の撮影手法

現在のシーン≒1人称視点(主人公のARデバイス経由)で展開。

ストーリーの折り返し地点ほどになって、話が繋がるような感じです。はい。


主人公が所属するエネルギー開発会社の説明では、

コピーされた世界は「無人」であり、そこからエネルギーを吸い出すだけなので、とっても安全。(ストローでコップのドリンクを吸うだけみたいな感覚)

世界中が注目する中で「あちら側」の世界が構築されて、無事にエネルギー供給が始まりますが、何故かそのシステムが暴走

「こちら側」の世界ではなぜか飛行機や電車、自動車などが突然失踪する事件が頻発。

ダン・スティーブンス演じる主人公にある密命が下される事になります。

「あちら側」の世界に赴いて、「タワー」と呼ばれるエネルギー供給源に本作のキーアイテムである「BOX」を設置して帰還する。


それが任務でした。

このあたり、B級感なツッコミとしては、そうした常事態の処理をたった一人に託すのかい!と。

「あちら側」はまさしく「鏡写し」の世界(全てが反転しているとか細かいです)が広がっているのですが、公式の説明するところの「無人」というのが全く違うことが発覚。

全てが反転しているだけで、全て「こちら側」と同じ世界が人間が存在しているんですな。

問題なのは「こちら側」へエネルギー供給していることで、バランスを保つために、
「あちら側」の世界は逆に「こちら側」へ物体を転移させているということ。

ものすごく解りやすく言うと「+−ゼロ」

片方の世界から一方的にエネルギーを吸い上げてめでたしめでたしという訳もなく、
計画そのものが「両方の世界を破壊する」ものであることが、解ってくるのです。

そのうち転移されるものは物体ではなくエネルギーそのものになり、最後には

ボン!と崩壊。

主人公が託された「BOX」とは「自爆スイッチ」であって、暴走を続けるエネルギータワーを破壊するものだったんですな。

だからこの話はホントひどいんです。

ダン・スティーブンスはハメられたとも言えます。

ゲーム的な展開(ドローンとの追いかけっこですが)が続く中、ダンは「世界」を崩壊から救うためにタワーに向かいます。

このあたり、自暴自棄になって使命を投げ出さなかったところには感心ですな。

かくして世界は救われたのか…。

この映画で1番美しいな、と感じたシーンはある人達がタワーの光を見つめる姿を肩越しに映したラストカットです。

何の脈絡もないのですが、木村拓哉さん主演の「宇宙戦艦ヤマト」のラストに通じる、何かこうよくわからない感覚に襲われたまま、エンドロールを迎えます。
(使う道具は違っても、展開はまんまでしたし)


本作を激しく期待して観て、ちょっと落胆する方が比較的多いのは、ゲーム慣れした層からすると展開がわかり易すぎたことと「ゲーム的と打ち出して、そのまんま」だったことが要因なのかも知れませんな。

ただし、登場するデバイスだったり、ARの表現だったり、細かい点ではいろいろと見どころはあります。

ダン・スティーヴンスが割に合わない片道切符の任務を背負わされた事で、ぐっと感情移入できた方ならば、それなりに楽しめたのではないのでしょうか?

好きなのに、今日はいまいち味が薄かったあの店のラーメン。

そんな感じの映画です。

2018年映画鑑賞 187本目

post from #pixelbook

◆overview◆

・原題:Redivider 2018年公開
・上映時間:96分

・監督:ティム・スミット
・脚本:オミッド・ノーシン
    

・メイン・キャスト
ダン・スティーブンス
ベレニス・マーロウ
ティゴ・ヘルナント
チャリティー・ウェイクフィールド
バス・カイザー

2018/03/18

映画_Netflix スペクトル/Spectral(評価/★:3.5)ネタバレあり感想~DARPA。そこは設定厨、装備厨にとっては光(スペクトル)の国~【映画レビュー】

Spectral | Official Trailer [HD] | Netflix

映画 スペクター Netflix 感想 評価 オススメ


◆ Netflix スペクトル/Spectral 鑑賞◆


評価/オススメ:★★★

文月的採点(35/50点) 

この作品ジャンルは?:SF/スリラー

オススメしたい人は?:COD、メタルギア、虐殺器官、攻殻機動隊…etc
ガジェット好きは集合せよ!

印象を一言で?:下手するとAAAになり得るポテンシャルを秘めていた超B級作品!

グロテスクですか?:ゴア表現はありません。解明編でややグロあり。

◆synopsis◆



内戦状態にある東欧モルドバで反乱軍鎮圧の任務にあたっていたアメリカ軍兵士が、姿の見えない奇妙な敵に襲われて変死した。

真相解明のため現地に派遣されたDARPAの技術者クラインは、高性能カメラで敵の姿を捉えてその正体を見極めるべく、CIAの女性職員フランと共に特殊部隊に同行することに。

しかし敵は肉眼で見えないだけでなく、超高速で移動する上に触られただけで即死、さらに銃弾も手榴弾も効かないという恐ろしい存在だった。

大量の見えない敵に取り囲まれてしまったクラインたちは、決死の脱出を図る…

◆comment◆


いやいや、本当にNetflixに加入してよかったと、一昔前とは180度違うことを言っている文月です。

本作は2年前にネットニュースで知ってはいたものの、オリジナル作品だということもありこれまで鑑賞できなかった映画です。

Netflixは映画好き、ドラマ好き(アニメもね)には夢の国と化しています。

充実のラインナップと極めて早い更新頻度。

これで定額か!と、新作やオリジナル作品を観れば観るほどお得感が満載。
(逆に言えば、観なければもったいないんですけどね)

ザッピングしているだけで「鑑賞するのに一生かかりますなぁ」とため息が出てしまいます。

さて、本作は非常に実験的な要素もあり劇場公開で賭けに出るよりも、この様に限定配信のほうが向いているのではないかなぁと思われる「超B級」映画でした。

もしかすると連続ドラマにしてもいいくらいの設定と内容。

メタルギアファンにだけ解る言葉で言うと
「スネークではなく、オタコンが主役」

男の子にとっての光の国である「脳汁ブシャー」な夢のガジェット群と兵器。

未知なる敵、立ち向かう特殊部隊。
彼ら兵士と共に立つ『世界最高の技術屋であるDARPA』職員

コレで燃えない子はおそらくいません。

いろいろな要素を詰め込みすぎて「アクション」なのか「ホラー」なのか「ヒューマンドラマ」なのか「恋愛もの」なのか解らなくなり、空中分解しちゃう作品もある中で、目的がシンプルな物語だと疲れませんよね。

※SNSで呟きましたが同じNetflix限定配信の「アナイアレーション」で消化不良気味でしたし。

この作品は『見えない上に、通常の攻撃が通用しない、触ったら即死してしまう敵の集団』との遭遇〜逃走〜反撃までの過程をものすごくストレートに、そしてほぼ余計な要素なく観ることができます。

かと言って、安っぽいのか?というと、クサイ台詞もほとんどなく、美術も小道具もしっかりしているし、役割分担も明快です。だから感じるポテンシャル。

解りやすいんですな。

ここからストーリーをご紹介しましょう。

驚いたのは『心霊現象』や『この世ならざるもの』が相手ではなく
『人工的に作り出された兵器』
が相手だったということ。

主人公がDARPA職員ということなので、察しが良い方は相手は『光学迷彩』じゃないのか?と思われるでしょうが、本作に限ればそれは間違い!

じゃあ、何なのか!?

SFガジェット好きはもうそれが気になって仕方がなくなりますな。

※DARPAをご存知でない方はこちら。
(とは言え、わたしも高校生の頃に小島監督の作品でその存在を知ったんですけどね)
われわれに欠かせないインターネットやGPSなんかは実はDARPAが開発したんですよ。
国防高等研究計画局 - Wikipedia
だって、光学分析をすると『人間』の姿形をしているんですからね。

最新式のHMDを装備し、リアルタイム戦術リンクによって連携するタフな特殊部隊員たちが次から次へと倒されていく様はある意味華麗。

前半を盛り上げる遭遇戦はほぼ
『これなんてゲームですか?』
という感じですわ。

※ものすごく細かいんですが、各兵士のフォーメーションやクリアリング、連携もものすごく真剣にやっているのが高評価。

そう。
本作の「細かさ」
この細かさが安さをものすごく軽減しているんです。


部隊が壊滅するほどの犠牲を払いながら判明するのは

・肉眼では捉えられないが、赤外線を通すと視認できる。
・どういう訳か人間の形状をしている。
・接触すると「凍死」する。
・通常兵器は効果なし。通過してしまう。
・意志があり、敵と見なした人間を攻撃する。
・対象は単体ではなく、複数存在し、連携する。
・細かい鉄の粒子に弱く、鉄の壁は通り抜けられない
(そして最後まで何故か解らないんですが、一定以上の風圧に耐えられない)
・何らかの動力源があるに違いない。

というもの。

屈強な兵士が怯む中、ここでDARPAのエンジニアである主人公がアイデアを出し、即席兵器である赤外線ライトと「くず鉄」がたっぷり入った爆薬をDYI。

極めて不利だけれど何とか対抗手段を得た彼らはほうほうの体で脱出。

同時刻、前線基地も壊滅してしまったことを知った彼らは難民キャンプが設けられた古城に避難することに。

街を見渡すと、そこら中で人々が襲われているのが解ります。。。

難民らから更なる情報を集めたところ、紛争当事国であるこの国の政権が国家を上げてハイテク兵器開発に取り組んでおり、とある巨大発電施設を大規模改修して根城にしていた。
さらに、ここが『始まりの場所』、グラウンド・ゼロだと判明する。

この発電施設がホント笑えます。アベンジャーズのSHIELDですか?!的に凄い。ゲーム『エースコンバット』シリーズに登場する敵の最終兵器並みの規模とビジュアルで、こんなの作って米軍に察知されていない点も含めてツッコミどころ満載だけど。
発電施設というか、これでもかというほどの巨大要塞。

ここでDARPAの本領発揮。

相手が何らかの手段で(わたしの理解力ではさっぱりの)
『ボース=アインシュタイン凝縮』
された生命体であると看破。

ボース=アインシュタイン凝縮 - Wikipedia
これにはさすがに優秀な特殊部隊らでも???となる中で、とにかくそこに乗り込んで、根本を叩くしか道はないと言うことに。

対抗手段については「俺が作ってやる!」と主人公が買って出る。

主人公の指示のもとで既存の機械や兵器を分解して、即席の電磁パルス兵器を大量に作り上げていく「脳汁ブシャー」シーンがものすごく熱い。ブルース・グリーンウッドによる熱い演説も「あるある感」満載でいい感じ。

結局兵士が戦うには兵器がいるわけで、兵器は優秀なエンジニアがいないと作れない。
技術屋なめんなよ!とでも言いたいのでしょうかね(笑)

こんなに早くできるのかよ!とツッコミ必至ですけどね。

何よりも注目は本当に米軍が導入しようとしている
「Googleドック」
の最新機種をおそらくベースにした哨戒兵器も登場するところ。
wow!!!

グーグルの軍用犬型ロボットが米海兵隊によりついに実地テストへ : カラパイア

10年前ならいかにもSFっぽいとされたガジェットも「もう少しで実用化」されるレベルになっている現代では彼らの出で立ちを「近未来的」だと言うのもどうかという時期に来ています。

それでもSFっぽく感じてしまうのはゲームや商業ベースのエンターテイメントの影響でしょうな(本作もエンターテイメントですからね)

クライマックスの戦闘は前半戦の「泥臭い戦闘」とは打って変わって「派手でSFらしい戦闘」に。

実体弾ではなく電磁パルスですからね。
もう気分は『HALO』ですよ。
装甲服着込んだマスター・チーフですよ。

敵もさること、米軍もビックリな技術で人間を分子レベルでスキャンして凝縮体として『プリントアウト』しているとか、もうついて行けないわぁ。

ここで明らかになるのは主人公の読み通り、人工的に創られた兵器であって、しかも大量生産されているということ。

その保管場所なんかはホント『マトリックス』だったんでニヤリです。

そして『それを操っていた』のも人間であったと判明するんですな。

ただし、生身ではなくて『攻殻機動隊』の電脳化ばりの技術で『脳幹と神経』を抽出された無数の人間たちが正体でした。

脳への栄養だけ与えられて「生かされている」んですな。

この施設は都市への電力供給を担うほか、凝縮体の巨大生産工場だったのです。

連中を止めるには、動力源を断つしかない訳で、それが安全にできるのもエンジニアである主人公だったので、ホントに凄いねDARPA(笑)

ラストまで駆け抜けたところで、ようやく特殊部隊からも『仲間』として認められた主人公。

ヒロイン役のCIAエージェントもいましたが、恋愛に発展することもなく、あくまでもそれぞれの職務を全うするスタイル。
ここまで本当に何にもしてなかったんだから、
ラストシーンでキスくらいしても許したぞ!

あの施設はどうなったかって?

米軍さんに接収されるのに決まっているのですね・・・・

ということは、、、、。

と、爽やかなお別れを脇において、結構重い終わり方ですよね。

…ここまで最低限のポイントだけに言及しながら振り返ってみましたが、お約束な展開でありながら本当に安っぽくないのが不思議。

光学迷彩やレールガンなんかを開発するより、本作の兵器の方がよほど恐ろしい。
DARPAの歴史がまた1ページ。

ということで、本作は設定が(どこかで観た感満載でも)非常に良いし、敵のアイデアもこれまでにないものだったところと、ストレートに駆け抜けたテンポの良さもあり、
SF・ゲーム好きならニヤニヤしながら鑑賞できること間違いないのです。

旧作見逃し作品でしたが、これは良かったな。

2018年映画鑑賞 83本目

post from #pixelbook

◆overview◆


・原題:Spectral 2016年公開
・上映時間:108分

・監督:ニック・マシュー

・メイン・キャスト
エミリー・モーティマー
ブルース・グリーンウッド
マックス・マーティーニ
ジェームズ・バッジ・デール
クレイン・クロフォード
コリー・ハードリクト
ライアン・ロビンズ
アースラ・パーカー
ゴンザロ・メネンデス

2018/01/21

映画_ガーディアンズ(ロシア)(評価/★:3)ネタバレあり感想~結局お前らの力でラスボス倒してないからな!そのドヤ顔やめろ!(このセリフはCV:杉田智和さんで)~【映画レビュー】

1/20(土)公開『ガーディアンズ』予告編

映画 ガーディアンズ ロシア 感想 評価 レビュー


◆ガーディアンズ  鑑賞◆


評価/オススメ:★★★
文月的採点(36/50点)
*本当はもっと低いのですが、好きなキャラがいたために底上げ。
映画 ガーディアンズ 感想 評価 レビュー

この作品ジャンルは?:アクション

オススメしたい人は?:うーーーーん、キワモノ好き?

印象を一言で?:Q,日本よ、これが露映画だ(ドヤッ)→A,あ、はい。

グロテスクですか?:いいえ、ドヤ顔です。


◆synopsis◆



冷戦下のソビエト。

ある秘密結社の違法な遺伝子操作によって特殊能力を持った兵士を生み出し、超人集団を作る「パトリオット計画」が秘密裏に進行していた。

しかし、その名声を独占しようとする組織の科学者クラトフの裏切りにより、研究所は爆破され、超人たちも姿を消す。

それから50年後。

自身も強力な力を持ち、超人となったクラトフはロシア崩壊を企んでいた。

国家存亡の危機を防ぐためロシア政府はかつての超人たちを見つけ出し、「ガーディアンズ」という名のチームを結成。

集められた4人の超人は、失ってしまったアイデンティを取り戻すため打倒クラトフを決意する。

※ネタバレ防止に付き、一部文月加筆訂正

◆comment◆


ご機嫌いかがですか?デスキャンサー文月です。

2018.1.20から公開のロシアから鳴り物入りで乗り込んできた映画です。

ギャラクシーの方ではないガーディアンですヨ!

ロシアも最近はSFに力を入れていて、近年だと「アトラクション」という作品もオチが「コンタクト」的だったのと、ツッコミ満載の設定だったこと以外は物語として観られる作品でした。

ロシア軍がメインで動くアクションシーンは軍と言えばアメリカ軍と染み込んでいるわたしたちからすると新鮮さに萌えます。


映画 アトラクション 

ただ、ハリウッド作品と本作らを比べてはいけません。

ましてや本作をロシア版X-MENだとか安易に言ってもいけません。

だって、こう表現してしまうと、無条件に比較しちゃうじゃないですか。

そして今のところ及ぶわけがないのです。

暖かく寛大な心で笑ってツッコミできる人。

これが本作を劇場で鑑賞できる条件です。

感動を求めて劇場鑑賞してはいけませんヨ。

予め注意しておきますからね!

本作は結構気合を入れて記事を書かなくてはいけないかな?と身構えましたが…


映画 ガーディアンズ ガッツがたりない



「日本よ、これが露映画だ」


このアベンジャーズ丸パクリのコピーをドヤ顔で採用した担当者…お前は…

映画 ガーディアンズ ぶべら 感想 評価 レビュー



これからちょっと解説するけど、ロシア映画はまだまだだと言いたいから
このコピーを採用したってことでいいね?
もう本当にこの映画惜しい、惜しい、ひたすらに惜しい。
(真面目にやっているんだけど、コメディにすら思えてくる)

だから、10分持たなかったDEATH。

映画 ガーディアンズ 感想 デスキャンサー文月 評価 レビュー


超人はX-MEN、組織形態はアベンジャーズのSHIELDを意識していることは最初の15分でわかるようなもの。

あらすじ(synopsis)でも書きましたが、

え?ウィンター◯ルジャーですか?的な?

もしくは初代仮面◯イダーですか?

みたいな計画のもとで超人を生み出そうとする冷戦時代のソヴィエト。

本作の悪役は単純明快でこの計画を推進していたマッドサイエンティスト。

オープニングで事件が起こり、姿を晦ましてしまったんですな。

この辺はいい。ダーク。

真面目なヒーローモノかとちょっと期待しちゃう。

どさくさ紛れに被験者(超人)も逃げちゃったってどんだけセキュリティ甘いんだよ、

というツッコミはさておき、

50年以上経った現代でこのイカレ科学者が国家転覆を図るんですな。

って、お前が超人になってんかい!!!!

自分で自分に人体実験ってなら結構見上げたもんじゃねぇか!

ま、アレね。ショッカーもみんな怪人だもんね。

そんで、50年も当局が放ったらかしにしたおかげで小国並の軍事力じゃねぇか?

メタルギアのMSFですか???すげぇな!

こりゃイカンってんで、毒をもって毒を制す、ヤバいやつにはスペツナズより超人同士に対処させようと秘密組織ガーディアンズが結成され、かつての被験者だった生き残りをスカウトに奔走するのが前半のクライマックスです。

まぁ、本当にロシア版のヒーロー物だけど、ベースとしているのはデジャブ感満載のMARVEL作品と、日本人なら特撮ヒーローの設定を融合したようなものです。

だったら、もっと突き抜けてやり切ってしまえば良かったんですよ。

さて。集められた超人たち…

一応かっこいいんです。

なんだかかなり期待しちゃう、ワクワク感満載の登場シーン。

なんだか余裕でやってくれそうなんですヨ!

特にハン!


映画 ガーディアンズ ハン 感想 レビュー 評価



ビジュアルといい、能力と良い、中の人の無駄なダンディズムといい、テイスティ、本当にテイスティ。


インスタ映えすること1000%請負です!

他の連中と比べて実戦能力も1番高いんですナ。
(単なる馬鹿力というのは戦力としてカウントできないので)

わたしの大好きなヒーローであるデッドプールと共演を熱烈に希望です。
(装備も似ているし)

…だけどですよ。

ここからがデスキャンサー文月が10分持たなかった原因なのですが、

安請け合いしすぎ


なんですヨ。

結構、予告編は「ものすごく上手」に編集しているなぁと。

ドラマとして薄すぎだと言われかねません(実際薄い)。

半世紀も世間から雲隠れしたのに簡単に発見された挙句、


「バイトあるんだけど?やんない?」
「えー、いいっすよ別に」


え、マジで!?

世界嫌なんじゃないの!?

自分をめちゃくちゃにされたのに、あんまり恨んでないんだ。。。

歳もとらないしね。超アンチエイジングなんだ。

むしろ感謝だな。

超人たちは互いに顔見知りなのか、どうなのか?

きっと知っているだろうな、とその辺の描写も軽すぎ。

本題はそこじゃないんだと我慢するけど。

あ、たぶん熊男は変身美女と昔なにかあったか、一目惚れなのか知らんですが、好きです。
4人のリーダー格でビジュアル的にも1番押出すのですがね…この見掛け倒し!
結構な国家予算をつぎ込んでいるにも関わらず敵と戦うのは4人がメイン。

司令官の女の子はレザーのコート(おいおい、それじゃSHIELD司令じゃん)を颯爽と羽織って
攻撃的なんだけどコワすぎの工藤Dなみに「お前らに任せた」というスタンス。
★実は面長なロシア美人の彼女も結構やるんです。きちんとシステマしてます。

だけどクーデターを企てている相手なんだから精鋭のスペツナズとかも使えるんだろうけど、
それでいいのかい。(プーチン大統領がよく許可したな、と)

ま、4人はダークトーン(この映画の色の使い方は好きです)なテイストを保ったまま、
「へ、あいつらなんかチャラいぜ」的な
不敵な態度で突入していきます。

4名の最大の魅せ場!!!

「敵の一般兵相手」にガーディアンズはその能力を遺憾なく発揮します。

あぁ、予告編はここをメインで構成されていたのね、と理解できます。

でも、活躍するの短かっ!!

ラスボスのマッドサイエンティストがドラゴンボールのセル並に形態変化をして登場したら最後。

これがボスに全く歯が立たない。

超人弱っ!!!

これが本当にチート級の強さで。

回線抜いているんですか?
(解らない方は、ネットゲーム上での不正のことだと思ってください)

力を合わせてとかそういうレベルじゃねーぞ!

さっきまでの超人たちのドヤ顔との落差に笑ってしまう(^_^;

ま、単体の能力ではなく、科学者は調合の結果本当に超人化しちゃったんですがね。

あーもう、アメリカからアベンジャーズ呼んできて!!!と。

絶体絶命になるのですが、まぁ、ここは詳しく書きません。

お前コレ、お前らの実力で勝ったんじゃないからな!!!!
忘れんなよ!!!

というラストはもはやコメディです。

敵がいなくなったあとで、さも自分たちの功績最高でしょ!?

勲章ものでしょ!?ね、大統領!

みたいなドヤ顔再開。

もう、個人的にはこれがツボ。

腹筋が痛くなりました。

ボロカスにやられていた癖に、楽勝だったな、戦いはまだ続くぜ…

と既定路線のエンディングを迎えるのですが、

その前にお前らがどこかで修行しろ!
特に熊、お前だよ!!!
熊!お前には絶望した!


糸色望 映画 ガーディアンズ 感想 評価 レビュー

とツッコミ必至です。

と、いう訳で、そういうもんだということで割り切って楽しめる方は面白いのではないでしょうか?

いやぁ、でもコレでMARVELに対抗するにはもう少し頑張って欲しい!

でも繰り返す、ハンだけはかっこいい!

ハンだけだ!

ハンだけで映画を作ってくれ!!!

というか、デッドプールに友情出演してくれ!!!

もっと「強くなったら」フィギュア買うぞ!!!

うむ。

吹き替えには是非杉田智和氏をキャスティングしてほしい。

またお会いしましょう。

映画 ガーディアンズ ホーリキャンサー文月 感想 評価 レビュー

2018年映画鑑賞 24本目
post from #pixelbook

◆overview◆

・原題:Zashchitniki 2017年公開(ロシア)
・上映時間:89分

・監督:サリク・アンドレアシアン

代表作:『クライム・スピード』
・脚本:アンドレイ・ガブリロフ
     
・メイン・キャスト

アントン・パンプシニ
サンザール・マディエフ
セバスチャン・シサク
アリーナ・ラニナク
スタニスラフ・シリン

2018/01/05

映画_キングスマン ゴールデン・サークル(評価/★:3)ネタバレあり感想~まぁ、1作目で飛ばしすぎただけだよ。~【映画レビュー】

映画「キングスマン:ゴールデン・サークル」予告B

映画 キングスマン ゴールデンサークル


◆ キングスマン ゴールデン・サークル 鑑賞◆


評価/オススメ:★★★


文月的採点(30/50点) 
映画 キングスマン ゴールデンサークル 評価 感想 レビュー
この作品ジャンルは?:アクション/アドベンチャー

オススメしたい人は?:うーん。前作ファンが過度に期待しないことを祈ります。

印象を一言で?:まぁ、それなりに。キャラを無駄遣いしないでください。

グロテスクですか?:うん、まぁ、それなりに。


◆synopsis◆


イギリスのスパイ機関キングスマンの拠点が、謎の組織ゴールデン・サークルの攻撃を受けて壊滅した。
残されたのは、一流エージェントに成長したエグジーと教官兼メカ担当のマーリンのみ。
2人は同盟関係にあるアメリカのスパイ機関ステイツマンに協力を求めるが、彼らは英国文化に強い影響を受けたキングスマンとは正反対の、コテコテにアメリカンなチームで……。

※映画.com様より引用


◆comment◆


2018/1/5 本日から公開です。

が!しかし!

・・・これちょっと過剰に期待をしないで鑑賞されたほうが良いかもです。

うーん。

キングスマン、1作目の完成度が非常に高いとわたしは感じていて、
公開当初にドキドキ、ワクワクした口だったのです。

映画 キングスマン


ステレオタイプの英国紳士像と、典型的な悪の帝国。

コリン・ファース演じる凄腕スパイにチャラ男君が学んで成長していく過程。

過剰にコミカライズされたキングスマンという組織自体の魅力。

「フィクション」という利点を十分に活かして同年公開の「ジョン・ウィック」と正反対の路線でお下劣なゴア表現とアクションをミュージカルショーにしてしまった演出。

硬派と軟派。

キングスマンが嫌われるとすれば、その過剰なフィクション性であって、そんなことあるわけないじゃんというようなことを「承知の上で」、同じお国のジェームズ・ボンドよりもはるかに派手に、キッチュにやり切ったからこそだったのです。

わたしはどちらも好きなのですが、それは双方ともに現代を下地に「ファンタジー」「異世界」を作り上げてしまったからなのでした。

それに2作とも鑑賞後にスーツを仕立てたくなるところとか(笑)


さて。

そもそもキングスマンが続編ありきであったのかはわたしには解りませんが、ここに来て改めて「偉大過ぎる1作目」の続編を製作することの難しさを痛感しましたよ。

本作の最大の魅力とは「キングスマン」という壮大華麗なハイテクスパイ組織に対をなす
「ステイツマン」との出会い、共闘になるのですが、その描き方があまりにもあっさりしている

いや、それだけではないですわぁ。

2018年最初の劇場鑑賞だったのに、わたしが本作で年明け早々「ヒャッハー」できなかったのは、

作品全体に漂う『あっさりさ』

が原因だったのでした。


それは取りも直さず前作「キングスマン」で魅せた演出以上のものが本作に無かったからです。

そしてドラマすら「あっさり」していて肩透かしを食っている感覚。

見た目も香りもものすごく良くて誰が見ても美味そうなラーメンの味が薄かった。
「え!?これ味無いんだけど…」
そんな感じです。

そもそも「そして伝説へ…」というようなエンディングを迎えてしまった作品の続きを書いた際に重要になるのは主要人物のその後と、新たな障害であったり、敵であったりですが、
明らかに死んだ様に描いた人間が実は生きていました、と観る側に解らせるのは非常に難しいものです。

有名どころですと、ライヘンバッハの滝に姿を消したシャーロック・ホームズ御大然り、本作のコリン・ファース然り。

実はドラゴンボールで生き返りました、ぐらいの思い切りが必要ですね。

逆に言うと、コリン・ファースがいないと「ステイツマン」を登場させても本作の魅力が不十分だと言っているようなもの

それに前作で圧倒的な存在感を見せつけた「キングスマン」とその構成員をまるでゴミ箱捨ててしまうように壊滅させてしまったことは頂けませんでした。。。

バックアップもなにも存在しないのかよ・・・と。

戦争が起こるレベルの攻撃を受けたのに、世界は動かずにスパイ組織と犯罪組織の対決に終止するのは「フィクション」のお約束だとまぁ、なんとか堪えたとしても、キャストの無駄遣いをしている感が拭えません。

名優マイケル・ケインもジュリアン・ムーアもそして「なんでやねん」というくらい納得できないお亡くなり方をした(ココ重要!)マーク・ストロングも!

期待させるように舞台に登場して、それでいていつの間にかスッ退場してしまう軽さ

繰り返しますが、前作の主要人物をあそこまで簡単にお亡くなりさせなくても良いでしょうに!!!

何にも増して敵となる犯罪組織「ゴールデンサークル」のインパクトの弱さ

前作のサミュエル・L・ジャクソン、ソフィア・ブテラふたりが魅せた典型的な悪の華麗さも強さも感じられない(≒ラスボス感の薄さ)構成員の弱さ…

鳴り物入りで登場したアンドロイドも、そんなに強くない…

それ「ユニバーサル・ソルジャー」でヴァン・ダムとドルフ・ラングレンがやったやつでしょ!!!
とツッコミ必至のお仕置きアイテム。

「君は解任だ」とでも言わせれば良かったんです…
(CV:大塚芳忠さん)

そして予告編で期待させた「ステイツマン」の活躍って、若干1名がムチを奮ってロデオボーイしただけで、実はそいつも◯◯でしたって、、、(涙)

キングスマンとは?ステイツマンとは?

実は影で世界を護っていました、という感じが「あっさり」しすぎて伝わりません。

というより、期待させるように演出したまま、エンディングを迎えてしまう寂しさを感じました。


ぶべら キングスマン ゴールデンサークル



おもしろい、というレビューがネット上にはきっと多いでしょう。

それはそれで良いんですよ。きっと。
そういうのが好きなんでしょうから。

わたしが個人的に前作「キングスマン」が大好きであったがゆえに本作を厳しい目で観てしまったかも知れませんな。

ただしわたしはおそらく3作目を製作するとしたらものすごく大変だと思います。

ま、本当にステレオタイプに新しい諜報組織を日本を舞台に作ってしまって「サムライマン」とかにすれば出資しちゃうかもです。

仮にこれが1作目なら続編がないと納得しないような、そんな計算をされた作品でした。

お次に期待。

2018年映画鑑賞 6本目

post from #pixelbook


◆overview◆


・原題:Kingsman: The Golden Circle 2017年公開
・上映時間:140分

・監督:マシュー・ボーン
代表作:『キック・アス』『キングスマン』
・脚本:ジェーン・ゴールドマン マシュー・ボーン
     
・メイン・キャスト
コリン・ファース
ジュリアン・ムーア 
タロン・エガートン
マーク・ストロング
ハル・ベリー
エルトン・ジョン 
チャニング・テイタム
ジェフ・ブリッジス
ソフィー・クックソン
ペドロ・パスカル
エドワード・ホルクロフト

2017/12/15

映画_スターウォーズ 最後のジェダイ (評価★:5!!!!!!)ネタバレあり 感想~老兵は死なず、消え去るのみ~【映画レビュー】

「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」本予告

『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のその後を描く、シリーズ最新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』 12月15日 (金)全国ロードショー

スターウォーズ 最後のジェダイ 評価 感想


◆ スターウォーズ 最後のジェダイ  鑑賞◆


評価/オススメ:★★★★★!!!!!!!!!

文月的採点(49/50点) 
スターウォーズ 最後のジェダイ 評価 感想
この作品ジャンルは?:スペースオペラ

オススメしたい人は?:すべてのSFファン!

印象を一言で?:スターウォーズで号泣するとか…めちゃくちゃあり得ます!
ヒーハーーーー!!!!

グロテスクですか?:いいえ。なんせディズニーがスポンサーですから。


◆synopsis◆


万感の思いを込めてルークにライトセーバーを差し出すレイ。
彼女をじっと見つめるルーク。
そこに言葉はない。
観る者の胸を感動で満たし、同時に様々な想像をかき立てずにはいられなかった、このラストシーン。

――そして物語は、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』へと受け継がれる。

伝説のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーとめぐり逢ったレイが知ることになる驚くべき真実とは? 
なぜカイロ・レンはダース・ベイダーを受け継ごうとするのか?
さらにはレジタンスを率いるカイロ・レンの母親レイアと、ポー、フィン、BB-8らレジスタンスたちの新たなるミッションとは?

そして、“最後のジェダイ”が意味するものとは?


――知られざる秘密が明かされるとき、さらなる謎が生まれる。


※公式HPより

※ネタバレ防止に付き、一部文月加筆訂正


◆comment◆


スターウォーズとはものすごく広がりのある『はるか遠い銀河』の壮大な世界の物語だ。

でもわたしたちが観ることができるのは、結局のところそんな世界の中のごくごく小さな(それでもスケールはでかいのだけど)とある『血筋』を巡るGENEとMEMEとSENSEの物語だ。

それでも世界中の人々を魅了し続け、観るたびに、そのときに自分に応じた答えをそっと教えてくれる、まるで父親みたいな物語だ。

皮肉なことに、世界は人の数だけ存在していて、当事者の心情などお構いなしに、広がることを、変わることをとめることはできない。

ひとつの大きな戦いが終わって『めでたし、めでたし』とピリオドを打てるのは本の中だけだ。

そして、正義も、悪も、光も、闇も、ひとつではない。

始まりもましてや『最後』なんて実に曖昧なものだ。

それでもあの人は、決着をつけるためにたったひとりで大軍の前に立ちはだかったんだとわたしは思う。

歴史も、伝説も、善も悪も、そこにはない。

義務だからではなく『先人であり、父であり、師であり、孤独を頒かつひとりの友であるから』だ。

その背中を見た人々は彼を、彼が象徴する姿を幾千万の言葉で語るだろう。

しかし「その時」の彼の姿はを表すには、たった一言。

彼の名はルーク・スカイウォーカー。このシンプルな言葉だけで十分だ。


往時からは想像もつかないくらいに寡黙で、偏屈で、頑固になってしまっていたけれど、

あなたは選択したんだ。

かつて迷えるあなたを導いてくれたオビ=ワン・ケノービが、微笑みながら背中を押してくれたように。

あんなにも優しく微笑みながら「あの場所へ」還ったように。

あなたが浮かべたあの表情、あの仕草は奇しくも同じものだった。

それでも、それでも、あなたの姿は伝説であり、物語だ。

見上げた空に輝く光は、誰のものでもない。

物語すらも。

あなたはきっと下らないと言うだろうけど、あなたが見せたその奇跡こそが、あなたが導いた小さな光を閃光に変えてしまうのです。

その光は、闇を突き破って、誰かの希望となる…。

May the Force be with you.



いやぁ、今年は様々な映画を観てきましたが、

まさかスターウォーズを観て、劇場で嗚咽するハメになるとは。。。。

涙を止めるまで、しばらくかかりましたよ。

ご機嫌いかがですか?涙腺崩壊中の文月陽介です。

2017.12.15本日から公開です。

詳しい解説など不要な「不朽の名作」にまたひとつ伝説が刻まれました…。



本作でわたしたちが受け止めるのは『誰が、何を、どうやって精算する物語』であったのか?です。

もう冒頭で書いてしまいましたが、
この作品はスターウォーズを更に飛躍させるためのルーク・スカイウォーカーを巡る物語
なのです。

…といっても過言ではない、はず。

ジェダイの帰還から、フォースの覚醒の間に彼らに何があったのか?

本作を観ることでおぼろげながら掴むことができるはずです。



しっかし、オープニングからいきなりのピンチ!!!!!

開幕からトップギアで観客を銀河に問答無用で放り込んでいく激アツ展開、、、、

やられました。

物語の構成も文句がほとんど付けられないぐらいでして。。。

はっきりと『静と動』のパートに分かれて展開します。

『静』とは、(まさにどうなるのか気になって仕方がないよ)ルーク・スカイウォーカーとレイの織りなす物語。

『動』とはレイア姫や新キャラクターであるフィン、ポーらを中心に展開する冒険活劇。

それがクライマックスにかけてひとつに繋がった時、アクシズ・ショック並の奇跡が起こるのです。(わたしは「時が見える」かと思いました)

ルークの物語、と論じておきながらですが、メインキャラクター達の関係性についてもしっかりとした形での進展や、新たな謎もキレイにブッ込んでくるので片時も目を離せない。

ものすごく豪華な1本ですね。。。。

そしてあの二人による、まさかの「共闘」!!

どの二人なのかは、ぜひご自分の目でお確かめを!

既定路線かもしれませんが、熱くなるのは必至です。

クライマックス、クライマックス、クライマックス。

え?コレがクライマックスじゃないの?また?の連続。

オープニングで盛り上がること請負ですが、何回人の胸を熱くさせれば気が済むんだよ…

だけど、おそらく鑑賞される方は時間が過ぎるたび、ピンチを目撃するたびに、こう思うはずです。

「彼はいつ現れるんだ?」と。

ものすごく考えさせられたのは「フォース」「ジェダイ」というものを、JJがどうやって超越させるのか?の結論でした。

本作で示された結論とは「伝説が逆説的にジェダイを創り上げて、縛り付けてしまった」というものでしょう。

わたしたちが新しいスターウォーズと向き合うためには、わたしたち自身の心が作り上げてしまった「伝説」を精算する必要があるのでした。

それはもう、物語の始まりでルークがあるものを無造作に投げ捨てるところからわたしたち観客に示唆しています。

ルークが隠棲するきっかけとなった出来事が、いかに彼を深い闇へと導いてしまったのかも「自分自身の呪縛」が原因です。

そして、感じた恐れ。

それは結局のところ、ルーク自身が向き合うべき闇なのです。

というより「ジェダイ」という呪縛に縛られた人間なら誰しも襲われる闇

わたしが観ていてまっさきに想起したのは、大好きな映画である「ハンテッド」でした。

これも力を得てしまったことによって「向こう側」と「こちら側」がかえって曖昧になってしまったこと、それを生み出してしまったことへの決着がテーマでした。

映画 ハンテッド トミー・リー・ジョーンズ ベニチオ・デル・トロ


と、思っていたら、まさかのベニチオ・デル・トロ出現!

わたしの1番のサプライズ出演(^_^;)

ベニチオが本作の本質を突いた発言をボソッとしてくれたのはさらに衝撃でした。

・・・次回作はファースト・オーダーも荒れそう。

フォースも、ジェダイも、逆説的にダークサイドも、反乱軍もファースト・オーダーも表裏一体であって、そこに囚われることが、そもそも理に反する。

本作のルーク自身の姿って、「スターウォーズ」という世界を自分自身で決めつけているわたしたちに重大な気付きを与えてくれるでしょう。

マスター・ヨーダが形に囚われていたルークをかつて笑った訳とはそこにあったのです。

新しいスターウォーズと向き合うために、みなさまも劇場でルークとともにハッとしませんか?

わたしは頬を伝う涙を拭う必要は決してないのだと気が付きました。

その涙が映す光こそが「次の時代」を生み出す灯火になるのだから。




あ、上映時間がめちゃくちゃ長いので劇場鑑賞前の方は「水分のとりすぎ」には注意!!!!
トイレで途中退席しちゃうのはもったいない!

すべてのシーンを通してでないと、本作にどっぷり浸かれませんよ!

わたしもほとんど飲み物を飲まずに鑑賞して正解でした。


これはどうでもいいのですが、毎度おなじみ「反乱軍名物アブレスト編隊飛行」って、どうしてわたしたちの体温を2度くらい上げるのだろうか。

あぁ、わたしも「了解!レッドリーダー」とか言ってみてぇぇぇぇ。


2017年映画鑑賞 230本目

post from #pixelbook

#涙活
#スターウォーズ体験
#最後のジェダイ

◆overview◆



・原題:Star Wars: The Last Jedi 2017年公開
・上映時間:152分

・監督:ライアン・ジョンソン
代表作:『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』『LOOPER ルーパー』
・脚本:ライアン・ジョンソン
     
・メイン・キャスト
デイジー・リドリー
ジョン・ボヤーガ
アダム・ドライバー
オスカー・アイザック
マーク・ハミル
キャリー・フィッシャー
ルピタ・ニョンゴ
ドーナル・グリーソン
アンソニー・ダニエルズ
グウェンドリン・クリスティー
ベニチオ・デル・トロ

2017/11/03

映画_シンクロナイズドモンスター / Colossal 感想(評価/★:3)~煮ても、焼いても、叩いても、アン・ハサウェイは可愛いのです!キリッ~【映画レビュー】

シンクロナイズドモンスター予告

Uploaded by Albatrosmovie on 2017-08-09.


映画 シンクロナイズドモンスター アン・ハサウェイ



◆シンクロナイズドモンスター 鑑賞◆


評価/オススメ:★★★

文月的採点(35/50点)

この作品ジャンルは?:コメディタッチのファンタジー

オススメしたい人は?:カップルや女性の方も楽しめるかも。

印象を一言で?:超B級映画と思いきや、実は深い。
アン・ハサウェイがふつーのお姉さんを演じているのは必見。
つーか、ツンとしていないので、すごーーーーく可愛い。

グロテスクですか?:グロシーンはありません。


◆synopsis◆



巨大な怪獣を操るダメウーマンが、負け犬人生と世界の危機に立ち向かう!!

職ナシ、家ナシ、彼氏ナシ。
酒に溺れて失敗ばかりのグロリアは、ニューヨークから故郷の田舎町へと逃げ帰る。
時を同じくして、韓国ソウルに突如巨大な怪獣が襲来!
その怪獣の動作は、なぜか遥か遠く離れたグロリアとシンクロしていた―。
世界の運命は、酔っ払いのダメウーマンに託された?!
憧れのニューヨークで働いていたグロリア(アン・ハサウェイ)だったが、失業してからというもの毎晩酒に酔って暴走し、ついには同棲中の彼氏ティム(ダン・スティーヴンス)に家を追い出されてしまう。 家も仕事も彼氏も失ったグロリアが向かったのは、生まれ故郷の小さな田舎町。 そこでばったり再会した幼馴染のオスカー(ジェイソン・サダイキス)に誘われ、グロリアはオスカーが営むバーで働くことになる。

グロリアが新生活への一歩を踏み出す中、衝撃のニュースが世界を駆け巡る。 韓国のソウルで突如巨大な怪獣が現れたというのだ。 テレビに映し出された衝撃映像に皆が騒然とする中、ただひとりグロリアはある異変に気付く。 「この怪獣、私と全く同じ動きをする…?!」舞い上がったグロリアは、怪獣を操り世界をさらなる混乱へと陥れるが、そこに「新たなる存在」が立ちはだかる―!

※公式HPより


◆comment◆



2017/11/3 本日から劇場公開です。


・・・曰く、

「ゴミ映画」

「主人公の女が嫌い」

「なんだこれ?」

「ストーリーが浅い」

「説明不足」

「設定が中途半端」

「アン・ハサウェイがミスキャスト」

エトセトラ、エトセトラ。

・・・・手強い。これは手強い戦いだ。

わたしは劇場を後にしながら、ネット上に散見されるこれらの言葉に正直な所あたまを抱えていました。


本作は製作段階で権利問題で報道されたのをご記憶の方も多いでしょう。

ゴジラ似の「珍」怪獣映画、東宝に訴えられる - ライブドアニュース

『ゴジラ』シリーズで有名な東宝が、制作中の映画『Colossal』を著作権侵害で提訴した。監督自身が「史上最低予算のゴジラ映画」と述べた映画で、アン・ハサウェイ演じる女性が怪獣と心を通わせるという奇妙な設定だ。 「ゴジラ似の「珍」怪獣映画、東宝に訴えられる」の写真・リンク付きの記事はこちら ...

ゴジラがアン・ハサウェイ主演の巨大トカゲ映画に"待った" : 映画ニュース - 映画.com

巨大トカゲ映画主演が報じられたアン・ハサウェイ Photo by Andrew H. Walker/Getty Images for Variety [拡大画像] [映画.com ニュース] 米女優 アン・ハサウェイが、「GODZILLA」+「 マルコヴィッチの穴」のような作風をうたった巨大トカゲ映画「Colossal(原題)」に主演することが報じられたばかりだが、このほど本家「 ゴジラ ...

ただ、これは製作者側の迂闊さもさることながら、東宝が過剰に反応したのではとも思うのはわたしだけでしょうか?


おかげで舞台設定が日本から韓国に変更になっただとか、怪獣が将軍様がゴジラスタッフさんと製作したやつに似ているだとか、いろいろと物議をかもしたのもご存知の方が多いでしょうね。


これは是非とも、日本を舞台のひとつにして欲しかった・・・・

麗しのアン嬢が日本に大手を振って来られるじゃないですか・・・・


それにしてもここまでキツイ言葉で語られる本作ですが、わたしは単純にアン・ハサウェイがふつーーーーのおねえさんを演じているだけで、激レア物件だと(小声)

これを擁護しつつ、オススメとして紹介するにはどうすればいいかなぁ。

わたしは好きなんですよねぇ。

そして恐らく配給会社さんも、親しみやすさを最大限に訴求したくて、ピンクを基調にしたビジュアルと邦題を考えたのでしょうけど、、、、惜しい
この邦題では原題:Colossalに隠された対比というかユーモアが伝わらない。

それこそ怪獣メインの話にしか捉えてくれなくなっちゃうでしょーが。

確かに怪獣のビジュアルや事前のニュース何かを見ると、パニック映画やそれこそパシフィック・リム寄りのゴリゴリ系なアクションを期待してしまうと裏切られたと感じるのも無理も無いこと。

ましてや主演があのアン・ハサウェイならなおのこと大作であることも期待されるのも同感。

だけど、日本語版もオリジナル版の予告編にも、それこそ公式サイトにもシリアスな要素はほとんど見られません。

そうです。

たしかに純粋な怪獣映画とも言えず、大作であると定義するほど壮大もない。

本作はもっと身近で、
ごくごく小さなコミュニティの、
そしてパーソナルな問題を取り扱った物語。

これは怪獣をモチーフにした『ちょっと不思議な』自己再生の物語なのです。
(けっこうぶっ飛んでますけどね)

歯切れが悪くなるのには訳があって、面白いのですけど、なかなか上手く表現できないんですよねぇ。

例えが悪くて申し訳ないのですが、星新一的なとてもシュールなお話で。

あの「おーいでてこーい」がまっさきに想起されたのです。

ま、ストーリーの最大の謎としては、

『あの怪獣の正体はなんであるのか?』

に尽きるのです。


と、書いていたら、公開に伴う監督のインタビューを発見して妙に納得。

【インタビュー】『シンクロナイズドモンスター』監督は松本人志マニア!「『大日本人』の影響受けたよ」 | THE RIVER

「今日の僕はSF男だよ!」 ──スペインの鬼才は、ノートPCのスクリーンの中で、アップル・シナモン・フレーバーのVAPE(電子タバコ)の煙をモクモクと吐きながら笑っていた。「日本の皆とTV電話で話して、巨大なピルを持って(Beats Pill ワイヤレススピーカー)、VAPEを吸っているんだからね。」 なぜか巨大怪獣と動きが"シンクロ"してしまうという"ダメウーマン"の奮闘を描く異作 ...

これらを踏まえて、この映画を整理すると、彼らがこの作品を通してどんなメッセージを伝えたかったのかが朧気ながら見えてきます。

故郷というもっともパーソナルな場所に埋まった

忘れているようで姿を見せないだけの『思い出』

子供時代だからこそ覚えることができる『ピュアで強大な怒り、傷心』

決着をつけないで、そのままにしてしまった多くの人が持つ『何か』

大人になること≒誰もが横並びであることはあり得ないという『現実』

自身が苦しいゆえに、感じる『羨望』『嫉妬』

故に他者を支配したいと思う『エゴ』

個々人の心のうちにしまい込まれた強烈な思いというのは、時とともに純化するものもあるけど、その逆に腐臭を放つものもある。

わたしたちは人と関わるが故に悩み傷つくのですが、人と関わらず生きていくことは不可能。

ミクロの集合体がマクロ。

そしてテクノロジーがもたらした距離の喪失、言葉の壁の消失が、世界との境界線をものすごく曖昧にしてしまった。

ネット上では鍵でも掛けておかない限り「パーソナル」な言葉などない。

何気なくポロッと書いた一語でも、とてつもなく大きな問題に発展する事もある。

気が付かないうちに世界の何処かで何かを無情にも破壊してしまう恐ろしい力を、現代の言葉は持ってしまっていて、その危うさをほとんどの人が(わたしも含めて)自覚せずにデジタルに載せてしまっている。

例え個人の問題でも、世界中がそれを自由に閲覧し、共有し、返信することができる。

今月公開のトム・ハンクス/エマ・ワトソン出演の『サークル』

映画 ザ・サークル エマ・ワトソン


この作品と根底では共通しているであろうテーマを本作はあくまでもコメディタッチに描いているのです。

なので、よーーーく目を凝らして観てみると、本作品には意外な魅力があるのです。

というわけで、高嶺の花が舞い降りた。

わたしたちふつーの人達と同じ視線に立ってくれたアン・ハサウェイを観られる貴重な作品。
お楽しみください。

そうそう。本作のキャストは豪華ですよ♫

2017年映画鑑賞 190本目

◆overview◆


・原題:Colossal  2016年公開
・上映時間:110分

・監督:ナチョ・ビガロンド
代表作:『ブラック・ハッカー』『TIME CRIMES タイム クライムス』
・脚本:ナチョ・ビガロンド
     

・メイン・キャスト
アン・ハサウェイ
ジェイソン・サダイキス
ダン・スティーブンス
オースティン・ストウェル
ティム・ブレイク・ネルソン

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第7並行世界のユートピア

物語の海に溺れる中で、フレーズ、イメージを繋ぎ合わせて生まれた短いストーリー達を文月陽介が書き留めます。 特定のジャンル、モチーフにこだわらずに、ひとつひとつの物語を紡いでいます。 ※筆者の気まぐれにより不定期更新です。

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