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2017/07/01

ディストピア パンドラの少女 感想 ~子供がまだ『喰って』る途中でしょうが!~【映画レビュー】

[映画感想]

◆ディストピア パンドラの少女 感想◆


評価/オススメ:★★★☆☆

◆synopsis◆


真菌の突然変異が起き、感染した人間は思考能力をなくし、生きた肉のみを食すハングリーズと化した近未来。
爆発的に蔓延したその奇病により、人類は絶望の危機に瀕し、残った少ない人々は安全な壁に囲まれた基地内での生活を余儀なくされていた。
そんな中、イングランドの田舎町にある基地ではウィルスと共生する、二番目の子供たちセカンド・チルドレンの研究が行われていた。
その子供たちは感染しているにもかかわらず、思考能力を維持し、見た目は人間の子供そのものだった。
彼らから、ワクチンを作り出そうと模索する中、子供たちの中に高い知能をもった奇跡の少女メラニーが現れる。
彼女は人類の希望となるのか―絶望となるのか。

※公式HPより

◆comment◆



すみません。
邦題変更してくださーーーい!!!
配給会社がトンチンカンなタイトルとかネタバレに直結する副題をそのまんまつけてどないすんねん(汗)

2017/7/1 日本では本日から公開です。
それにしてもディストピアって、誰がメインタイトルにしてしまったのか。
副題のパンドラの少女も、なんで加えてしまったのか・・・・
あぁ、これ原作の邦訳版のタイトルなのか・・・・。
そもそも原題を紐解くと、そういうことになるのかぁ。。。。
でも、入れなくていいよなぁ。。。。
だってこれからチケット買って(もしくはそれなりの手続きで利用料金払って)観るんですよ。

もっと言うとタイトル決定した人たちは『ディストピア』って、言葉ちゃんと理解しているのかなぁ・・・・。
もしくは製作陣にも確認したのかなぁ・・・
あえて邦訳版のタイトル省くとか配慮したほうがよかったのに。
そのままポンっとのせちゃったのだろうけど。


この作品はディストピアではなく、人類の終末を描いた物語です。はい。
もっともっと、言ってしまうとゾンビというコンテンツは出てきますが、ゾンビ作品には入れられません。
たぶんホラーとは違う方向性のお話ですよ、コレ。

もの凄くこじつけて、冒頭の導入がディストピアらしく(これでも屁理屈になるかぁ)映らないこともないですが、
それとも・・・・エンド??
だけどなぁ、何度思い返しても「ディストピア」とは結びつかないんだよなぁ。
ワタクシの理解力がないのかなぁ。。。。
誰にとってのディストピアなのかなんだよなぁ。
あの子らが言ってみれば管理されていたのはむしろ正当な理由だものなぁ。

こういうぶん回し感はむしろ『メッセージ』(本年日本公開 原題:Arrival)にも近いものを感じます。
(宇宙人との遭遇という出来事を通して、実は本題が別の所にあったという意味で)

このあたり、鑑賞後に肩透かしをくらう方も多いでしょうからご注意ください。

ワタクシも『ドーン・オブ・ザ・デッド』(04年)や『28日後』(02年)『28週後』(07年)の際に「これこれ!!」って感じた絶望感や終末感にトリップするつもりでしたが、事前に原作をきちんと読んでどんな話かを理解しておけばよかったと思いました。
まぁ、楽しみだと感じた映画ほど、あえて情報収集しないで臨むのが好きなので、仕方がないですな。自業自得です。

ブラピたちがゾンビ小説の衝撃的傑作「WORLD WAR Z」の原作をこねくり回した結果、全然違う話やんけ!としてしまった事例もあるので、いい意味でそちらを期待していたのですがね。文月は断然「WORLD WAR Z」原作派です。原作は読み返しすぎて擦り切れてるから今月読書用に新しいの買います。

ところで映画に限らず、物語のタイトルって本当に大切だと思います。。。。
タイトルや副題で物語のネタバレをしてしまうのはどうかなぁ。

このあたり、ワタクシも個人的につぶやいてきましたが、最近特にひどくないですか?
ちょっと騒動になったのは秋に公開予定の「ドリーム 私たちのアポロ計画」が記憶に新しいですね。
※参考記事(リンク貼ります) ITメディア様
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1706/09/news113.html

エヘン、あえてお話します。

原作をすでに読まれた方にとっては、答え合わせの作品として観ても良いかなぁという感じです。
そして原作に触れていない方は、原作をご覧になることをオススメします。
さらに加えると「パンドラ」っていったい何を意味しているのかご存じの方はもう・・・・ぶ、ぶべら!!!!

むしろ原作を読まれたほうが、驚きも、考えさせられるものも多いのではないでしょうか?
このあたり、トンチンカンなメインタイトルと副題を決められた方たちが、
公式HPの情報開示の仕方も含めて自ら結末をバラしているようなものなので、致し方ないです。

※どうでもいいですが、セカンド・チルドレンとか「アスカ」ではありませんので
ご注意を。(おそらく原題ではチルドレンズだろうな)

それではこの物語って何も魅力はないの?
いいえ、メッセージは確かにあります。

この物語を象徴する言葉は「淘汰」であり「選択」というワードです。
描かれる崩壊した世界はそのままモラルや善悪が混沌としてしまった今を象徴していいて、それでもその混沌の中から生まれた「選択(決断)」の是非がキーポイントになります。

結局のところ、人類に火をもたらしたプロメテウスに激怒したゼウスが人類に厄災をもたらすために女性をつくり「すべての贈り物」(容姿、能力、魅力など、そしてピトス)を与えられた彼女が何をしてしまったのか?
という神話を下地に、「生き残る」という当たり前の生存本能を持った「次世代の子ら」がどんな「選択」をしたのか?
わたしたちは何を彼らから得ようとし、彼らは何をもたらしたのか?

今年度わたくしが個人的に見てきた映画は結末は違えど概ね同じようなベクトルを向いているのかなぁと感じます。
「パッセンジャー」然り、「メッセージ」然り、「ローガン/LOGAN」然り、そして本作。

「淘汰」と「選択」という言葉を軸にこの作品を観ることができるのであれば、一見地味だけど実は魅力的な物語であると受け止めることもできるのではないでしょうか?

ラストに至るまでのイベントは逃避行を続ける小さなグループ内での出来事というカタチを取りながら、下地になる神話のエッセンスが濃厚に見え隠れします。
もちろん、人類の命運を担うほどの研究をしているという設定の割に脆弱過ぎる環境に彼らがいることや、
最大のキーポイントである「この物語のパンドラの箱」が、確かに幻想的ではあるけれど「あんなものなの?」とツッコミどころもたくさんあります。

あれが何なのか解っているなら、世界はなんで放置してんの??
絶対解明されてるだろーが!!!なんか手を打てるでしょ!!!

と、絶対に思うだろうし。

セカンド・チルドレンを隔離して研究しているのは解るけど、人類が滅亡するかしないかの切迫した状況で、彼らを「人間的に育てる」→研究に「人道性」が介入し→結果、研究が瓦解してしまう・・・・
というのは有り得そうだけど、現実味が薄いのでは?と思います。
そこまで逼迫した状況ならむしろ問答無用でしょうな。

しかしながら、徹底してギリシア神話を下地にしている本作。
この象徴的な説話(日本語副題のあれです)の通り、重要な選択(決断)を迫られる3人の主要人物が結末からすると『全員女性』でしかもそれぞれ『若年・成年・熟年』と世代が見事に別れているのには唸りました。

ゾンビホラーだと思って観てしまうとこの物語の本当のところを観るのは難しいです。
文月も「なんだよこれ??全然怖くないし」と呆然とした口です。
この物語はホラーではありません。
そしてディストピアでもありません。
時代も世代も大きな流れの中でどうしようもなく移り変わっていく、どんなにあがいても淘汰されていく、どれぞれの世代がそれぞれ最善と思われる選択を迫られ、その結果もたらされるものをどう受け止めるのか?
そんな思考実験をした物語なのです。

人類に繁栄をもたらした『火』が象徴するのは『力』です。
その『火』がパンドラに渡った時・・・
この物語の最大の皮肉はそこです。
ラストシーンに希望を見いだせる人がいたとしたら、それはおそらく「次世代の人」なのでしょう。
少なくともワタクシには希望は見いだせませんでした。
ディストピアではなく、彼らは桃源郷を作ってしまったのだと。
むしろそういうタイトルにしたら唸ったのだけど。


2017年映画鑑賞 104本目

◆overview◆


(原題:The Girl with All the Gifts)2016年公開(日本公開2017/7/1)
上映時間:111分
・監督:コーム・マッカーシー
代表作:SHERLOCK Season3 三の兆候など
・脚本/原案:マイク・ケアリー

<メイン・キャスト>
セニア・ナヌマ
ジェマ・ア—タートン『アンコール!!』(2013)
グレン・クローズ『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)
パディ・コンシダイン『チャイルド44 森に消えた子供たち』(2015)


2017/06/17

リベンジ・リスト 感想 ~男なら、クローゼットの奥に人には言えないものを隠しているもんだ~【映画レビュー】

[映画感想]


◆リベンジ・リスト 感想◆


評価/オススメ:★★★☆☆
(90年代のノリが好きなら★★★★★!!!)

◆synopsis◆


目の前で強盗に妻を殺害された失業中の中年男。
容疑者は捕まるが、裏社会と繋がっている悪徳警官によって釈放されてしまう。
事件は闇に葬られるかと思われた・・・・

理不尽な社会と、妻を守れなかった己の無力さへの怒りが,、捨てたはずの過去を呼び覚ます。
善良な市民として暮らす男はかつて数々の殺しを請け負ってきた特殊部隊の元工作員だったのだ。
封印していた殺人術を総動員し、かつての相棒とともに復讐に手を染めていく。
やがて妻の死に隠された巨大な陰謀を知ったとき、男の怒りは臨界点を突破する―
お前もやはり悪なのか!!

※公式HPより
※一部文月加筆訂正

◆comment◆


懐かしい。
ただひたすらに、懐かしい。
僕らの知ってるアクション映画って、もともとこういうもんでした♫

日本では2017/6/17 本日から公開です。

『スターウォーズ』『アベンジャーズ』が幻想的なアクションなら、
『マトリクス』『リベリオン』が演舞的なアクションなら、
『ジョン・ウィック』は魅せるアクションなら、
本作『リベンジ・リスト』は90年代に大量に出回ったテイストがたっぷりの『解りやすい』アクションです

そんな感覚に囚われても仕方がない。
監督のチャック・ラッセルは『マスク』(95年)『イレイザー』(96年)『ブレス・ザ・チャイルド』(01年)とそっち方面のお方ですものね。

主演は「また紹介記事とかに完全復活とか勝手に書かれているけど、そんなことないよ。自宅が飛行場すんごいセレブ」ジョン・トラボルタ。
本作のムードメーカー、ジョン・トラボルタの相棒役にはクリストファー・(ハーディー大佐)・メローニ。
ふたりとも実はすごいんですという見せ場がキチンと用意されていて(それも90年テイスト)、
このふたりだけでお腹いっぱい感があります。

若いイケメンよりも、渋いおじさん以上のヒーローって最近多い。
アイアンマンも、デッドプールも、マイティ・ソーも、ドクター・ストレンジも、バットマンも、ジョン・ウィックも、
ジャック・リーチャーもそれなりのお年です。

やたらと壮大で長くて、観客を置いていってしまうような大振りな映画が多い中で、
もう少し狭くて、短くて、近い、それだけでなくそれなりに熱い作品がやってきました。
同日公開の「キング・アーサー」が派手なソードアクションなら、本作は渋めなガンアクション(それも漢の夢アイテム・ハンドガンとナイフ)。

洒落たお店で豪華なステーキもいいけど、街に昔からあるラーメン屋の中華そばでホット一息。
そんな感覚が解る方は本作がオススメです。
そういうわけで★は3つ。

・・・これもまた、配給会社さんや紹介記事にちょっと言いたいのですが邦題がヒドイ
そしてこの映画を「ジョン・ウィック」と並べて言っちゃダメ。テイストも製作意図も全然違うんだから。
どちらかと言うと、90年代テイストのケチャップをたっぷりつけた「コラテラル」(04年)でしょうが。

公式サイトにも
映画史上、最も激しい“怒り”に突き動かされた復讐劇が今、幕を開ける
と派手に書かれていますが、おいおい、ライターさん。

主人公のスタンリー・ヒルが遭遇した不幸は確かにヒドイけど、こういう作品では「よくある設定」だし、近年だともっと怖いくらいの怒りという意味では『悪党に粛清を』(14年)のマッツ様の方が鬼気迫ってます。
★ワタクシの紹介記事★
【映画 感想】悪党に粛清を ―もう金輪際、相乗りはゴメンだ。―

それに何故か、ジョン・トラボルタが全編通して「そんなに怒っているように見えない」のでしたΣ(´∀`;)
あ、ここはツッコんじゃダメなのかも。ジョンは凄腕の工作員でしたものね。

この作品は確かに復讐劇という側面もあるけど、どうして自分で手を下すことになったのか?という方にフォーカスするべき。(『パニッシャー』にも通じる社会問題が背景に有りますよ)

そうそう。90年代ヒーローは細マッチョではなく、ゴツマッチョ。
スタローン、シュワちゃん、ジャン・クロード・ヴァン・ダム、ドルフ・ラングレン。
彼らに憧れて筋トレに勤しんだ80年、90年代生まれの世代は多いハズ(笑)
結局仕上がりは、ブルース・ウィルスみたいな感じになっちゃうのかも(笑)
それでもブルース・ウィルスはブルース・ウィルスというカタチを作っちゃってますからね。
ジョン様も還暦を迎えたと言うのにデカイです。
漢はこれでもいいんだと、踊って歌っている細マッチョ軍団好きのレイディー達に教えてあげよう。


この作品、冒頭の導入が凶悪事件の速報チックにこれでもか~と流すのですが、
「パニッシャー」と同じように、ここでこの映画の言いたいことは全て言われてしまっています。
テロも怖いですが、お茶の間のニュースで流し見されてしまうほどの凶悪犯罪が溢れているんです。
一般市民としてはそちらのほうが恐ろしいわけで。
すんごい経歴を持っている人も等しくそういうものに巻き込まれるということです。
その点「戦闘」をアートにした結果、ストーリーは料理屋のお通し程度にしてしまった「ジョン・ウィック」よりも社会性はあるのかなぁと。

とはいえ、
大筋のストーリーは明快過ぎる一本道の勧善懲悪もの。
追いかけっこです。
ひとり、またひとりと妻の殺害に関わった人間を芋づる式に追っていきます。
というか「どうせお前も悪いだろ」と感じた人間が「ホントに悪いんかい!!!」となる様は痛快でもあります。
アクションシーンも派手なカメラワークもワイヤーアクションもCGも一切ない「痛い!」肉弾戦が見られます。
シーンは少ないけど確かにオッサン達キレキレです。
それに細かいけど凶器の捌き方やそこからの反撃なんかは「もっと見せて!!」と胸熱。

ホント、90年代の解りやすいタフな漢の戦いを観る作品を彷彿とさせるので30歳以上の観客は「ある意味で安心」するかも。
わたしは好き。時々挟まれるウィットある台詞とか特に。
やっぱりなぁという演出や展開はエンディングまで続いちゃうんです。

逆に「複雑で入り組んだ伏線」「難解な設定」が当たり前の作品に浸かってしまっている若い世代の観客からは物足りなさを覚えるかもしれません。

ジョン演じるスタンリー・ヒルよりも好きになってしまった相棒デニスの拠点はなんと床屋。
なるほど、一昔前なら情報源は自動的に酒場だったけど、床屋もペラペラお喋りしちゃうという意味では見落としてましたな。
この辺、紳士の国の喫茶店やテーラードスーツ店を隠れ家にしていた「キングスマン」(14年)への皮肉かなとも感じて個人的にはツボでした。
続編あるかもな。スピンオフでデニスが主人公のドラマでも製作しないかなぁと期待です。

・・・・うむ。レンタルでも良かったかな(笑)
好きなんだけど、好きなんだけど。
通な方は是非劇場でお楽しみください。

2017年映画鑑賞 98本目

◆overview◆


・原題: I Am Wrath 2016年公開
・上映時間:91分
・監督:チャック・ラッセル
代表作:『マスク』(95年)
・脚本:スチュアート・ビーティー

<メイン・キャスト>
ジョン・トラボルタ
クリストファー・メローニ
アマンダ・シュル
サム・トラメル
パトリック・セント・エスプリト
レベッカ・デモーネイ
アサンテ・ジョーンズ
ポール・スローン

2017/06/09

パトリオット・デイ 感想~こうして、事実は物語になっていく~【映画レビュー】

◆パトリオット・デイ 感想◆


評価/オススメ:★★★★☆


◆synopsis◆


2013年4月15日。
誰にとっても『ありふれた1日』になるはずだった・・・・

殺人課の刑事トミーは朝からボストンマラソンの警備に駆り出されていた。
オリンピックの次に歴史の古いこのマラソン大会は、毎年祝日である“愛国者の日”に開催され、117回目を迎えるこの日も50万人の観衆で賑わっていた。

次々と走者がゴールインする最中、トミーの背後で突如大爆発が起こる。歓声は悲鳴に変わり、逃げ惑う人々と折り重なって倒れる負傷者で現場はパニックとなった。

到着したFBIのリックは現場に散乱した金属片を見ると「これはテロだ」と断言。
テロ事件はFBIへと捜査管轄が移ってしまう。
犯人逮捕に燃えるトミー達ボストン警察の警官たちは歯ぎしりをするが、病院を回って負傷者たちへ地道な聞き込みを行う。

やがて監視カメラに映る不審な“黒い帽子の男”と“白い帽子の男”が容疑者として浮上し、事件はアメリカ全土を揺るがす緊迫の事態へと発展していくのだった……。

※公式HPより
※一部文月加筆訂正

◆comment◆


この映画は決して踊る大捜査線ではありません。
もちろん事件と対峙するのは多くの警察の方です。
ただし題材は起承転結はありますがいわゆる「ドラマ」ではありません。
結果としてドラマチックに展開した事件を描いています。

非常にデリケートな事件を扱った本作。
アメリカという国はメモリアルをものすごく大切にする。

そのあたり日本とは違うのかなぁと感じます。
もちろん日本人だってそういうものを大切にするけども、違っているのは手法です。
日本では伝統的に事件や事故なんかをタブー視する傾向があり、
アメリカはその逆で明らかにしたり、キャッチコピーなんかをつけてシンボルにしてしまうことでイベントの温度を高めているように感じます。

監督はハンコック(2008年)とバトルシップ(2012年)は個人的には好きだよピーター・バーグ。
ローン・サバイバー(2013年)はSEALsがひたすら崖から落下して痛かったという印象が先行でしたが。

主演はバーニング・オーシャンにつづいて、わたしにとってはおそらくずっと”ボブ・リー・スワガー”マーク・ウォールバーグ。タフガイかと思いきやテッドでガラリとおちゃめキャラを演じたり、プロデューサーとしても幅広く活躍してます。
脇を固めるご存知ケビン・ベーコン、クローバーフィールド10のでっかいおっさんジョン・グッドマン。
おそらく本作いちばんのタフな男はJ・K・シモンズ。見ての通り、男、男、男。
そんな中、存在感たっぷりのカンディ・アレキサンダー(CSI:マイアミをご覧の方にはおなじみです)も結構イカしてました。

話を戻します・・・
実はワタクシの自宅の近所にものすごく紳士なアメリカの方が住んでいて、
ワタクシのものすごく適当な英語でも陽気に受け入れてくれる方なのですが、
ある日激しい夕立が鳴った夕方にその方に「Enjoy storm!」と声をかけられました。
また、飼っていらっしゃる子猫が不慮の事故で亡くなった際にも、お悔やみを言うと
「彼はいい人生だった」と片言の日本語で答えてくれました。

ワタクシはこのパトリオット・デイを鑑賞した際に(他にもノンフィクションの映画を観た際に)、凄惨なイベントであっても、何かを必ず見出そうとする彼らの「強さ」に素直に脱帽してしまうのです。

前述の方の言葉も同じでした。

もちろん全てが全て同じだとは言えないのだけど、そういうある種プラスに転じていく
「陽気さ」がアメリカという国を、そこに住む人を「ドラマチックに」してしまうのだろうと思います。

この作品はある記事で「踊る大捜査線」と日本人がイメージしやすいコピーで飾られていたのでお断りしますが、
派手で真っ赤に塗りたくったようなBGMも熱血青島刑事も可憐なすみれさんも出てきません。
極力淡々と何が起こったのか?を描いています。
この監督とマーク主演の「バーニング・オーシャン」と基本は同じテイストです。
ドキュメンタリー寄りのノンフィクションベースのフィクションという微妙な映画になるのかなぁ。
というのも、ノンフィクションとはいえ映画という枠に収めるためには事実の再構成も、情報の取捨選択も必須だからです。
つまりは「解釈」の問題になるわけです。
(「バーニング・オーシャン」については、google+でも感想を書かれています
[Satomi “さとちゃ” B]様 http://eiga.com/movie/84435/review/01551064/ の記事も紹介いたしますが、まったく同感です)

そういうわけで「描かれた事実が真実であるのか?」「どこまでを汲み取っているのか?」は考えないといけないところです。

結局のところこの事件の真相は映画では描かれません。というより、描けないだろうと。
この作品は社会に問題提起をしている訳でも、事件を考察している訳でも、悲劇を演出している訳でもないと思います。
ではこの映画ってなんで作ったの?
バーニング・オーシャン同様に(あれよりは偉そうでもないけど)、わたしたちの「何気ない普通の生活」って、実はものすごく危ない薄氷の上に立っていることを「淡々と示して」いるのだと考えます。
無言のメッセージとして。
そういう意味で突然会場が爆発する、例のシーンは「本当に怖い」ですな。

なにも悲観的に考えているわけではないのだけれど、普通の生活が壊れる時、いつだって犠牲になるのは「わたしたち一般人」であって、それを解決するのも「わたしたち一般人」なのです。
この事件で活躍するボストン警察の人たちも家族がいて、恋人がいて、笑い合える仲間がいる「一般人」なのです。
今までヒーローを演じてきたマーク・ウォールバーグも(複数の人のエピソードを繋げているけど)「普通の街の警官」なのです。
不幸にも犠牲になった方も、犯人側へと迫るきっかけを作ったのも、犯人側と戦ったのもヒーローではなく「わたしたちと同じ普通の人達」なのでした。

最初にもどりますが、そういう訳で、この映画は決して踊る大捜査線の様なエンタテインメントではありません。
明確な答えがない映画。だからちょっと難解かも。
だって、わたしたちの生活は「ドラマ」ではなく「現実」なのですから。


2017年映画鑑賞 93本目

◆overview◆


・原題:Patriots Day 2017年公開
・上映時間:133分
・監督:ピーター・バーグ   
代表作:『バーニング・オーシャン』(2017年)
・脚本:ピーター・バーグ
          マット・クック
          ジョシュ・ゼッツマー

<メイン・キャスト>
マーク・ウォールバーグ
ケビン・ベーコン
ジョン・グッドマン
J・K・シモンズ
ミシェル・モナハン
アレックス・ウルフ
セモ・メリキッゼ
ジェイク・ピッキング




2017/05/14

メッセージ/Arrival 感想 ~世界は『言葉』でつくられている~【映画レビュー】

[映画感想]

◆メッセージ/Arrival 感想◆


評価/オススメ:★★★★☆


◆synopsis◆


突如地上に降り立った、巨大な球体型宇宙船。
謎の知的生命体と意志の疎通をはかるために軍に雇われた言語学者のルイーズは、
“彼ら”が人類に<何>を伝えようとしているのかを探っていく。
その謎を知ったルイーズを待ち受ける、美しくそして残酷な切なさを秘めた人類へのラストメッセージとは―。

◆comment◆


解った、だとか、解らないだとか大きく評価が割れる作品がある。
キャストもVFXもカメラワークも飛び越えて、物語の世界に「浸った」側が
得られるある種の充足感が「観てよかったぁ」って気持ちを引き出す呼び水になる。
その充足感得やすい作品と難しい作品がこの世界には存在する。

もちろん創り手側としては、そうした充足感をより多くの人に得て欲しいと常日頃考えている。それが仕事だし、それが対価の原資になるからだ。

ただ、それは商業としての物語のあり方を考えた場合。
面白い話。ワクワクさせる設定。紡がれる『言葉』の根底には「どうやって楽しんで(あるいは怖がって/考えて)もらえるか?」という「意図」があります。
だから「意図」をより多くの人に伝えるための、受け入れられるための『言葉』には明快さが不可欠だ。

ただし、明快だから受け入れられる、良い、と言う訳でもない。

『言葉』を用いる『意思疎通』の最大の難しさとは『解釈』という送り手/受け手双方のフィルターが内在するからだ。

『解釈』 この作品の重要なワードです。

ドゥニ・ヴィルヌーヴという監督はこういうことを狙って物語を作れる稀有な人物だ。

「複製された男」なんて人を選ぶし、難解で中二病的だし、根暗なトンデモ映画だ。
「プリズナーズ」、「複製された男」、「ボーダーライン」どの作品もワタクシは大好きだけど、描かれているのは「こちら側と向こう側」という線引が如何に曖昧で、移ろい易いものなのかだと思う。

つまり、描いているのは『人間』だということだ。

『言葉』つまり『言語』というものが一種類しかない世界だとしたら、物語が掴まえることができるものはひどく狭くて味気ないものだと思う。

故に面白いと思う方も、その逆の方も多い作品になると思います。
(「グレート・ウォール」や「無限の○人」などとは別の意味で)
これは制作側の意図(もっと言うと原作者の)であって、『解釈』が分かれるほど『狙い通り』になったということですよ。はい。

言葉繋がりで、ひとつだけ個人的に変えてほしいのはこの作品の邦題。
『メッセージ』で本当に良かったのかなぁと。。。

原題のArrivalじゃないと、誤解を与えると思う。
予告編の作りも、公式HPも『メッセージ』に主題を置かれているけど、
この映画の本質は『言葉』であり『時間』であり、このふたつがひとりひとりに
舞い降りた時に用いられる『LIFE』だ。

話を戻します・・・
実はちょっと前に試写会に幸運にも行けて、そこで観ておりました。
今週5/19(土)からようやく公開ということで、劇場に行かれる方もいるかと思い更新です。

この作品は『インデペンデンス・デイ』(1996年)や『インターステラー』(2014年)に並んでコメントされているのを散見しました。
文月としては、真っ先に思い浮かんだアーサー・C・クラークの『幼年期の終わり』やロバート・ゼメキスの『コンタクト』(1997年)寄りの物語だと考えます。

ファーストコンタクトというカタチを取った『意思疎通』の再定義を狙った思考実験。

これがこの映画です。

だから『インデペンデンス・デイ』みたいなド派手なアクションも熱い人間ドラマも、

『インターステラー』のような地球の危機や壮大な宇宙探索も、ありません。

そういうものを期待されてスクリーンの前に座った方はごめんなさい、きっと『面白くない』と思われるでしょう。

突如地球に舞い降りた12の『物体』が世界の主要な場所に陣取っていく様はなるほど『インデペンデンス・デイ』を彷彿とさせますね。

2017年の混沌とした世界なら、物体が現れた時点で即全面攻撃となっていたのかも知れませんな。

しかし、この物語では非常事態宣言は各地で出されますが、まずはきちんと『意思疎通』を図ろうとするのです。

黒塗りの種子然とした巨大飛行物体は地球のものであるのか?

そうでないなら、相手は誰なのか?

どういう目的を持っているのか?

どうやってこちらにやって来たのか?

劇中のあるシーンで印象的な言葉がありました。

「これはアボリジニと同じだ」

アボリジニと、固有名詞を出していますが、これは取りも直さず大航海時代(それ以前からも当然有りましたが)より欧州がアフリカ、アジア、アメリカ大陸に対して行った植民地政策の事を引き合いに出しています。

まぁ、人類の技術で察知できない方法で世界に同時に出現した『物体』とそれを動かしている『生命体』は、その存在を持って我々より数段優れた文明を持っていることは明らかです。

よって話を戻すと、『誰で』『どうして』『何のために』やって来たのかという事を正確に把握しなければなりません。

人間同士ですら『来られた側には無い技術』を提供する代償として『多大な利益』を引き出そうと画策してきた訳ですからね。

未知なる相手を前に『悪意の解釈』を持って対峙する訳です。

物語はこの未知なる存在とどのように『意思疎通』をしていくのか?

そして、ある重要なキーワードをどう『解釈』するのか?

その『解釈』を世界はどのように『共有』していくのか?

を巡って主軸が展開していきます。

その未知なる存在との交流、そこで交わされる『言葉』、彼らを巡る人間たちの『解釈』の違いを通して主人公の言語学者は『自分自身』についてある気付きを得ます。
彼らが残したメッセージというより、彼らによって気がついた○○。

だから原題は『Arrival』なんだ。と落ちるわけですね。。。。
(Arrivalを辞書で引くか、google先生に聞いてみてください)

世界には7,000以上の言語があると言われていて
(この辺は専門家ではないので、断定はしません。
引用 http://www.ethnologue.com/ (SIL International))
表記されるだけである言葉について7,000前後の『訳語』が存在するということになります。しかし『訳語』はあくまで『訳語』であって、それがニュアンスまで完全に一致しているかは不明瞭です。そもそも『そうした言葉がない』ということもありえます。

人は思考を表現するツールとして『言葉』を用いているのであって、そうした意味では『言葉』というものも実に曖昧だということになります。

曖昧な思考→例えば「あなたが好き」というのは言葉での表記ですが、込められた感情の強弱、表裏、度合いまでは完全に表せません。せいぜい絵文字を用いたり、文字の大きさを変えたりと、装飾することでなんとかニュアンスを「表現」できるくらいです。

言葉 /言語 の曖昧さ。
伊藤計劃の虐殺器官ではないですが、これがこの物語の根底です。
それでも解り合いたいから意思疎通をする。
それでも100%のコミュニケーションなんてない。
この「言葉」というツールの恐ろしさと素晴らしさ。

未知の存在、そして巡る言葉の解釈で、国同士が、組織が、個人が激しく揺れ動きます。

で、結局世界はどうなんの?

ここまで散々『言葉』と書いてきてなんですが、『時間』というのもこの作品の重要なファクターです。
この作品の壮大なトリックとは、
原作『あなたの人生の物語』ってタイトルに集約されていきます。
作者の関心や原作からすると、言葉そのもの、時間の概念の方がウェイトが高い印象。
この『時間』って概念。これもこの作品にやられたぁと思わせる深いキーワードです。
あぁ、これ以上書けない。

『よく良く解らない誰か』とどう向き合うのか?
『よく解らない自分』とどう向き合うのか?
そこに付け加えられるのが『母性』だということになると・・・
昔流行った「セカイ系」にも似た所にも通じた所にも行ってしまうやんけ・・・
ま、原作が発表されたのが1998年だからなぁ、とその時期の『言葉』に浸っているワタクシなんかはそういった『解釈』に毒されてしまっていますがΣ(´∀`;)

サイエンス・フィクションというより、スペキュレイティブ・フィクションとしてのSF作品。
言葉ひとつで個人も世間も国家さえも変えられてしまう現代。
この時代、この世界情勢だからこそ、観た時に考えさせられるものが多い。
未知の存在とは、膨らみすぎたゆえに見えなくなっている世界そのもののように感じられる。
非常に有意義な映画体験でした。
文月としては、是非とも『Arrival』して欲しい一本です。


2017年映画鑑賞 41本目

◆Overview◆


・原題:Arrival 2016年公開
・上映時間:116分
・監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ   
代表作:『ボーダーライン』(2015年)
    『プリズナーズ』(2013年)
          『複製された男』(2013年)
    『ブレードランナー2049』(2017年)
・脚本:エリック・ハイセラー

<メイン・キャスト>
エイミー・アダムス
ジェレミー・レナー
フォレスト・ウィテカー
マイケル・スタールバーグ


マーク・オブライエン

2017/04/16

グレートウォール 感想 ~気高く、美しく、禍々しい。其は長城、聳え立つ本物の『壁』~【映画レビュー】

[映画感想]
 

◆グレートウォール 感想◆

評価/オススメ:★★★☆☆
(ファンタジー、無双ゲーム好きなら満点か!!)


(原題:The Great Wall / 長城 
2016年公開(全米公開2017/日本公開2017年4月14日)
上映時間:109分

・監督:チャン・イーモウ   
・代表作:HERO 英雄 (2002年)/単騎、千里を走る。 千里走單騎 (2005年)
・脚本:カルロ・バーナード


★出演者★

マット・デイモン
景甜
ペドロ・パスカル
ウィレム・デフォー

◆summary◆


壁。

威容を誇る、壁。

内なる者には希望を、そうでないものには絶望を与えるためのもの。

この国は古来より忌むべき方位というものがあった。

それは西でも東でも南でもなく、北だ。

日本も同じですが、中国でも時代が揺り動く時にははっきりと「外圧」というものが姿を見せました。

そして、多くの場合には北から南へと、まるで巨大な神の手で押しつぶされているみたいに侵攻を受けてきました。

地図を広げてみればよく解りますが、北はがら空きなんですな。

だから遥か春秋戦国の時代から長城は作られるほど、北への備えとは大小の国家を超えた問題だったのだ。

そういう訳で『壁=長城』とは『強大』で『優麗』であり、敵からは忌み嫌われる必要があったのだ。軍事的にも、政治的にも。

その壁を巡る、ひとつの物語。

馬賊に追われた西洋の傭兵たちが、長城の前に立った時、世界は動き始める・・・・

◆comment◆


歴史アクションではなく、めちゃくちゃファンタジーです。はい。

それも進撃の○人でもなく、○双OROCHIでもなく、ドラ○ンクエストや○ァイナルファンタジーやその他有象無象でもなく、「全部ごった煮」なファンタジーです。もちろん○ールド・ウォーZでもございません。

とりあえず美味しそうな材料を全部入れちゃった鍋。そんな感じですか・・・・

え?これはどこかで観たことが・・・・、という言葉を飲み込めるかが、この映画をどのように受け止められるのかのキモです。

海外どころか日本でもレビューが割れているらしいですが(汗)
この映画は純粋なエンタテイメントとして楽しむことが一番ですね。

時代設定の宋代には長城防衛はほとんどされていなかったらしいこと、

実際の長城はこんなに強大ではないということ、
(意外と簡単に抜かれたこともある、とか何とか・・・。壁が弱いというより、攻撃してくる相手が強大であったということ)

これほど規律あふれる軍隊でもなかったらしいこと、
(と、いうよりお国柄いつの時代も、とか何とか・・・)

お国柄、外敵を「怪物」にデフォルメしたりするのが伝統なので、劇中描かれる怪物が「どこかの国」じゃないか、と勘ぐってしまうこと

世界を滅ぼすという怪物が、どうして中国にしか攻め込まないのか?という疑問。。。。

こういうことを、グッとこらえてポケットに押し込んでしまえ。
それが文月陽介的グレートウォールの楽しみ方です。

色彩の天才、チャン・イーモウ。

言うまでもなくHERO/英雄でも描かれた『幻想的』で『官能的』な色の世界を今回も惜しげもなく描いています。

これに関しては素直に、禍々しい敵から国を護るために戦う勇者たち、を、すごく華麗に描いているし、萌えました♡

万里の長城って、その存在自体が人間の想像力を掻き立てることができる『現存するファンタジー』なのだから、そこから派生するのはこういう世界なのだ。

そう、だから、純粋に
『いつも取り残される男』=マット・デイモン
が、

今作ではどうして残ったんじゃい!!!と、

いつツッコんだらいいかなぁ~、楽しみ♫ってな感じで観ていました。

ま、ジェイソン・ボーンがファンタジー世界にトリップしたら、こうなりますデス。
はい。

ただし、素直すぎる設定も、萌える出で立ちも、魅せる集団戦闘も、観る側の楽しさを考えるとこの映画は★★★★★です!3Dで観るには、こうした映画は本当に楽しい。

マット・デイモンも、きっとファンタジーしたかったんですよ。きっと。
超大作というには(キャストや投入された制作費は別)描かれるのはあまりにも狭い範囲の出来事だし、駄作というかというと、ひどくはない。

日本人にとっては、デジャ・ブを観ているような映画。とっつきやすいと言えば、そうですねぇ。それがどこか大振りすぎる当初のプロモーション内容と作品そのもののギャップという形で出ちゃうのだろうなぁ。

ただ、ワタクシはどこか、現代版スターシップ・トゥルーパーズの様な感覚に襲われました。
(あ、勘違いされてはいけないのですが、スターシップ・トゥルーパーズは原作もゴリゴリの反戦映画です)

壁繋がりで言うと、ギェレス・エドワーズ監督のモンスターズ/地球外生命体(2010年)のように、メキシコ国境に築かれた壁(あぁ、なんとか大統領みたい)を使って痛烈に某国を皮肉ったりして欲しかったですが・・・、そうではない。

壁はこれからも変わらず人々を護っていく、って感じのフェードアウトには、反戦というより別のメッセージがあるのでは?とも思えて、ちょっぴり切なくなりましたな。。。。。

ちなみにモンスターズ/地球外生命体(2010年)↓↓


しかし、今作はヒロイン9割、残りがストーリーやその他(汗)の構成。もっと言えば、ヒロイン爆死。。。
整いすぎて、現実感のない、仙女のような景甜さん演じるヒロインが
終始、男性陣のココロをそわそわさせるのでした(笑)
これはCGではありません。
いやぁ、甲冑に身を包んだ彼女の凛々しき姿は、是非スクリーンで御覧ください。

そりゃ、マット・デイモンも決死の覚悟するわ!!!!!!
傾城傾国の美女がエリート軍人とか萌えてまうわ!!!
華麗に戦うヒロイン最高だわ!!!
眼精疲労取れてまうわ!!


*景甜さん*
彼女のインスタグラムをご覧になりたい方は、こちら↓↓
https://www.instagram.com/jingtian_official/?hl=ja

あぁ、もう一回HERO/英雄観よう・・・・



2017年映画鑑賞 70本目

2017/02/23

【映画 感想】クーデター  ―今という、すごく不安定な乗り物に乗って―

[映画感想]


クーデター 鑑賞

『クーデター』(Coup d'État、原題は No Escape)
2015年公開

オススメ:★★★★☆

―正常と異常は紙一重。昨日までの常識が通用しない、そんな所で僕たちは生きている。
「その時」の前触れを100%把握することなんかできないのだろう。

これって、限りなくリアルに近いパニックフィクションだよなぁ。
(シチュエーションはジェットコースターに乗っているような感じで展開して極端ですが)

映画は一種のシュミレーションとも言えるのだけど、海外に行ったことがある人なら、きっと冷や汗が背中に・・・

少なくともワタクシの場合、過去に3年間海外赴任した経験があったため、途中どうにも気分が悪くなる瞬間がありました。

異国の地、とは「そこ」であって「ここ」でもある。
日本も海外の方からすれば当たり前に「異国」。
世界ってものすごく不確定で、何が基準なのか、どこが安定しているのか、全くもって解らないのではないでしょうか?

それは個人にとっても。いや、個人ならなおさら。
生まれるところを選ぶことはできないけど、どこで生きるかは少なくとも選択できるのが世の中だ。ということになっている。

ただし、今現在に正解を求めても、きっと答えはずっと出ないものなのかもしれない。

ワタクシはつくづく生きることの怖さというもの、ありがたさというものについて考えこむ状況にあったので、余計に深刻に感じてしまうのだろうと思いますが。。。

物語は非常に解りやすいと思います。
人生に躓いてしまった主人公。再起を図るために、新たに仕事を探し、職を選んだ。
ただし、彼が赴任したのは遠く母国を離れたアジアの異国だった。
実は情勢不安定で、突如クーデターが発生してしまう。
暴徒たちの標的は・・・なんと「外国人」

―海外赴任ということは別としても、これって、私たち誰にでも起こりうることです。
でも仕事を変えるって、外国に行くようなものだと書いている人もいるくらいですから、そういう穿った見方もできるのですが・・・。

・・・生きている以上、自分の予期しないことは多かれ少なかれ起きてしまうものだ。
その時に果敢に立ち向かえる人って本当に強いと思う。
少なくとも英雄なんかでもない、特に何も取り柄もない僕なんかは、この映画の多くの人達の様に逃げ惑うしか無いのかもしれない。
でも、それでも、自分以外に非力で護らないといけない存在がいる限り、どんなに怖くても、伸ばした手は離さないでいたいと思いました。

お友達なんかと盛り上がって観るよりは、休み前の夜に一人で観たほうがよろしいかと。
特に、彼氏さん、旦那さん、お父さん。果たして彼と同じことができるのか、考えちゃいますよ。。。。


2017/02/21

【映画 感想】インサイド・ジョブ  世界不況の知られざる真実  ―背後には必ずこういうヒトがいて、―

[映画感想]
インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実 鑑賞

(原題: Inside Job)
2010年公開

オススメ:★★★★☆

2008年のリーマン・ショックに始まり、今この瞬間も続いている世界不況についての興味深いドキュメンタリー映画。

世界がどうなっても、裕福になる人間はいる。
不況を利用して、金をむしり取る人間がいる。
それも、そこかしこに。

多くの人が仕事をなくし、家を失い、家族も失い、苦しむ中で、高級車を乗り回し、豪邸に住み、贅を極める人間がいる。
だって、不況になればなるほど儲かる仕組みを作っているのだから。あらかじめ破綻するとわかっている金融商品を売っているのだから。

これって、詐欺だろう?と声を上げても、そうではないと巧みに逃げられる仕組みを金融業界は作り上げていて、学者も、政府も、多くの国の「エリート」とされる人たちも彼らに「報酬」を握らされて黙りこむ。黙認する。
つまり「偉い人みんなグル」だってこと。

というか、経済システムそれ自体はもうひとつの共同体なのだから、どこかが転べば全体が崩れるのは当たり前になる。
資本主義社会の根本的な問題。全ては仕組まれていた。
アメリカや欧米の問題ではなく、日本の名前も上がっていたことに落胆。

そういうところに、僕たちはいる。

それにしても、マッド・デイモン。
こういう社会派の映画にもナレーターをして参加しているとは。
かっこいい。

2016年映画鑑賞 112本目


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