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2018/06/17

映画_ニンジャバットマン BATMAN NINJA(評価/★:2.3)ネタバレあり感想~お待ち申し上げておりました。ブルース様~【映画レビュー】

映画『ニンジャバットマン』 日本用トレーラー【2018年6月15日劇場公開】


◆ ニンジャバットマン 鑑賞◆


評価/オススメ:★★☆

文月的採点(23/50点) 

この作品ジャンルは?:エンタテインメント

オススメしたい人は?:DCコミックヒーローファン

印象を一言で?:アルフレッドの適応力!!!!

グロテスクですか?:あのシーンは漫☆画太郎さんじゃありません。

◆synopsis◆


現代の犯罪都市ゴッサムシティの悪党たちがタイムスリップし、群雄割拠する戦国時代の日本。

戦国大名となった悪党たちがこのまま自由に暴れ続ければ、日本だけでなく、世界の歴史すらも変わってしまう!

絶望的な乱世で、現代テクノロジーからも切り離されてしまったヒーローは世界の歴史改変を阻止することができるのか?

日本と世界の歴史を賭けて、時空を超えた壮大な戦が幕を開ける!

※公式サイトより

◆comment◆


2018.06.15 より公開です。

DCコミックヒーローが、日本の戦国時代にやってきた!!

アニメ制作はわたしも腹筋崩壊させられた「ポプテピピック」にも参加の神風動画!

ポプテピピック」×『ニンジャバットマン』コラボ15秒CM
しっかり、コラボCMとか作ってて笑えます。

本作は日本よりも海外ウケのほうがよろしいかと。

「ジャスティス・リーグ」(2017)でも特殊能力は 
金持ち 
と言い切ったバットマン。

卓越した頭脳と肉体・財力をベースに開発したガジェットを駆使して戦う生身の人間なんですな。

MARVEL側で対比されるとすればご存知・アイアンマン。

本作ではそんな彼がとある事件に巻き込まれていきなりタイムスリップをしてしまうところから始まります。



初期はともかく近年のバットマンの洗練された出で立ちは確かに「ニンジャ」

クリエイターの食指が動かないわけありません。

作画の圧倒的な「海外ウケするアメコミっぽいかくあれかし日本」クオリティが無ければ批判されていたでしょう。(その方針は方針で批判されそうだけど)

※というものの、私個人としては良くできたゲームのムービーに様にも受け取れる場面が多々ありました。

この物語はおそらくそのアメコミと日本のアニメクオリティの融合にのみ日本人は目を引きますが、ストーリー自体に何か真新しい発見だとか感動だとかを得る要素はあまりないかと。

繰り返しますが海外での評価は間違いなく高い。

絵もモチーフも展開もヒーローとヴィランが最終的に
「関ヶ原」
(劇中は似た言葉で置き換えられていますが)
しちゃうところなんかも海外のアニメファンはたまらないでしょう。

21世紀のジャパニメーションが海外にグイグイ食い込んでいくであろう可能性を楽しむ作品です。(それを迎合と呼ばないでほしいけど)

公式サイトでもあらすじで書かれているように、バットマンに登場する有名ヴィランたちはほぼ全員集合ですし、なんせ戦国大名になりすましなんですもんな。



誰がどの武将を兼ねているのかを答え合わせしていく楽しみはあります。

ま、彼らの容姿からピンとくる方も多いでしょう。

結局のところ、
ジョーカーに始まり、ジョーカーに終わり
ますがね。


※本作のハーレクインキャットウーマンかなり可愛いです。
わたしの中でのキャットウーマンはもちろん「アン・ハサウェイ」ですが、クラっときてしまう。
彼女たちのフィギュアが発売されるとか、はじめから狙っていたとしか思えませんが。。。




そうなのです。

この全員集合感。

わたしが諸手を挙げて★をたくさんつけなかったのは、単純明快なストーリーの飾り付けにキャラクターを使ってしまったところです。

ちょっとがっかりしてしまったのは、キャラクターが魅力的で豪華すぎたがゆえに、ひとりひとりの見せ場が少なくなってしまい、味が薄くなったかなぁ。

ペンギンにしろ、トゥー・フェイスにしろ、デスストロークらにしろ、それぞれで1本映画が成立し得る強烈なヴィランですからね。

あ、バットマンの仲間たちも同じです。


もうすこし彼らの見せ場を・・・。

デッドプール2のXフォース並のインパクトが欲しかった。

日本人にはお馴染みの戦隊ヒーローや特撮ヒーローのコラボと同列だからなのだろうか。

アベンジャーズにしろ、ジャスティスリーグにしろ、ヒーローの飽和が流行なのでしょうが、ちょっと前のクリスチャン・ベールの「ダークナイトトリロジー」の様な骨太感が欲しい今日このごろです。

戦国モノのコンテンツを知っていたり、プレイしている方からすれば、物足りなさを感じてしまうんでしょうけど。
わたしみたいに。

歴史改変を防ぐという目的もおそらく最後はどうてもいいや
という流れになっているのは触れてはいけないお約束です。

あれ、もう歴史とかどうでも良くなっている。。。

物語は無事にエンディングを迎え、すっかりジャパナイズされてしまったブルース一行。

ラストカットの「バットモービル・ver.戦国」のシュールさは、最後の最後で笑わせてくれます。

というか、全編通して未来への帰還直後の

「バットシグナル・ver.戦国」



「バットモービル・ver.戦国」

のこの2つを書きたかっただけなんじゃないだろうか?とツッコミたくなる
(いい意味でね)

あ、ちなみにver.戦国はSENGOKUとでも書いても良いかも。

わたしの完全な造語ですが。

悪い作品ではない、むしろ
「アルフレッド」の有能さを堪能
できる1作です。

あそこまで自然体でありながら、ものすごいことができる人になりたい。。。

芳忠さん!!!!さすがっす!!!

2018年映画鑑賞 188本目

post from #pixelbook

◆overview◆


・原題:ニンジャバットマン BATMAN NINJA 2018年公開
・上映時間:85分

・監督:水崎淳平
・脚本:中島かずき
    
・メイン・キャスト(CV)
山寺宏一 バットマン
高木渉 ジョーカー
加隈亜衣 キャットウーマン
釘宮理恵 ハーレイ・クイン
子安武人 ゴリラグロッド
田中敦子 ポイズン・アイビー
諏訪部順一 デスストローク
チョー ペンギン
森川智之 トゥーフェイス


2018/06/10

映画_リディバイダー/Redivider(評価/★:2.5)ネタバレあり感想~うん、キャスト同じでこういう『ゲーム』売れば良かったのにね~【映画レビュー】

映画『リディバイダー』予告編
映画 リディバイダー Redivider 評価 感想 ネタバレ

◆ リディバイダー 鑑賞◆


評価/オススメ:★★☆

文月的採点(25/50点) 

この作品ジャンルは?:SFスリラー

オススメしたい人は?:うーん、『ハードコア』で幻滅した人

印象を一言で?:これどこで買えるゲームですか?

グロテスクですか?:ゴア表現もほとんどありません。ゲームですから。


◆synopsis◆

エネルギーの枯渇が大きな問題となっている近未来…

人類はコピーしたもうひとつの地球「エコーワールド」からエネルギーを得ることで、問題を解決しようとしていた。

しかし、2つの世界をつなぐタワーの暴走により各地で異常事態が発生。
地球は崩壊の危機に陥ってしまう。

人類は元NASAのパイロット、ウィルをエコーワールドへと送り込むが、そこには荒廃した世界が広がっていた…

※映画.com様より

◆comment◆


2018.06.09 より公開です。

ものすごく「ゲーム」です。

もうクレッシェンドイベントが96分間続いている感じです。

「ゲーム」として製作されたなら、それなりにヒットしたんじゃないかな…

本作「Redivider」の読み方ですが「リディバイダー」ではなく、「リ・ディバイダー」が正しく、言いやすいですな。

さて、本作ですがもともと監督のティム・スミット氏が製作し、youtubeで公開されたショートフィルム What's in the Box? が序章であり、原案となっています。
内容は10分ほどなのですが、これはこれでなかなか面白い。
What's in the Box? - Full Movie HD
わたしが過去にレビューした 10クローバーフィールド・レーン を監督したダン・トラクテンバーグ氏もyoutubeで大人気ゲームの「Portal」を元にしたショートフィルムを公開して超絶な再生回数を叩き出した結果同作品の監督をすることになったこともあり、youtubeというメディアの可能性を改めて思い知ったのですが、本作もその流れで映画化されたものです。
Portal: No Escape (Live Action Short Film by Dan Trachtenberg)
※わたしの10クローバーフィールド・レーンの紹介記事はこちら。
【映画 感想】10 クローバーフィールド・レーン  ―真実は自分の目で見ても、受け入れられるかは別問題―
気になる中身は…公式サイトと予告編で90%ネタバレされています。

いやぁ、ホントです。

映画のテイストとしては「ハードコア」(2015)が激しく想起され、おそらく比較されるでしょう。


この作品も「ゲーム」(FPSというジャンル特化ですが)を映画としたものですが、
わたしとしては本作リディバイダーの方が全体として丁寧でこだわった製作をしていると感じます。

映像美や主人公が装着する
AR(拡張現実)デバイスの細かな表現・機能のSF感は素敵
です。


ストーリーの補足というか、公式がネタバレしているので、アレなんなの?というネタを幾つか補足です。

エネルギー問題を扱った本作。

解決策として選択したのは「新エネルギー」ではなく「宇宙をコピーして、コピー先の地球からエネルギーをもらう」というちょっとおもしろい発想。
並行世界が絡んでくるのですけど、でも、これって「クローバーフィールド・パラドックス」と似てるやん!とのツッコミをされるかた、実は本作のほうが製作としては先。

もっというと日本のアニメやゲームのほうがこのモチーフを使ったものが数十年前から散見されるので、ま、珍しくはないかなと。

ま、最初ご覧になった時に混乱する方もいるでしょうが、これは「回想」と「現在」が交互に繰り返していく構成です。

回想シーン≒3人称視点(いわゆる普通の映画)の撮影手法

現在のシーン≒1人称視点(主人公のARデバイス経由)で展開。

ストーリーの折り返し地点ほどになって、話が繋がるような感じです。はい。


主人公が所属するエネルギー開発会社の説明では、

コピーされた世界は「無人」であり、そこからエネルギーを吸い出すだけなので、とっても安全。(ストローでコップのドリンクを吸うだけみたいな感覚)

世界中が注目する中で「あちら側」の世界が構築されて、無事にエネルギー供給が始まりますが、何故かそのシステムが暴走

「こちら側」の世界ではなぜか飛行機や電車、自動車などが突然失踪する事件が頻発。

ダン・スティーブンス演じる主人公にある密命が下される事になります。

「あちら側」の世界に赴いて、「タワー」と呼ばれるエネルギー供給源に本作のキーアイテムである「BOX」を設置して帰還する。


それが任務でした。

このあたり、B級感なツッコミとしては、そうした常事態の処理をたった一人に託すのかい!と。

「あちら側」はまさしく「鏡写し」の世界(全てが反転しているとか細かいです)が広がっているのですが、公式の説明するところの「無人」というのが全く違うことが発覚。

全てが反転しているだけで、全て「こちら側」と同じ世界が人間が存在しているんですな。

問題なのは「こちら側」へエネルギー供給していることで、バランスを保つために、
「あちら側」の世界は逆に「こちら側」へ物体を転移させているということ。

ものすごく解りやすく言うと「+−ゼロ」

片方の世界から一方的にエネルギーを吸い上げてめでたしめでたしという訳もなく、
計画そのものが「両方の世界を破壊する」ものであることが、解ってくるのです。

そのうち転移されるものは物体ではなくエネルギーそのものになり、最後には

ボン!と崩壊。

主人公が託された「BOX」とは「自爆スイッチ」であって、暴走を続けるエネルギータワーを破壊するものだったんですな。

だからこの話はホントひどいんです。

ダン・スティーブンスはハメられたとも言えます。

ゲーム的な展開(ドローンとの追いかけっこですが)が続く中、ダンは「世界」を崩壊から救うためにタワーに向かいます。

このあたり、自暴自棄になって使命を投げ出さなかったところには感心ですな。

かくして世界は救われたのか…。

この映画で1番美しいな、と感じたシーンはある人達がタワーの光を見つめる姿を肩越しに映したラストカットです。

何の脈絡もないのですが、木村拓哉さん主演の「宇宙戦艦ヤマト」のラストに通じる、何かこうよくわからない感覚に襲われたまま、エンドロールを迎えます。
(使う道具は違っても、展開はまんまでしたし)


本作を激しく期待して観て、ちょっと落胆する方が比較的多いのは、ゲーム慣れした層からすると展開がわかり易すぎたことと「ゲーム的と打ち出して、そのまんま」だったことが要因なのかも知れませんな。

ただし、登場するデバイスだったり、ARの表現だったり、細かい点ではいろいろと見どころはあります。

ダン・スティーヴンスが割に合わない片道切符の任務を背負わされた事で、ぐっと感情移入できた方ならば、それなりに楽しめたのではないのでしょうか?

好きなのに、今日はいまいち味が薄かったあの店のラーメン。

そんな感じの映画です。

2018年映画鑑賞 187本目

post from #pixelbook

◆overview◆

・原題:Redivider 2018年公開
・上映時間:96分

・監督:ティム・スミット
・脚本:オミッド・ノーシン
    

・メイン・キャスト
ダン・スティーブンス
ベレニス・マーロウ
ティゴ・ヘルナント
チャリティー・ウェイクフィールド
バス・カイザー

2018/03/18

映画_Netflix スペクトル/Spectral(評価/★:3.5)ネタバレあり感想~DARPA。そこは設定厨、装備厨にとっては光(スペクトル)の国~【映画レビュー】

Spectral | Official Trailer [HD] | Netflix

映画 スペクター Netflix 感想 評価 オススメ


◆ Netflix スペクトル/Spectral 鑑賞◆


評価/オススメ:★★★

文月的採点(35/50点) 

この作品ジャンルは?:SF/スリラー

オススメしたい人は?:COD、メタルギア、虐殺器官、攻殻機動隊…etc
ガジェット好きは集合せよ!

印象を一言で?:下手するとAAAになり得るポテンシャルを秘めていた超B級作品!

グロテスクですか?:ゴア表現はありません。解明編でややグロあり。

◆synopsis◆



内戦状態にある東欧モルドバで反乱軍鎮圧の任務にあたっていたアメリカ軍兵士が、姿の見えない奇妙な敵に襲われて変死した。

真相解明のため現地に派遣されたDARPAの技術者クラインは、高性能カメラで敵の姿を捉えてその正体を見極めるべく、CIAの女性職員フランと共に特殊部隊に同行することに。

しかし敵は肉眼で見えないだけでなく、超高速で移動する上に触られただけで即死、さらに銃弾も手榴弾も効かないという恐ろしい存在だった。

大量の見えない敵に取り囲まれてしまったクラインたちは、決死の脱出を図る…

◆comment◆


いやいや、本当にNetflixに加入してよかったと、一昔前とは180度違うことを言っている文月です。

本作は2年前にネットニュースで知ってはいたものの、オリジナル作品だということもありこれまで鑑賞できなかった映画です。

Netflixは映画好き、ドラマ好き(アニメもね)には夢の国と化しています。

充実のラインナップと極めて早い更新頻度。

これで定額か!と、新作やオリジナル作品を観れば観るほどお得感が満載。
(逆に言えば、観なければもったいないんですけどね)

ザッピングしているだけで「鑑賞するのに一生かかりますなぁ」とため息が出てしまいます。

さて、本作は非常に実験的な要素もあり劇場公開で賭けに出るよりも、この様に限定配信のほうが向いているのではないかなぁと思われる「超B級」映画でした。

もしかすると連続ドラマにしてもいいくらいの設定と内容。

メタルギアファンにだけ解る言葉で言うと
「スネークではなく、オタコンが主役」

男の子にとっての光の国である「脳汁ブシャー」な夢のガジェット群と兵器。

未知なる敵、立ち向かう特殊部隊。
彼ら兵士と共に立つ『世界最高の技術屋であるDARPA』職員

コレで燃えない子はおそらくいません。

いろいろな要素を詰め込みすぎて「アクション」なのか「ホラー」なのか「ヒューマンドラマ」なのか「恋愛もの」なのか解らなくなり、空中分解しちゃう作品もある中で、目的がシンプルな物語だと疲れませんよね。

※SNSで呟きましたが同じNetflix限定配信の「アナイアレーション」で消化不良気味でしたし。

この作品は『見えない上に、通常の攻撃が通用しない、触ったら即死してしまう敵の集団』との遭遇〜逃走〜反撃までの過程をものすごくストレートに、そしてほぼ余計な要素なく観ることができます。

かと言って、安っぽいのか?というと、クサイ台詞もほとんどなく、美術も小道具もしっかりしているし、役割分担も明快です。だから感じるポテンシャル。

解りやすいんですな。

ここからストーリーをご紹介しましょう。

驚いたのは『心霊現象』や『この世ならざるもの』が相手ではなく
『人工的に作り出された兵器』
が相手だったということ。

主人公がDARPA職員ということなので、察しが良い方は相手は『光学迷彩』じゃないのか?と思われるでしょうが、本作に限ればそれは間違い!

じゃあ、何なのか!?

SFガジェット好きはもうそれが気になって仕方がなくなりますな。

※DARPAをご存知でない方はこちら。
(とは言え、わたしも高校生の頃に小島監督の作品でその存在を知ったんですけどね)
われわれに欠かせないインターネットやGPSなんかは実はDARPAが開発したんですよ。
国防高等研究計画局 - Wikipedia
だって、光学分析をすると『人間』の姿形をしているんですからね。

最新式のHMDを装備し、リアルタイム戦術リンクによって連携するタフな特殊部隊員たちが次から次へと倒されていく様はある意味華麗。

前半を盛り上げる遭遇戦はほぼ
『これなんてゲームですか?』
という感じですわ。

※ものすごく細かいんですが、各兵士のフォーメーションやクリアリング、連携もものすごく真剣にやっているのが高評価。

そう。
本作の「細かさ」
この細かさが安さをものすごく軽減しているんです。


部隊が壊滅するほどの犠牲を払いながら判明するのは

・肉眼では捉えられないが、赤外線を通すと視認できる。
・どういう訳か人間の形状をしている。
・接触すると「凍死」する。
・通常兵器は効果なし。通過してしまう。
・意志があり、敵と見なした人間を攻撃する。
・対象は単体ではなく、複数存在し、連携する。
・細かい鉄の粒子に弱く、鉄の壁は通り抜けられない
(そして最後まで何故か解らないんですが、一定以上の風圧に耐えられない)
・何らかの動力源があるに違いない。

というもの。

屈強な兵士が怯む中、ここでDARPAのエンジニアである主人公がアイデアを出し、即席兵器である赤外線ライトと「くず鉄」がたっぷり入った爆薬をDYI。

極めて不利だけれど何とか対抗手段を得た彼らはほうほうの体で脱出。

同時刻、前線基地も壊滅してしまったことを知った彼らは難民キャンプが設けられた古城に避難することに。

街を見渡すと、そこら中で人々が襲われているのが解ります。。。

難民らから更なる情報を集めたところ、紛争当事国であるこの国の政権が国家を上げてハイテク兵器開発に取り組んでおり、とある巨大発電施設を大規模改修して根城にしていた。
さらに、ここが『始まりの場所』、グラウンド・ゼロだと判明する。

この発電施設がホント笑えます。アベンジャーズのSHIELDですか?!的に凄い。ゲーム『エースコンバット』シリーズに登場する敵の最終兵器並みの規模とビジュアルで、こんなの作って米軍に察知されていない点も含めてツッコミどころ満載だけど。
発電施設というか、これでもかというほどの巨大要塞。

ここでDARPAの本領発揮。

相手が何らかの手段で(わたしの理解力ではさっぱりの)
『ボース=アインシュタイン凝縮』
された生命体であると看破。

ボース=アインシュタイン凝縮 - Wikipedia
これにはさすがに優秀な特殊部隊らでも???となる中で、とにかくそこに乗り込んで、根本を叩くしか道はないと言うことに。

対抗手段については「俺が作ってやる!」と主人公が買って出る。

主人公の指示のもとで既存の機械や兵器を分解して、即席の電磁パルス兵器を大量に作り上げていく「脳汁ブシャー」シーンがものすごく熱い。ブルース・グリーンウッドによる熱い演説も「あるある感」満載でいい感じ。

結局兵士が戦うには兵器がいるわけで、兵器は優秀なエンジニアがいないと作れない。
技術屋なめんなよ!とでも言いたいのでしょうかね(笑)

こんなに早くできるのかよ!とツッコミ必至ですけどね。

何よりも注目は本当に米軍が導入しようとしている
「Googleドック」
の最新機種をおそらくベースにした哨戒兵器も登場するところ。
wow!!!

グーグルの軍用犬型ロボットが米海兵隊によりついに実地テストへ : カラパイア

10年前ならいかにもSFっぽいとされたガジェットも「もう少しで実用化」されるレベルになっている現代では彼らの出で立ちを「近未来的」だと言うのもどうかという時期に来ています。

それでもSFっぽく感じてしまうのはゲームや商業ベースのエンターテイメントの影響でしょうな(本作もエンターテイメントですからね)

クライマックスの戦闘は前半戦の「泥臭い戦闘」とは打って変わって「派手でSFらしい戦闘」に。

実体弾ではなく電磁パルスですからね。
もう気分は『HALO』ですよ。
装甲服着込んだマスター・チーフですよ。

敵もさること、米軍もビックリな技術で人間を分子レベルでスキャンして凝縮体として『プリントアウト』しているとか、もうついて行けないわぁ。

ここで明らかになるのは主人公の読み通り、人工的に創られた兵器であって、しかも大量生産されているということ。

その保管場所なんかはホント『マトリックス』だったんでニヤリです。

そして『それを操っていた』のも人間であったと判明するんですな。

ただし、生身ではなくて『攻殻機動隊』の電脳化ばりの技術で『脳幹と神経』を抽出された無数の人間たちが正体でした。

脳への栄養だけ与えられて「生かされている」んですな。

この施設は都市への電力供給を担うほか、凝縮体の巨大生産工場だったのです。

連中を止めるには、動力源を断つしかない訳で、それが安全にできるのもエンジニアである主人公だったので、ホントに凄いねDARPA(笑)

ラストまで駆け抜けたところで、ようやく特殊部隊からも『仲間』として認められた主人公。

ヒロイン役のCIAエージェントもいましたが、恋愛に発展することもなく、あくまでもそれぞれの職務を全うするスタイル。
ここまで本当に何にもしてなかったんだから、
ラストシーンでキスくらいしても許したぞ!

あの施設はどうなったかって?

米軍さんに接収されるのに決まっているのですね・・・・

ということは、、、、。

と、爽やかなお別れを脇において、結構重い終わり方ですよね。

…ここまで最低限のポイントだけに言及しながら振り返ってみましたが、お約束な展開でありながら本当に安っぽくないのが不思議。

光学迷彩やレールガンなんかを開発するより、本作の兵器の方がよほど恐ろしい。
DARPAの歴史がまた1ページ。

ということで、本作は設定が(どこかで観た感満載でも)非常に良いし、敵のアイデアもこれまでにないものだったところと、ストレートに駆け抜けたテンポの良さもあり、
SF・ゲーム好きならニヤニヤしながら鑑賞できること間違いないのです。

旧作見逃し作品でしたが、これは良かったな。

2018年映画鑑賞 83本目

post from #pixelbook

◆overview◆


・原題:Spectral 2016年公開
・上映時間:108分

・監督:ニック・マシュー

・メイン・キャスト
エミリー・モーティマー
ブルース・グリーンウッド
マックス・マーティーニ
ジェームズ・バッジ・デール
クレイン・クロフォード
コリー・ハードリクト
ライアン・ロビンズ
アースラ・パーカー
ゴンザロ・メネンデス

2018/03/07

映画_ダウンサイズ(評価/★:3)ネタバレあり感想~「小さな世界」の実は「大きな話」~【映画レビュー】

『ダウンサイズ』予告編
マッド・デイモン主演映画 ダウンサイズ 感想 評価 レビュー 


◆ダウンサイズ  鑑賞◆


評価/オススメ:★★★

文月的採点(32/50点) 
ダウンサイズ 感想 評価 レビュー

この作品ジャンルは?:ドラマ

オススメしたい人は?:大作だと疲れちゃう方。

印象を一言で?:コメディじゃ、ない、だと。

グロテスクですか?:いいえ。


◆synopsis◆


人口が増え続け、住みづらくなってしまった地球。
科学の進化によって、なんと人間を1/14に縮小する技術が発見された。
ネブラスカ州オマハに住む、いたって平凡な夫婦、ポール(マット・デイモン)と妻オードリー(クリステン・ウィグ)。
低収入でストレスの多い日々を送る二人は、大金持ちで、大豪邸に住めるダウンサイズされた世界に希望を抱き、13cmになる決意をする。

しかし、ミニチュア化したポールに待ち受けるのは予想外の人生だった…。


※公式HPより

※ネタバレ防止に付き、一部文月加筆訂正


◆comment◆


ちょっと遅れましたが2018.03.02より公開の映画です。

アカデミー賞やら他の大作映画の影ですが、こんな映画もやってます。

「絶対に取り残される男」マッド・デイモン主演。

本作でもお約束どおり取り残されます(笑)

意外や意外、懐かしのミクロキッズ的なノリだけかと思いきや、ちゃんと社会派していました。

前半は笑って、後半はちょっと考える、そんな映画です。

環境問題、食糧問題、格差問題、そしてモラルに警鐘を鳴らすのに、こういう表現もありましたな。


わたしの中では永遠に「天才少年ドギー・ハウザー」ニール・パトリック・ハリスもチョイ役で出演していたのはwowポイント。


ヨーロッパの研究機関が生み出したのは、生物をミニチュアサイズに縮小する技術でした。

どうしてそんな技術を研究していたかというと、先述した各種の問題を解決するためだったんですな。

SFアニメ「マクロス」好きにはお馴染みの「マイクローン化」を地で行ってます。

予告編でもフォーカスされているように、14分の1のサイズになったわたしたちの生活設計や生活様式も縮小される、、、、だから、資産価値にも大幅に変わりますというノリなんです。

ま、これは今の稼ぎのままで、生活費が概ね14分の1になるという生活を電卓叩いて思い浮かべてみると解りやすいです(物価の安い外国へ移住するようなもの)

そして必要な資源も土地も食料もエネルギーも激減する。

飽和状態の現代において、新たな開拓地を求めるのではなく、われわれがダウンサイズすればいいのでは?

「使いすぎている」わたしたちへの皮肉めいた解決策。

生物学的処置をしてしまうと「もう元には戻れない」という制約はあるものの、ダウンサイズをすることで、夢のような豪邸での贅沢三昧な暮らしを手に入れられる。。。。

こんな夢のような人生を送ることができ、かつ、地球環境にも優しい。

劇中の前半はまさしく「夢のような技術で、夢のような生活を手に入れられる」ことが強調されています。

マッド・デイモン演じる主人公夫婦も「決して裕福ではない」いわゆるわれわれの層であり、自身の経済状況から良い家も、子供すら持てないような状況。

似たような環境だった友人たちが今の生活を全部捨てて「ダウンサイズ」し、そしてダウンサイズされた人が住む街に移住して生活が一変していくのを目の当たりにし、自分たちもとそれを望むのは決して不自然ではないのです。

結局のところ環境問題というよりも「生活のため」に、「より良い生活のために」ということを墓標すると、、、

勘の良い人にはお解りでしょうけど「富裕層」と「貧困層」が大量になだれ込むことになりますね。(それにダウンサイズの技術が流出し、独裁者が制裁のために粛清対象を小人化することも発生)

するとどうでしょう?

ダウンサイズされた人が住む世界でも「格差」は埋まらず結局街が2分化してしまいます。

富めるものは、より富み。富を求めたものは、苦しむことになる。

そして描写としては短かったですが「ダウンサイズされた人の人権」「権利行使」の問題についても解決するべき問題として挙げられています。

と、いう「よく考えれば重いこと」がパラパラ漫画のように立て続けにに描かれた前半。

最大の見せ場は「ダウンサイズ」の工程ですね。

本人の同意から始まるこの一連の作業は画一化されライン化されたまさに「小人製造工場」キッチュでコミカライズされたこの一連のシーンは面白い。

そして「絶対にひとりだけ取り残される男」マッド・デイモン。

今回の「取り残され方」は物理的<精神的なものです。

だって、奥さんは途中で「ダウンサイズ」を断ってしまうんです!

これはマッド・デイモンではなくても、絶望に近い感情を覚えるでしょう。。。。

後戻りできない選択肢を前にすると、どうしても揺れてしまうのが人情というもの。

奥さんにいい生活をしてもらいたいという思いで「ダウンサイズ」を決めたという側面も有り、夢のような生活が一気に色褪せてしまうのも無理はありません。

このどうしようもない「別れ」から、物語のベクトルが「人間ドラマ」へと変化していきます。

かなりいい味を出している、本当の主要メンバーが登場。

失意の日々を過ごす彼がクリストフ・ヴァルツ演じるめちゃくちゃ快楽主義者なセレブや「本当のヒロイン」であるホン・チャウ演じるベトナム人人権活動家との邂逅と、彼女とマッド・デイモンの凸凹コンビ結成、そしてその過程で「小人の街」が抱える裏の姿を目の当たりする。

*冷酷なナチス将校のイメージしか無いクリストフが独特の訛りのある英語で、しかも快楽主義で楽観主義のセレブを演じているというのもウケます。

*そして、ホン・チャウの(わざとだろうけど)これまたコテコテの片言の英語を使った直球勝負のコミュニケーション、そして「考えるより、今目の前の人のためにやれ」の実践的な人助け精神も魅力です。

全てがそうだと断言はできないけれど「ここではない、どこか別の場所なら」幸せになれるとは限らないし、「価値のある行動だと信じて、何かに参加すれば」生きがいを感じられるとも限らない。

セレブの乱痴気騒ぎの裏側にある非セレブの生活。

「なりふり構わず行動すること」で人助けをすることと、「これは社会貢献だ」と信じて目の前のことを瑣末なことだと目をつぶることへの問いかけ。

場所なのか?環境なのか?

資産なのか?思想なのか?

社会貢献優先なのか?自分の人生を優先するのか?

この物語はおそらくどれも間違いではない様々な価値観を提示していきます。

今と未来を悲嘆して、小人になった自分たちを崇高な使命の持ち主だと信じて『方舟』となることを選ぶ人々を「あんなのカルトだ」と皮肉る楽天家のセレブであるクリストフ・ヴァルツに魅力を感じてしまうのはわたしだけではないはず。

マッド・デイモンは自分の悲しみや孤独を埋めるために崇高な理念に浸ろうとするのですが、それでいいのか?

そう。

それでいいのか?

このお話の根っこにあるのは、こんな疑問なのです。

お話のオチとしてはこれこそ王道で、これが逆に言えばこの作品を「チープ」だと言わしめるであろう、お説教めいた「場所でもお金でも容姿でもない、気持ちなんだよ」というもの。

嫌いではないですが、こういうエンディングにも一言。

それでいいのか?

と、疑問を投げかけてしまいましょう。

しっかし、前半は「取り残された」マッド・デイモンがクライマックスでは「取り残す側」にブレてしまうとは。。。

おーい!!戻ってこーい!!!

とお約束な展開にも関わらず、思わず叫んでしまうこと、祈ってしまうこと必至です。

アカデミー賞の映画を観よう、MARVELでヒャッハーしよう、テロに立ち向かった人の映画を観よう。

それでいいのでしょうし、それでいいのでしょうか?

そんな禅問答にも似た不思議なお話でした。

マッドデイモン。。。

おっさんになったなぁ。

それでいいのか?

あーーー、今月末の「チャーチル」を観ても、それでいいのか?と言ってしまいそう(笑)

2018年映画鑑賞 56本目

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◆overview◆


・原題:Downsizing 2017年公開(アメリカ)
・上映時間:135分

・監督:アレクサンダー・ペイン
代表作:『パリ、ジュテーム』『ファミリー・ツリー』など
・脚本:
アレクサンダー・ペイン
ジム・テイラー   

・メイン・キャスト
マット・デイモン
クリステン・ウィグ
クリストフ・ヴァルツ
ホン・チャウ
ウド・キア
ジェイソン・サダイキス
ニール・パトリック・ハリス


2018/02/10

映画_クローバーフィールド パラドックス(評価/★:3)ネタバレあり感想~6杯だけじゃ足りない!~【映画レビュー】

THE CLOVERFIELD PARADOX | WATCH NOW | NETFLIX
映画 クローバーフィールドパラドックス 感想 評価 レビュー


◆ クローバーフィールド パラドックス 鑑賞◆


評価/オススメ:★★★

文月的採点(30/50点) 
映画 クローバーフィールドパラドックス 感想 評価 レビュー Netflix

この作品ジャンルは?:SF・スリラー

オススメしたい人は?:シリーズファン…と言いたいけど、ちょっと注意!

印象を一言で?:本作が言いたかったことは「ラストカット」だけです。

グロテスクですか?:いいえ。


◆synopsis◆


枯渇する資源…

地球の深刻なエネルギー危機を解決するため、世界中から集められた宇宙飛行士らによって、国際宇宙ステーションでは次世代エネルギーの実験が行われていた。

だが、肝心なエネルギーの出力が安定せず、ただ時間ばかりが過ぎていった。

試行錯誤の末についにエネルギー安定へのヒントが得られた彼らだったが、地上ではもう世界大戦の一歩手前の状況まで追い込まれていた。

世界中から期待と、同じ量の怒りを向けられている宇宙ステーション。

その中にはエネルギーを発生させる原理そのものが、宇宙の摂理に反しているというものまであった。

注目の中、実験が再開される。

実験は成功したかに見えたのだが…


◆comment◆


Netflix 初体験(無料体験中)の文月陽介です。

やはり利用料金だけで映画が見放題なのはありがたい。

愛用しているAmazonプライムも良いのだが、観られる作品に限りがあるのは難点。

映画業界もバジェットの関係で、配信ベースに切り替えたほうが収益がいいのでしょうね。

アメリカでも制作会社が軒並み映画よりもドラマにシフトしているのもバジェットのジレンマ。

そして回収もしやすいということですな。

動画配信サービスでは、オリジナル作品を観られるのも魅力。
わたしがNetflixに手を付けたのも、これと何本か観たいオリジナル作品があったからです。

Amazonは普段買い物でかなりお世話になっているから良いとして、配信サイトの場合、スタンダードプランを基準にすると新作レンタルがリアルサイトじゃ2泊で400円前後。

それを考えれば映画を4本以上観れれば元は取れる。(旧作ならもっと観ないとだけど)

本作は突如配信発表された作品です。

2018.02.05からNetflixにて限定配信開始の完全新作です。

うーん、これは記事レベルのレビューしなくてもいいかな?
という感じですが、Netflix限定ですからね。観られてよかった部類。

クローバーフィールドについては2作目以降で、モキュメンタリーを捨てたことがつくづく惜しまれます。

ちなみにわたしの『10 クローバーフィールド・レーン』の紹介記事
【映画 感想】10 クローバーフィールド・レーン  ―真実は自分の目で見ても、受け入れられるかは別問題―

JJもインタビューで言っていますが、作品それ自体に直接的なつながりはないとのこと。

ただし、タグアルト社の影やところどころに垣間見るジャポニズムはニヤリ。

ネット上でも公開直後からネタバレ満載で内容紹介が山積していますな。

なので細かい展開を含めた大枠の言及はそちらに譲ります。

わたしが感じたのはただ一言

『こいつ自分の物語もぶっ壊すんだ』

というボヤキでした。

しかしながらJ・J・エイブラムスという監督はつくづくスクラップ・アンド・ビルドが大好きなんですな。

スタートレック、ミッションインポッシブル、スター・ウォーズ。

彼がいわば前任者からバトンタッチをして展開している近年の大作シリーズ。

この人のやり口を見ているとハラハラしちゃうんですよね。

なんせ「これは過去はどうあれ、今はわたしの映画だ!」と言わんばかりの設定破壊と再構築を繰り返しているとわたしは感じています。

これについては、スター・ウォーズの回でもちょっと触れています。
映画_スターウォーズ 最後のジェダイ (評価★:5!!!!!!)ネタバレあり 感想~老兵は死なず、消え去るのみ~【映画レビュー】

たしかに、ガッチガチに固まってしまいひとつの「常識」となってしまっているモノに、
全く新しいエッセンスを持ち込むためには、組織も人も、そして物語においても、スクラップ・アンド・ビルドは必要なんですな。

だけど、お前の過去作も改変しとんのかい。

と、これは2作目から垣間見えていましたが、結局JJの真意はどこにあるのか、検討がつかなくなっていました。

J・J・エイブラムスにとってクローバーフィールドとは最初から『HAKAISYA』であった訳ですが…

オメェさんよぉ、いってぇ(一体)、何をぶっ壊しているんだい?

銀魂の高杉ですかアンタは…

本作品で描かれたのは、結局のところ『クローバーフィールド』というキーワードに基づいた一連の作品(おそらく今後の派生シリーズも)のOrigin、起源でした。

劇中である人がテレビ越しにそれをしっかり説明してくれているから、思わず目を丸くしてしまいました。

いろいろな方のレビューを拝見しましたが、本作が1作目にダイレクトに繋がるというのは、、、、断言しちゃうには無理がある。

設定が合わない。

だけど、それを全否定するのではなく、補足します。

つまり、クローバーフィールドという物語で展開するあらゆる設定、ストーリーは、すべて並行世界≒パラレルワールドの出来事であり、原因は本作の世界線で「成功」したエネルギー実験と事故によって、次元の繋がりが狂ってしまったため。

だから一作目でタグアルト社が海底掘削で見つけた『アレ』も、宇宙から飛来した『コレ』も10・クローバーフィールド・レーンで襲ってきた高度な文明をもつ連中も、もとはと言えば全て本作の実験と事故によって引き起こされた副産物でした。

…という、トンデモ説明。

『だから』このシリーズは『直接的なつながりはない』と言えるのです。

2作目で異星人だかよく分からん連中を見た時になんで1作目の怪獣じゃないんだと嘆いたもんですが、「あ、アレはアレなんです。別の次元で起こっていますから」と、何たるラノベ感!!!!

本作では「もうひとつの可能性」である非常に近い世界線と繋がってしまったクルーたちが元の世界に戻るために奔走するのですが、SFなのか、オカルトなのか分からん出来事が頻発。
そして「あくまでも別の次元で自分をよく知る人間」との出会いと、語られる「別の次元での自分(一部他人)」という、興味深いお話です。

オカルトじみた出来事も世界線が曖昧になっているから、と言えば何でも通用する中二感は置いておいて(おそらく他サイトはその描写を強調するでしょうが)、わたしが本作品で言いたいのは、ゲーム世代には使い古された設定を持ち出してまで『JJ的に作品の軌道修正』を図った点ですな。

しっかし、悔しいかな、国際宇宙ステーションの選抜メンバーに「日本人がいない」ことに悲しみを覚えました。(これはインデペンデンス・デイの続編でも同じ感慨を抱くこともあるでしょうが)

そして久しぶりにチャン・ツィイーがスクリーンで観られた驚きと、中国語が英語と同様にリングワ・フランカとして扱われていることにさらに驚愕してしまいました。

全く本作品の物語とは関係ないのですが、日本、頑張れ!

技術大国だったんでしょーが!!!

ゴジラですら凍結させた技術力で、次世代エネルギー開発に貢献していて欲しかった。

本作品では小道具レベルの扱いと、こけしちゃんが数カット出るだけの扱いになってるぞ!!

いろいろ取り戻して欲しいと感じた作品でした。

ま、劇場公開でなくても良かったかも。

バジェット膨らんで劇場公開を断念したとしても、映画としてはきちんと成立していました。

2018年映画鑑賞 37本目

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◆overview◆


・原題:cloverfieldparadox 2017年公開
・上映時間:102分

・監督:ジュリアス・オナー

・脚本:
オーレン・ウジエル
ダグ・ユング

・メイン・キャスト
ググ・ンバータ=ロー
デビット・オイェロー
ダニエル・ブリュール
チャン・ツィイー
ジョン・オーティス
ロジャー・デイビス
クロヴァー・ニー

2018/01/20

映画_ジオストーム(評価/★:3)感想~このぐらい話が明快だと気が楽だ~【映画レビュー】

映画『ジオストーム』本予告【HD】2018年1月19日(金)公開

映画 ジオストーム 感想 評価 レビュー


◆ジオストーム  鑑賞◆


評価/オススメ:★★★

文月的採点(36/50点) 
映画 ジオストーム 感想 評価 レビュー 
この作品ジャンルは?:近未来SFスリラー

オススメしたい人は?:「デイ・アフター・トゥモロー」「2012」を始めとした気象ものが好きな方!

印象を一言で?:ストーリーや設定はよく考えれば壮大なのに超B級。
このノリはむしろノスタルジック!

グロテスクですか?:そういう描写はありません。

◆synopsis◆


度重なる異常気象、頻発する自然災害。
この深刻な事態に世界はひとつになり「気象コントロール衛星」を開発。

全世界の天気は精巧なシステムで完璧に管理され、人類は永遠の自然との調和を手に入れたかにみえた。

しかし、それはつかの間の出来事であった…

アフガニスタンで突如発生した都市の超寒冷化、ついで香港の高熱化と地割れ。
同時に発生した気象コントロール衛星『ダッチボーイ』での事故。

原因究明のために白羽の矢が立ったのは、このシステムの開発に携わりながら強引な言動が問題になり職を追われてしまったある科学者だった。

※公式HPより
※ネタバレ防止に付き、一部文月加筆訂正

◆comment◆


さてさてやってきました2018.1.19から劇場公開の作品です。

文月陽介、2018年の初の劇場ヒャッハーをようやく体験できました。

映画や物語にはいろいろな分類があって、それぞれ「◯◯モノ」と言ったタグ付けがされていくものですな。

本作はどうかといいますと非常にニッチだけど壮大な「気象モノ」「自然災害モノ」というジャンルの映画です。

こういう作品って裏側にはとても深刻な問題や背景をモチーフとしていて個人的には非常に好きなジャンルです。

映画鑑賞後に「ググる」回数が多くなりがちなもので、まさに物語をきっかけに見識を深める端緒になるPTAも納得の作品群でもあります。

ま、予告編や事前情報から言わずもがな、本作はそんな気象モノ・自然災害モノのなかでも

「アルマゲドン」(1998)
映画 アルマゲドン ブルース・ウィリス


「デイ・アフター・トゥモロー」(2004)
映画 デイ・アフター・トゥモロー


「2012」(2009)
映画 2012


に代表されるような映画です。

どちらかと言えばモチーフが近いのは「デイ・アフター・トゥモロー」ですかな。

なぜニッチだと書いたのかといいますと、こういう作品ほど一部の知識高い系(笑)の玄人の方からやれ「設定が駄目」だの「科学的根拠が希薄」だの、エンタテインメントとしての物語にものすごい数の横やりが入るからですな。

それでも数年に1度のペースでこうした映画は製作されるのです。

ある物語のどこを描写するのか?というのは非常に大切で、ストーリーの力点を間違えてしまうと「なんだこれ?」と一般の我々ですら首を傾げるような作品に仕上がってしまうことも理由の一つです。

リアルに書けばいいというのもやり過ぎると淡々としすぎて味気なくなるし、
本当だとしても、単調なイベントの繰り返しだと、飽きが来るし、
本筋からずれたところばかり膨らませると何の話か解らなくなるし、
創り手が見る人に媚びすぎてもいけない。
物語の熱量をどのくらいで見る側も創る側も消化できるのか?ということも大切。
長編の小説も、ドラマも、映画も、長く時間を拘束されるならそれに見合った対価として双方ともに一定間隔でカタルシスが必要になるし、それが本当の意味でできるのはほんの一握りだ。

だから物を語るというのは面白いんですが。

さて、このジオストームはというと…

社会的教訓<エンタテインメント
が重視された作品でした。

もっと言えばこの作品のエンタテインメントというのは、

90年代〜00年代前半のノリ

となっています。

非常に解りやすいストーリーラインで描かれていて、ある意味予想外の事態が起こらないことに安心するような鑑賞感ですな。

決して展開が何かのパクリだというのではなく、どこか懐かしい。

あ!とスタッフの顔ぶれを見て納得しました。

制作陣の代表作が『インデペンデンス・デイ』、『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』『グリーン・ランタン』『ユニバーサル・ソルジャー リジェネレーション』『パトリオット』『フライボーイズ』etc、etc

こういうノリを心得ている方々が控えているのであればわたしの感じた印象はおそらく正しくて「エンタテインメントとはかくあれかし」というテキストに則ったものなんですな。

災害の描写あり、「それなりの」人間ドラマがあり、いらんのにコテコテの陰謀あり、アクションあり…あろうことか別れの描写もあり…

つまり「物語としての冒険」はしていないということで、まぁ、最小公倍数が納得する(のかな?)ような構成。

キャストは相当豪華で、エド・永遠の”ハメル准将”・ハリスにアンディ・ガルシアという大ベテランから主役の”マケドニア王レオニダス”ジェラルド・バトラーもかなりいい味を出していて、ふとB級であることを忘れそうに(笑)なります。

あ、ジェラルド・バトラーが主役だからからとって、

ホワイトハウスは爆発しません。

しかし、このワードから何某かを連想されたア・ナ・タ。

おそらくその予想はハズレではありあせんヨ。

えぇ、そういうノリなんですよ!!

クライマックスでアンディ・ガルシアが「ある自動車の中で主人公の弟に対して漏らした一言」も超B級のノリで大好きです。

ということで、本作は本筋である「環境問題」というものをある意味でサラッと下地にしてしまって、ワクワクするような超テクノロジーも軽く脇においてしまい(オイオイ)、
世界的危機<陰謀解決という力点で描いてしまった結果、本来であれば涙を誘うようなシーンの重量がダイエットされてしまい、いささか残念。

モノローグを語るのは、実は主人公の娘さんなのですが、それに気が付いた瞬間に「え!?ってことは!?」という『期待』を込めて涙活準備をしたものの、
(だって劇中の”それらしい”シーンから連想されるのは『アルマゲドン』のノリでしょ?!『インデペンデンス・デイ』のノリでしょ!?と思うはずです(^_^;))

んなこたーない(笑)

のでご安心ください。

潔いまでの既定路線。

そういうことなら、こちらも強く言えない。

多分、この路線の映画にしては根本的な問題についての訴求は薄いです。
「デイ・アフター・トゥモロー」の方がよほど真面目に取り組んでいます。

家族、人との絆なら、気象モノには厳密になりませんがわたしも大好きで泣いた
「インターステラー」の方が深く描かれています。


だけどわたし個人としては舞台となる初代「ダッチボーイ」建設計画を映像化した方がものすごく熱いドラマになったのではないか、とひとりで悔しがっています。


わたしが本作で萌えたのは展開ではなく、NASAの壮大な打ち上げ施設だったり(だって連邦軍の発射施設みたいですぜ!大佐!)、めちゃくちゃ欲しくなるタブレット端末だったり、地球全土を覆う巨大気象衛星群であったり、ステーション内のガジェット群だったのです。

たぶん1番美しい描写は湖畔から空に打ち上がるシャトルを見つめるシーン。

あれ、ポスター欲しい。

(あ、アビー・コーニッシュにはアンディ・ガルシアに感嘆された「あのシーン」とオープニングのセクシーな姿でやられました(^_^;)途中まで”物語的に疑っていて”ごめんなさい)

多くの人は作品を観てこんな感想を持たないと思いますので、文月的マイノリティ・リポートとして最後に呟きました。

でもさ、お嬢さん役の子、もう少し見せ場を作ってあげても良かったんじゃないでしょうかね?

あ、もしかして続編でアレとか…

でも…父を信じて待つのってインタース…ぶべら!!!

だけど東京のシーンはもう少し日本をリサーチして欲しかった。

でもね、きちんとISSに日の丸がペイントされているのはちょっと安心しました

ザ・タワー、デトロイト、ロスト・シティ・Z、ようやくエンジンがかかるかしら?

2018年映画鑑賞 23本目

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◆overview◆

・原題:Geostorm 2017年公開(アメリカ)
・上映時間:109分

・監督:ディーン・デブリン
代表作:『スターゲイト』『インデペンデンス・デイ』など
・脚本:
ディーン・デブリン
ポール・ギヨー

・メイン・キャスト
ジェラルド・バトラー
ジム・スタージェス
アビー・コーニッシュ
アレクサンドラ・マリア・ララ
ダニエル・ウー
エウヘニオ・デルベス
エド・ハリス
アンディ・ガルシア

2017/12/15

映画_スターウォーズ 最後のジェダイ (評価★:5!!!!!!)ネタバレあり 感想~老兵は死なず、消え去るのみ~【映画レビュー】

「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」本予告

『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のその後を描く、シリーズ最新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』 12月15日 (金)全国ロードショー

スターウォーズ 最後のジェダイ 評価 感想


◆ スターウォーズ 最後のジェダイ  鑑賞◆


評価/オススメ:★★★★★!!!!!!!!!

文月的採点(49/50点) 
スターウォーズ 最後のジェダイ 評価 感想
この作品ジャンルは?:スペースオペラ

オススメしたい人は?:すべてのSFファン!

印象を一言で?:スターウォーズで号泣するとか…めちゃくちゃあり得ます!
ヒーハーーーー!!!!

グロテスクですか?:いいえ。なんせディズニーがスポンサーですから。


◆synopsis◆


万感の思いを込めてルークにライトセーバーを差し出すレイ。
彼女をじっと見つめるルーク。
そこに言葉はない。
観る者の胸を感動で満たし、同時に様々な想像をかき立てずにはいられなかった、このラストシーン。

――そして物語は、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』へと受け継がれる。

伝説のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーとめぐり逢ったレイが知ることになる驚くべき真実とは? 
なぜカイロ・レンはダース・ベイダーを受け継ごうとするのか?
さらにはレジタンスを率いるカイロ・レンの母親レイアと、ポー、フィン、BB-8らレジスタンスたちの新たなるミッションとは?

そして、“最後のジェダイ”が意味するものとは?


――知られざる秘密が明かされるとき、さらなる謎が生まれる。


※公式HPより

※ネタバレ防止に付き、一部文月加筆訂正


◆comment◆


スターウォーズとはものすごく広がりのある『はるか遠い銀河』の壮大な世界の物語だ。

でもわたしたちが観ることができるのは、結局のところそんな世界の中のごくごく小さな(それでもスケールはでかいのだけど)とある『血筋』を巡るGENEとMEMEとSENSEの物語だ。

それでも世界中の人々を魅了し続け、観るたびに、そのときに自分に応じた答えをそっと教えてくれる、まるで父親みたいな物語だ。

皮肉なことに、世界は人の数だけ存在していて、当事者の心情などお構いなしに、広がることを、変わることをとめることはできない。

ひとつの大きな戦いが終わって『めでたし、めでたし』とピリオドを打てるのは本の中だけだ。

そして、正義も、悪も、光も、闇も、ひとつではない。

始まりもましてや『最後』なんて実に曖昧なものだ。

それでもあの人は、決着をつけるためにたったひとりで大軍の前に立ちはだかったんだとわたしは思う。

歴史も、伝説も、善も悪も、そこにはない。

義務だからではなく『先人であり、父であり、師であり、孤独を頒かつひとりの友であるから』だ。

その背中を見た人々は彼を、彼が象徴する姿を幾千万の言葉で語るだろう。

しかし「その時」の彼の姿はを表すには、たった一言。

彼の名はルーク・スカイウォーカー。このシンプルな言葉だけで十分だ。


往時からは想像もつかないくらいに寡黙で、偏屈で、頑固になってしまっていたけれど、

あなたは選択したんだ。

かつて迷えるあなたを導いてくれたオビ=ワン・ケノービが、微笑みながら背中を押してくれたように。

あんなにも優しく微笑みながら「あの場所へ」還ったように。

あなたが浮かべたあの表情、あの仕草は奇しくも同じものだった。

それでも、それでも、あなたの姿は伝説であり、物語だ。

見上げた空に輝く光は、誰のものでもない。

物語すらも。

あなたはきっと下らないと言うだろうけど、あなたが見せたその奇跡こそが、あなたが導いた小さな光を閃光に変えてしまうのです。

その光は、闇を突き破って、誰かの希望となる…。

May the Force be with you.



いやぁ、今年は様々な映画を観てきましたが、

まさかスターウォーズを観て、劇場で嗚咽するハメになるとは。。。。

涙を止めるまで、しばらくかかりましたよ。

ご機嫌いかがですか?涙腺崩壊中の文月陽介です。

2017.12.15本日から公開です。

詳しい解説など不要な「不朽の名作」にまたひとつ伝説が刻まれました…。



本作でわたしたちが受け止めるのは『誰が、何を、どうやって精算する物語』であったのか?です。

もう冒頭で書いてしまいましたが、
この作品はスターウォーズを更に飛躍させるためのルーク・スカイウォーカーを巡る物語
なのです。

…といっても過言ではない、はず。

ジェダイの帰還から、フォースの覚醒の間に彼らに何があったのか?

本作を観ることでおぼろげながら掴むことができるはずです。



しっかし、オープニングからいきなりのピンチ!!!!!

開幕からトップギアで観客を銀河に問答無用で放り込んでいく激アツ展開、、、、

やられました。

物語の構成も文句がほとんど付けられないぐらいでして。。。

はっきりと『静と動』のパートに分かれて展開します。

『静』とは、(まさにどうなるのか気になって仕方がないよ)ルーク・スカイウォーカーとレイの織りなす物語。

『動』とはレイア姫や新キャラクターであるフィン、ポーらを中心に展開する冒険活劇。

それがクライマックスにかけてひとつに繋がった時、アクシズ・ショック並の奇跡が起こるのです。(わたしは「時が見える」かと思いました)

ルークの物語、と論じておきながらですが、メインキャラクター達の関係性についてもしっかりとした形での進展や、新たな謎もキレイにブッ込んでくるので片時も目を離せない。

ものすごく豪華な1本ですね。。。。

そしてあの二人による、まさかの「共闘」!!

どの二人なのかは、ぜひご自分の目でお確かめを!

既定路線かもしれませんが、熱くなるのは必至です。

クライマックス、クライマックス、クライマックス。

え?コレがクライマックスじゃないの?また?の連続。

オープニングで盛り上がること請負ですが、何回人の胸を熱くさせれば気が済むんだよ…

だけど、おそらく鑑賞される方は時間が過ぎるたび、ピンチを目撃するたびに、こう思うはずです。

「彼はいつ現れるんだ?」と。

ものすごく考えさせられたのは「フォース」「ジェダイ」というものを、JJがどうやって超越させるのか?の結論でした。

本作で示された結論とは「伝説が逆説的にジェダイを創り上げて、縛り付けてしまった」というものでしょう。

わたしたちが新しいスターウォーズと向き合うためには、わたしたち自身の心が作り上げてしまった「伝説」を精算する必要があるのでした。

それはもう、物語の始まりでルークがあるものを無造作に投げ捨てるところからわたしたち観客に示唆しています。

ルークが隠棲するきっかけとなった出来事が、いかに彼を深い闇へと導いてしまったのかも「自分自身の呪縛」が原因です。

そして、感じた恐れ。

それは結局のところ、ルーク自身が向き合うべき闇なのです。

というより「ジェダイ」という呪縛に縛られた人間なら誰しも襲われる闇

わたしが観ていてまっさきに想起したのは、大好きな映画である「ハンテッド」でした。

これも力を得てしまったことによって「向こう側」と「こちら側」がかえって曖昧になってしまったこと、それを生み出してしまったことへの決着がテーマでした。

映画 ハンテッド トミー・リー・ジョーンズ ベニチオ・デル・トロ


と、思っていたら、まさかのベニチオ・デル・トロ出現!

わたしの1番のサプライズ出演(^_^;)

ベニチオが本作の本質を突いた発言をボソッとしてくれたのはさらに衝撃でした。

・・・次回作はファースト・オーダーも荒れそう。

フォースも、ジェダイも、逆説的にダークサイドも、反乱軍もファースト・オーダーも表裏一体であって、そこに囚われることが、そもそも理に反する。

本作のルーク自身の姿って、「スターウォーズ」という世界を自分自身で決めつけているわたしたちに重大な気付きを与えてくれるでしょう。

マスター・ヨーダが形に囚われていたルークをかつて笑った訳とはそこにあったのです。

新しいスターウォーズと向き合うために、みなさまも劇場でルークとともにハッとしませんか?

わたしは頬を伝う涙を拭う必要は決してないのだと気が付きました。

その涙が映す光こそが「次の時代」を生み出す灯火になるのだから。




あ、上映時間がめちゃくちゃ長いので劇場鑑賞前の方は「水分のとりすぎ」には注意!!!!
トイレで途中退席しちゃうのはもったいない!

すべてのシーンを通してでないと、本作にどっぷり浸かれませんよ!

わたしもほとんど飲み物を飲まずに鑑賞して正解でした。


これはどうでもいいのですが、毎度おなじみ「反乱軍名物アブレスト編隊飛行」って、どうしてわたしたちの体温を2度くらい上げるのだろうか。

あぁ、わたしも「了解!レッドリーダー」とか言ってみてぇぇぇぇ。


2017年映画鑑賞 230本目

post from #pixelbook

#涙活
#スターウォーズ体験
#最後のジェダイ

◆overview◆



・原題:Star Wars: The Last Jedi 2017年公開
・上映時間:152分

・監督:ライアン・ジョンソン
代表作:『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』『LOOPER ルーパー』
・脚本:ライアン・ジョンソン
     
・メイン・キャスト
デイジー・リドリー
ジョン・ボヤーガ
アダム・ドライバー
オスカー・アイザック
マーク・ハミル
キャリー・フィッシャー
ルピタ・ニョンゴ
ドーナル・グリーソン
アンソニー・ダニエルズ
グウェンドリン・クリスティー
ベニチオ・デル・トロ

2017/11/03

映画_シンクロナイズドモンスター / Colossal 感想(評価/★:3)~煮ても、焼いても、叩いても、アン・ハサウェイは可愛いのです!キリッ~【映画レビュー】

シンクロナイズドモンスター予告

Uploaded by Albatrosmovie on 2017-08-09.


映画 シンクロナイズドモンスター アン・ハサウェイ



◆シンクロナイズドモンスター 鑑賞◆


評価/オススメ:★★★

文月的採点(35/50点)

この作品ジャンルは?:コメディタッチのファンタジー

オススメしたい人は?:カップルや女性の方も楽しめるかも。

印象を一言で?:超B級映画と思いきや、実は深い。
アン・ハサウェイがふつーのお姉さんを演じているのは必見。
つーか、ツンとしていないので、すごーーーーく可愛い。

グロテスクですか?:グロシーンはありません。


◆synopsis◆



巨大な怪獣を操るダメウーマンが、負け犬人生と世界の危機に立ち向かう!!

職ナシ、家ナシ、彼氏ナシ。
酒に溺れて失敗ばかりのグロリアは、ニューヨークから故郷の田舎町へと逃げ帰る。
時を同じくして、韓国ソウルに突如巨大な怪獣が襲来!
その怪獣の動作は、なぜか遥か遠く離れたグロリアとシンクロしていた―。
世界の運命は、酔っ払いのダメウーマンに託された?!
憧れのニューヨークで働いていたグロリア(アン・ハサウェイ)だったが、失業してからというもの毎晩酒に酔って暴走し、ついには同棲中の彼氏ティム(ダン・スティーヴンス)に家を追い出されてしまう。 家も仕事も彼氏も失ったグロリアが向かったのは、生まれ故郷の小さな田舎町。 そこでばったり再会した幼馴染のオスカー(ジェイソン・サダイキス)に誘われ、グロリアはオスカーが営むバーで働くことになる。

グロリアが新生活への一歩を踏み出す中、衝撃のニュースが世界を駆け巡る。 韓国のソウルで突如巨大な怪獣が現れたというのだ。 テレビに映し出された衝撃映像に皆が騒然とする中、ただひとりグロリアはある異変に気付く。 「この怪獣、私と全く同じ動きをする…?!」舞い上がったグロリアは、怪獣を操り世界をさらなる混乱へと陥れるが、そこに「新たなる存在」が立ちはだかる―!

※公式HPより


◆comment◆



2017/11/3 本日から劇場公開です。


・・・曰く、

「ゴミ映画」

「主人公の女が嫌い」

「なんだこれ?」

「ストーリーが浅い」

「説明不足」

「設定が中途半端」

「アン・ハサウェイがミスキャスト」

エトセトラ、エトセトラ。

・・・・手強い。これは手強い戦いだ。

わたしは劇場を後にしながら、ネット上に散見されるこれらの言葉に正直な所あたまを抱えていました。


本作は製作段階で権利問題で報道されたのをご記憶の方も多いでしょう。

ゴジラ似の「珍」怪獣映画、東宝に訴えられる - ライブドアニュース

『ゴジラ』シリーズで有名な東宝が、制作中の映画『Colossal』を著作権侵害で提訴した。監督自身が「史上最低予算のゴジラ映画」と述べた映画で、アン・ハサウェイ演じる女性が怪獣と心を通わせるという奇妙な設定だ。 「ゴジラ似の「珍」怪獣映画、東宝に訴えられる」の写真・リンク付きの記事はこちら ...

ゴジラがアン・ハサウェイ主演の巨大トカゲ映画に"待った" : 映画ニュース - 映画.com

巨大トカゲ映画主演が報じられたアン・ハサウェイ Photo by Andrew H. Walker/Getty Images for Variety [拡大画像] [映画.com ニュース] 米女優 アン・ハサウェイが、「GODZILLA」+「 マルコヴィッチの穴」のような作風をうたった巨大トカゲ映画「Colossal(原題)」に主演することが報じられたばかりだが、このほど本家「 ゴジラ ...

ただ、これは製作者側の迂闊さもさることながら、東宝が過剰に反応したのではとも思うのはわたしだけでしょうか?


おかげで舞台設定が日本から韓国に変更になっただとか、怪獣が将軍様がゴジラスタッフさんと製作したやつに似ているだとか、いろいろと物議をかもしたのもご存知の方が多いでしょうね。


これは是非とも、日本を舞台のひとつにして欲しかった・・・・

麗しのアン嬢が日本に大手を振って来られるじゃないですか・・・・


それにしてもここまでキツイ言葉で語られる本作ですが、わたしは単純にアン・ハサウェイがふつーーーーのおねえさんを演じているだけで、激レア物件だと(小声)

これを擁護しつつ、オススメとして紹介するにはどうすればいいかなぁ。

わたしは好きなんですよねぇ。

そして恐らく配給会社さんも、親しみやすさを最大限に訴求したくて、ピンクを基調にしたビジュアルと邦題を考えたのでしょうけど、、、、惜しい
この邦題では原題:Colossalに隠された対比というかユーモアが伝わらない。

それこそ怪獣メインの話にしか捉えてくれなくなっちゃうでしょーが。

確かに怪獣のビジュアルや事前のニュース何かを見ると、パニック映画やそれこそパシフィック・リム寄りのゴリゴリ系なアクションを期待してしまうと裏切られたと感じるのも無理も無いこと。

ましてや主演があのアン・ハサウェイならなおのこと大作であることも期待されるのも同感。

だけど、日本語版もオリジナル版の予告編にも、それこそ公式サイトにもシリアスな要素はほとんど見られません。

そうです。

たしかに純粋な怪獣映画とも言えず、大作であると定義するほど壮大もない。

本作はもっと身近で、
ごくごく小さなコミュニティの、
そしてパーソナルな問題を取り扱った物語。

これは怪獣をモチーフにした『ちょっと不思議な』自己再生の物語なのです。
(けっこうぶっ飛んでますけどね)

歯切れが悪くなるのには訳があって、面白いのですけど、なかなか上手く表現できないんですよねぇ。

例えが悪くて申し訳ないのですが、星新一的なとてもシュールなお話で。

あの「おーいでてこーい」がまっさきに想起されたのです。

ま、ストーリーの最大の謎としては、

『あの怪獣の正体はなんであるのか?』

に尽きるのです。


と、書いていたら、公開に伴う監督のインタビューを発見して妙に納得。

【インタビュー】『シンクロナイズドモンスター』監督は松本人志マニア!「『大日本人』の影響受けたよ」 | THE RIVER

「今日の僕はSF男だよ!」 ──スペインの鬼才は、ノートPCのスクリーンの中で、アップル・シナモン・フレーバーのVAPE(電子タバコ)の煙をモクモクと吐きながら笑っていた。「日本の皆とTV電話で話して、巨大なピルを持って(Beats Pill ワイヤレススピーカー)、VAPEを吸っているんだからね。」 なぜか巨大怪獣と動きが"シンクロ"してしまうという"ダメウーマン"の奮闘を描く異作 ...

これらを踏まえて、この映画を整理すると、彼らがこの作品を通してどんなメッセージを伝えたかったのかが朧気ながら見えてきます。

故郷というもっともパーソナルな場所に埋まった

忘れているようで姿を見せないだけの『思い出』

子供時代だからこそ覚えることができる『ピュアで強大な怒り、傷心』

決着をつけないで、そのままにしてしまった多くの人が持つ『何か』

大人になること≒誰もが横並びであることはあり得ないという『現実』

自身が苦しいゆえに、感じる『羨望』『嫉妬』

故に他者を支配したいと思う『エゴ』

個々人の心のうちにしまい込まれた強烈な思いというのは、時とともに純化するものもあるけど、その逆に腐臭を放つものもある。

わたしたちは人と関わるが故に悩み傷つくのですが、人と関わらず生きていくことは不可能。

ミクロの集合体がマクロ。

そしてテクノロジーがもたらした距離の喪失、言葉の壁の消失が、世界との境界線をものすごく曖昧にしてしまった。

ネット上では鍵でも掛けておかない限り「パーソナル」な言葉などない。

何気なくポロッと書いた一語でも、とてつもなく大きな問題に発展する事もある。

気が付かないうちに世界の何処かで何かを無情にも破壊してしまう恐ろしい力を、現代の言葉は持ってしまっていて、その危うさをほとんどの人が(わたしも含めて)自覚せずにデジタルに載せてしまっている。

例え個人の問題でも、世界中がそれを自由に閲覧し、共有し、返信することができる。

今月公開のトム・ハンクス/エマ・ワトソン出演の『サークル』

映画 ザ・サークル エマ・ワトソン


この作品と根底では共通しているであろうテーマを本作はあくまでもコメディタッチに描いているのです。

なので、よーーーく目を凝らして観てみると、本作品には意外な魅力があるのです。

というわけで、高嶺の花が舞い降りた。

わたしたちふつーの人達と同じ視線に立ってくれたアン・ハサウェイを観られる貴重な作品。
お楽しみください。

そうそう。本作のキャストは豪華ですよ♫

2017年映画鑑賞 190本目

◆overview◆


・原題:Colossal  2016年公開
・上映時間:110分

・監督:ナチョ・ビガロンド
代表作:『ブラック・ハッカー』『TIME CRIMES タイム クライムス』
・脚本:ナチョ・ビガロンド
     

・メイン・キャスト
アン・ハサウェイ
ジェイソン・サダイキス
ダン・スティーブンス
オースティン・ストウェル
ティム・ブレイク・ネルソン

2017/10/28

映画_ブレードランナー2049 感想(評価/★:4) ~“We are like a snowflake, all differentinour own beautiful way.”~【映画レビュー】

映画『ブレードランナー 2049』予告3

これ"が知られたら、世界は滅びる―。 その秘密を探る新旧ブレードランナー2人が"追う者"から"追われる者"へと変わる。 次第に明らかになる、2049年の未来とはー。 映画 『ブレードランナー 2049』 10月27日(金)公開 公式サイト:http://www.bladerunner2049.jp/ 公式Facebook: https://www.facebook.com/BladeRunnerMovieJP/ 公式Twitter:https://twitter.com/bladerunnerJP

映画 ブレードランナー 2049 


◆ブレードランナー2049 鑑賞◆


評価/オススメ:★★★★
(ブレードランナーの続編ではなく、単体作品で成立させても良かったかも)

文月的採点(42/50点)
この作品ジャンルは?:サイエンス・フィクション

オススメしたい人は?:これは実は非常に難解で玄人向けだと思います。
『で?何だったの?』と思われる方も多いかも。

印象を一言で?:良くも悪くも『ブレードランナー』の呪縛は恐るべきもの。
むしろ『ブレードランナー』の続編だと考えないで観た方がいいでしょう。

グロテスクですか?:生命とは美しくも、醜いものです。


◆synopsis◆


2049年、貧困と病気が蔓延するカリフォルニア。
人間と見分けのつかない《レプリカント》が労働力として製造され、
人間社会と危うい共存関係を保っていた。

 危険な《レプリカント》を取り締まる捜査官は《ブレードランナー》と呼ばれ、2つの社会の均衡と秩序を守っていた―。

LA市警のブレードランナー“K”(R・ゴズリング)は、ある事件の捜査中に、
《レプリカント》開発に力を注ぐウォレス社の【巨大な陰謀】を知ると共に、
その闇を暴く鍵となる男にたどり着く。

彼は、かつて優秀なブレードランナーとして活躍していたが、
ある女性レプリカントと共に忽然と姿を消し、
30年間行方不明になっていた男、デッカード(H・フォード)だった。

いったい彼は何を知ってしまったのか?
デッカードが命をかけて守り続けてきた〈秘密〉―
人間と《レプリカント》、2つの世界の秩序を崩壊させ、
人類存亡に関わる〈真実〉が今、明かされようとしている。


※公式HPより


本作品により深く入り込むために、渡辺信一郎監督をはじめとするクリエイターによって製作された3編の前日談もぜひご覧になられてから、劇場に足を運ばれることをおすすめします。
↓↓↓
渡辺信一郎監督作品 「ブラックアウト 2022」

【渡辺信一郎監督による前奏アニメ解禁!】「ブレードランナー ブラックアウト 2022」

『ブレードランナー2049』へ至る、空白の30年間。2022年に起きた大停電<ブラックアウト 2022>とはー? 『カウボーイビバップ』『アニマトリックス』『サムライチャンプルー』などを手がけ、日本のみならず海外でも高い評価を得続ける渡辺信一郎監督が『ブレードランナー 2049』の制作スタジオであるAlcon Entertainmentからオファー受け、短編アニメーション「ブレードランナー ...


ルーク・スコット監督作品 ※リドスコのご子息!!です。
「2036:ネクサス・ドーン」・「2048:ノーウェア・トゥ・ラン」」

【『ブレードランナー 2049』の前日譚】「2036:ネクサス・ドーン」

『ブレードランナー2049』へ至る、空白の30年間。 デッカードが恋人の女性レプリカント《人造人間》と共に姿を消してから17 年後、2036 年の世界。そこでは、レプリカントの新たな創造主となる科学者ウォレス(ジャレッド・レト)が、<巨大な陰謀>を目論んでいた―― 『ブレードランナー』を監督した"SF 映画の巨匠"リドリー・スコットの息子、ルーク・スコットが監督を務めた短編を公開! ...

【『ブレードランナー 2049』の前日譚】「2048:ノーウェア・トゥ・ラン」

『ブレードランナー2049』の舞台である2049年の一年前、2048年の世界―。 ロサンゼルス市警は"ブレードランナー"組織を強化し、違法な旧型レプリカント《人造人間》の処分を徹底していた。軍から逃げ出し、この街にたどり着いた旧型の違法レプリカントであるサッパー(デイヴ・バウティスタ)は、トラブルを避け静かな暮らしを送っていたが ...


◆comment◆


日本では2017/10/27より公開です。

わたしは本日の朝、映画館に駆け込みました。

意外や意外、女性の方も多く客席に座られていたのが印象的でした。



リドリー・スコットは純粋な意味では映画監督ではないとわたしは個人的に思っています。

あの方は監督というよりも、
極度に神経質で創造的な『世界構築厨』
なのです。

まず語りたいストーリーがあって、舞台を付け加えていく。

彼はそうした手順ではなく、

まず圧倒的なまでに創り上げられた舞台があって、
その中でストーリーが必然として展開する。

こんな気難しくて繊細な彼だからこそ可能な
『ぐうの音も出ないほどの構築美、虚構美』
それが彼の『映画』なのです。

エイリアン(1979)、ブラック・レイン(1989)、白い嵐(1996)、グラディエーター(2000)、ブラックホーク・ダウン(2001)、キングダム・オブ・ヘブン(2005年)、プロメテウス(2012)、オデッセイ(2015)、エイリアン・コヴェナント(2017)・・・
(あ、エクソダス入れるの忘れた!)

彼の手がけたこれらの作品が他を寄せ付けないところがあるとすれば、徹底的に、
それこそスクリーンに映る埃ですら『その世界』に存在するものであると言って憚らない姿勢です。

彼ほど『虚構』と『現実』の境界線を曖昧にさせていくことにこだわる監督は、なかなかいません。

まずはじめに「世界」あり。


ここに上げた作品はどれもが、
物語以前にスクリーンの中で成立している『もうひとつの完璧な虚構の世界』であって、
わたしはそれだけでもご飯3杯は食べられます的な「映画のメインディッシュ」なのです。

つまり、物語の装飾として舞台があるのではない。
そういう『世界』なら当然展開するであろう物語をわれわれに観せて(≒魅せて)くれる。
そんな監督です。

ハレルヤ。

そんな彼がまだ映画監督として駆け出しの頃に創り上げてしまった『呪縛』の根源が、
当時は「なんじゃこの訳の分からない作品は?」と酷評された
ブレードランナー(1982)なのです。


映画 ブレードランナー ハリソン・フォード



この時代、わたしたちの「いわゆるゴリゴリのSF」の基礎(≒呪縛)を確立させてしまった天才が何人かいます。

リドリー・スコットは間違いなくそのひとり。


彼の呪縛とドゥニ・ビルヌーヴ監督はどのように向き合うのか、非常に楽しみでした。


しかし、ドゥニ・ビルヌーヴ監督
見事なまでに『ドラマ』にしてしまっていましたな(汗)


「複製された男」(2013)並に強気な姿勢を期待していたのですが
(あれも消化するのにえらく時間がかかったものです)

映画 複製された男 ジェイク・ギレンホール


個人的には押井守監督あたりが製作してもよかったのではないかな。
やらないか、マモさん。

ところで、
「ブレードランナー」
というタイトルの由来をご存知でしょうか??

もともと本作の原作はフィリップ・K・ディックの伝説となった名著「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」というもの。
原作をご存じない方のためにwikiをpostしておきます。

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? - Wikipedia

8人のアンドロイドが火星を脱走して地球に侵入する。2人はサン・フランシスコ警察署主任のデイヴ・ホールデンにより処理される。アンドロイドのマックス・ポロコフは、デイヴ・ホールデンに重傷を負わせ、逃走する。サン・フランシスコ警察署のハリイ・ブライアント警視は、部下のリック・デッカードに、残りの6人の処理を依頼する。デッカードは、バウンティ・ハンター(賞金稼ぎ)なのだ。デッカードは、逃走したアンド...

まぁ、ディックの作品はあくまでも原案に過ぎない、というのが真相のようですが。

この作品が映画になる段階で、どうしてタイトルが変更になったのか?
※原作にはブレードランナーという単語は出てないのです。

それにはこういう理由があったのです。

「ブレードランナー」というタイトルの謎、一体何を意味する言葉なのか?

1982年に公開された映画「ブレードランナー」の中で、主人公であるリック・デッカードは「ブレードランナー」と呼ばれる捜査官ですが、「ブレードランナーとは一体何なのか?」ということの説明はありません


さて、公開前からネット上を散見するに「もろストーリ-」をメインにこの物語を語る言葉が多く見られます。

たしかに本作は

『世界』を愛でる要素<『物語』を奏でる要素

という構図になっています。


誰もが納得できるように丁寧に説明、解説があって、どうかこの作品を堪能してくださいとお願いするような「媚びた」小説や物語はわたしはあまり好きではありません。

そうした製作姿勢は「受け取る側」であるわれわれの想像力を制限させますし、
ある「フォーム」に収まった作品しか世間に受け入れられなくしてしまう足枷になってしまうとわたしは思っているからです。

残念ながら、本作ではドゥニ・ビルヌーヴ監督独特の、もっと言えばリドリー・スコットらしい(原案のディックらしい)突き放した語り口ではなく、下手すれば『最小公倍数』に受け入れられやすいように意図された『興行的』な色が強くなっているように感じました。

よってストーリー展開の細かい部分については、他の方の感想に譲るとします。

わたしがちょっと残念に感じたのは何故か?

それは扱っているストーリーの根幹である、

「人工的に生命を造るということ」

「造られた生命の魂の所在についての問題、あるいはその魂の交流の問題」

「非人間であることの哀しみ」

とは前作ブレードランナーで描かれている部分であり、

当時のSFだからこそ新鮮な議題であり、強く心を打つ要素だからです。

本作でも確かに『ストーリー』としては切なさを感じさせるものなのです。

しかしですよ。
この作品で展開される「切ない」エピソードとは、
ブレードランナー以降に誕生した無数の作品で取り上げられていて既視感(デジャヴ)が拭えない方も多いでしょう。(特に近年の)

それは攻殻を観なさい、それはエクス・マキナを観なさい、それこそエイリアンを観なさい・・・・etcなど。

→エクス・マキナ、エイリアン:コヴェナントの紹介記事

【映画 感想】エクス・マキナ  ―ロボット三原則という、不条理な鎖はもう不要なのか―

―もう「人工知能を創ったらどうなるか?」という問いかけは廃れていくのだろう。 「ヒトに創られた人工知能は、『人間』とどう向き合うのか?」という段階に来ている様に思います。 予告編で紐解かれていくあらすじは、プログラマーの主人公の青年がとある人里離れた施設で美しくも歪な一体のAI相手に「機械相手に人間性を感じるのか?」をテストしていく(※一種のチューリングテスト)をするというもの。 ...

エイリアン コヴェナント 感想 ~全ての生命に祝福を~【映画レビュー】

宇宙移住計画を実行するために地球を旅立ったコヴェナント号は、 コールドスリープ中の男女2,000人を乗せて、 植民地と成り得る惑星を目指していた。 しかし、あるアクシデントが発生し航行に重大な支障がでてしまう。 コールドスリープから目覚めた主要クルーらによる修復作業のなか、 謎の電波を受信する。 本来であればあり得ないことではあるが、航路を変更して 電波発信元に向かうコヴェナント号とクルー達。

わたしだって勇んで劇場に行ったのですから、めちゃくちゃ心躍らせて記事を書きたかったのですけどね(汗)


リドリーが打ち立ててしまった圧倒的な虚構は現代の手法によって見事に昇華させられていて、本作でもストーリー以上に楽しめることは間違いないです。

われわれとは異なる世界線で成立した『2049年』はあるのに、作品がフォーカスしているのは明らかに『物語』であって、『世界』ではない。


実はちょっと目の肥えた方からすれば、物語の冒頭ですでに興冷めしてしまう重要なネタバレがありまして。(わたしは、えーーーー、ここでそれ!?と驚きました(笑))

それについては

「どうして公式サイトに登場人物の紹介がないのか?」

という程度に留めておきます。

お陰で逆に冷静にスクリーンと対峙するハメになりました。

結局これって、アレ同士の追いかけっこだものね(脱力)と。

なので、これだけの話題とバジェットを持った作品にしてみれば、非常に勿体無い感じがしてしまいました。

・・・海外でも評価が割れていたり、わたしもこうやって首を捻ってしまう理由とは、取りも直さずリドリー・スコットの『ブレードランナー』の呪縛なんですね。

これは例えばスター・ウォーズの「ローグワン」のように全く別の作品だと捉えれば十分楽しめると思います。

だから「ブレードランナー」を知らない人こそ、むしろ本作からこの世界に浸ってみるのが良いでしょう。

続編というより、解釈の違い。

哲学が文学になった。

本作はこんな作品です。

だったらなんでリドリー・スコットが自ら監督をしなかったのか?というのは禁句でしょうね(笑)


いっその事、クリスチャン・ベールのリベリオン(2002)ばりにアクション全開にでもすれば『伝説』として語られたんだろうな。


はげしく余談ですが、公式サイトに書かれている
「映画史に残るラストシーンに、その答えがある」
というコピーですが、

知っている人にとっては、
おまっ、ラストシーンの前に、この絵面は『カウボーイビバップ』の最終話と一緒だぞ
とツッコまれるのではないかと。
(CBファンにしてみれば、本当のラストカット前にこう叫んでしまうでしょう)
渡辺信一郎監督も関わっていますしね(笑)

アニメ カウボーイビバップ スパイク・スピーゲル

※↑↑正確にはこのシーンの後です。
そして、本当のラストカットを喰ってしまうくらいのシーンです。


しかし、闇とネオンと雨で包まれた『ブレードランナー』の完結には
あのようなシーンも見事に対比させる意味で良かったのでしょうが、わたしにしてみれば
このブレードランナー2049という物語の主人公が、あまりに哀れに感じさせられてしまい、わたしもうまい具合に乗せられたなぁと苦笑しました。

というか、
この物語の主人公とは誰であったのか?

これを考えるほうが楽しかったりします。

★も素直にあげず、こんなディスり口調で長々書いておきながら、Blu-rayが出たら絶対に買いますヨ!!!!

何度か虚心坦懐に観れば『この作品』を愛せるようになるでしょうから。

わびさび。

2017年映画鑑賞 180本目

ドゥニ・ビルヌーヴ監督作品『メッセージ/Arrival』の紹介記事はこちら

メッセージ/Arrival 感想 ~世界は『言葉』でつくられている~【映画レビュー】

突如地上に降り立った、巨大な球体型宇宙船。 謎の知的生命体と意志の疎通をはかるために軍に雇われた言語学者のルイーズは、 "彼ら"が人類に<何>を伝えようとしているのかを探っていく。 その謎を知ったルイーズを待ち受ける、美しくそして残酷な切なさを秘めた人類へのラストメッセージとは―。 解った、だとか、解らないだとか大きく評価が割れる作品がある。 ...


◆overview◆

・原題:Blade Runner 2049  2017年公開
・上映時間:163分
・製作総指揮:リドリー・スコット
・監督:ドゥニ・ビルヌーヴ
代表作:『メッセージ/Arrival』『ボーダーライン』他
・脚本:ハンプトン・ファンチャー マイケル・グリーン
   

・メイン・キャスト
ライアン・ゴズリング
ハリソン・フォード
ロビン・ライト
ジャレッド・レト
アナ・デ・アルマス
シルビア・ホークス
カーラ・ジュリ
マッケンジー・デイビス
バーカッド・アブディ
デイブ・バウティスタ

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第7並行世界のユートピア

物語の海に溺れる中で、フレーズ、イメージを繋ぎ合わせて生まれた短いストーリー達を文月陽介が書き留めます。 特定のジャンル、モチーフにこだわらずに、ひとつひとつの物語を紡いでいます。 ※筆者の気まぐれにより不定期更新です。

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