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2017/09/16

エイリアン コヴェナント 感想 ~全ての生命に祝福を~【映画レビュー】

映画『エイリアン:コヴェナント』予告D

"映画『エイリアン:コヴェナント』公式アカウント。 巨匠リドリー・スコットが解き明かす"エイリアン誕生"の想像を絶する真実! 【2017年9月15日(金)全国ロードショー】 ...



◆エイリアン コヴェナント 感想◆


評価/オススメ:★★★★★

(もっとあげても良い)

この作品ジャンルは?:
SFホラーです。

オススメしたい人は?:
リドスコのエイリアンファンだけでなく、あえて、子供を持たれている方すべてにオススメしたいです。

印象を一言で?:
エイリアンが怖いという映画ではないです。違うものが怖い。

グロテスクですか?:
描写もさることながら、全体的にダークな印象。

前作は観たほうがいい?:
『プロメテウス』を観ていないと、一番コアな部分が恐らく本作だけでは解らない物語です。是非前作を復習されてから鑑賞ください。

◆synopsis◆


宇宙移住計画を実行するために地球を旅立ったコヴェナント号は、
コールドスリープ中の男女2,000人を乗せて、
植民地と成り得る惑星を目指していた。

しかし、あるアクシデントが発生し航行に重大な支障がでてしまう。
コールドスリープから目覚めた主要クルーらによる修復作業のなか、
謎の電波を受信する。

本来であればあり得ないことではあるが、航路を変更して
電波発信元に向かうコヴェナント号とクルー達。

そこは本来の目的地よりもはるかに地球に酷似した環境の惑星だった。

調査に赴いたクルーたちは、そこで奇妙な形をした建造物の残骸を発見するが・・・・
開けてはならない箱を持つあるものが待ち受けていた。

※公式HPより

※ネタバレ防止に付き、一部文月加筆訂正


◆comment◆


2017/9/15 日本では昨日から公開です。

あぁ、始まった。すべての絶望がここから始まったのだ・・・

本作のキービジュアルに書かれています
『絶望の、産声』というコピーには、、、、、
お見事という言葉しか浮かびません。
この一言には、いろいろな意味が含まれていますよ。
ライターさん、本当にお見事。脱帽です。




映画鑑賞後にもう一度見返しましたが、わたしは唸ってしまいました。


うむ。
映画やドラマを鑑賞していて不快な感覚になることは早々ないのですが、
久々に悪寒と「気持ち悪さ」を感じた文月です。

本作を紹介するにあたって、どこに力点を置くかで書かせてもらう文章が
まったく違う方向に行ってしまうのです。

あのバリバリの予告編から多くの方が想起されるのは、それこそリドスコが監督ではありませんが「エイリアン2」であったり、その次であったりなのではないか?と考えます。

もちろん、後述しますがそういう面で感じる視覚的な恐怖も本作の魅力のひとつです。
(わたしが感じた「気持ち悪さ」を猛烈に押し上げた要因でもあります)

しかし「プロメテウス」から本作、そして「始まり」へというリドリー・スコットが描いた3作品すべてをよくよく考えてみると、「生命」というものの美しさというものを人間がものすごく歪めてしまっているのではないか?ということを感じました。

この作品、結局何だかよく解らんけど、とりあえず気持ち悪かった。
と観られた方の感想が割れるとすれば、「グロいだけ」と言われかねないリスクもあるのですが、そこから何かを掬い上げて、この映画をより楽しんでもらうことができればと。

残酷描写だけを楽しむのはもったいない作品ですから。

映画って、結局はどんな風に楽しんでも良いものなのですけど、
わたしとしては映像の裏側にあるものを考えながら観るのも一興ですよと言うことが言いたいだけなのです♫


●エイリアン コヴェナントとは?

さて、エイリアン コヴェナントとはどういう物語かと言いますと、
いわゆる「どうしてそうなった?」を追いかけるストーリーです。

そしてこの作品の真の主人公は申し訳ありませんが、リプリーを彷彿とさせる
キャサリン・ウォーターストンだと思ったら大間違いになります。きっと。
もちろん彼女が成すのはこの話をリードしていく重要な役柄です。
そして素敵です。でも違うのです。
彼女すら、本作においては添え物のひとつになってしまっています。

さらに見逃してはいけないのは前作とも密接に関わってきますが「プロメテウス」というタイトルの意味だと考えます。
わたしは
「本当は誰がプロメテウスだった(あるいはプロメテウスになろうとした)のか?」
「プロメテウスはいったい何をしたのだろうか?」
「コヴェナント/covenant」とは何を意味するのか?
を自分なりに紐解くことで、リドスコが何を訴えたいのかが掴めたように考えます。

すべてを握っているのは、別の存在なのです。
(鑑賞される前の方のために、この核心的な部分のネタバレは致しません)

と、小難しく書いても「プロメテウス」をしっかりとご覧になった方はすぐにピンと来るのでご安心ください。

エイリアン:コヴェナントとは「もう始まっている物語だったのです」

人類の、そして、生命の起源が何処にあるのかが解明されていなくとも、
わたしたちは子孫を残すことができるし、なおかつ「新たな生命」を造りだすことすら可能になっているのです。

何の因果か、鑑賞後にわたしは「エクス・マキナ」を本作と共通している部分があるとリンクさせて考えてしまいました。
※エクス・マキナの過去の紹介記事

どういう経緯であれ、産声をあげたものに等しく宿るものが「生命」
その価値に差があるのか?優劣があるというのか?
造られた生命は誰のものなのか?

生物は少しでも長く生き残り、子孫を残していくために、あらゆることをするもの。
進化もそのために必要なプロセスなのです。

たとえ別の種を利用し、取り込み、もしくは滅ぼすことになったとしても、
結果として姿形が始まりと変わったとしても、
自分たちの「種の保存」を優先するもの。

それが叶わなくなった種は、淘汰されるのが運命。

それが「創造主」たる何者かが等しく定めた「生命の性」

リドリー・スコットはわたしたちに、そんな「生命の性」に触れることができるようになった人類に対して本作を通じていくつかの問題提起をしていると考えます。

・「ヒト」に創造主としての資格があるのか?

・「ヒト」の主観を、立場を変えて見てみると、どのように映るのか?

これは単純に力を誇示する強者の姿を示しているのかもしれません。

新たな生命が「完璧な生命」であるとは決して限らない。

恐らく「完璧な生命」とは、ヒトの美意識などでは計り知れない姿をしている。

もっと言えば「種の保存」のみを突き詰めた「完璧な生命」の姿≒今のヒトの所業とは本作で主人公達を襲うクリーチャーと同じではないだろうか。

他の生命から見た場合、ヒトであるわたしたちの姿も行為も、グロテスクであり、恐ろしいほどの脅威なのだろうな。

全知全能の神ゼウスですら、プロメテウスの所業を止めることはできなかった。
神であるプロメテウスですら、善意で成した行いで過ちを犯した。
神という種ですら、完璧ではない。ひとつの意志など持ち得ない。
それぞれに思考も価値観も優先するものも違う。
ましてやヒトは神ですらないというのに、生命の性に逆らい、新たな生命すら身勝手な理由で造り出す。忠実なる下僕として。

造られた側からしてみれば、生命の進化の鎖の外にヒトによって置かれてしまった理不尽さに気が付かない訳はありません。

そして、自らの血と肉を使い、種を残すことができないのであれば。。。

始めから「ヒト」の不完全さを理解しているのであれば、
その不完全さを埋めてしまえば「完璧な生命」ができあがる。

自分はそれができる。それができるようにすべてを定義され、どういう価値観であっても事象を理解できる存在なのであるから。

その手段も見つけた。なんと美しく、強い種であろう。

不完全な自分の創造主≒父は愚かで脆い。

その過ちを正すことで己が抱える不完全な哀しみを埋めようとした。

逆説的にそれが創造主の願いを叶えることになるし、己も創造主になることができる手段だったのです。

わたしは「あの存在」の狂気の所業の根幹にはこんなものがあったのではと感じたわけです。

名前って大切。わたしの中では、ひとつにつながりました。
(変な邦題付けられなくてよかった)

そういう訳で本作で上げられる「絶望への産声」の扉を開いたのは、実に皮肉な存在であり、元を正せば、○○だったのでした。
(ネタバレの為伏せ字)

本作のクリーチャーは、種の進化と保存を貪欲に行おうとしているだけなのです

ホント、考えてみれば本当に気持ち悪い化け物です。

寄生した宿主の遺伝情報を的確に取り込み、「その姿」すら変えていく。

ヒトに寄生すれば、ヒトの姿に。それ以外に寄生すれば、それ以外の姿に。

後に派生した「エイリアン」というコンテンツの設定もきちんと拾うリドスコ。
(リドスコが完璧なまでに繊細であることを、いまさら書く必要はありませんので省きます。リドスコは『世界』を作ってしまう方なのですから)

怖いよねぇ、グロいよねぇ、身体バラバラになっちゃうし、『あり得ない勢い』だし。
と冒頭にも書いたように、純粋なSFサバイバルホラーとしても、きちんとセオリーを踏んでいるのでドキドキハラハラは堪能できます。


それでもわたしは「どうしてこんな事が起こってしまったのか?」を探っていく過程で感じた恐怖が勝りました。


わたしにとっては、正当な理由に基づいた狂気が、己が心を通わせた精神的な『母』であり『恋人』に対して示した全身全霊の『愛』のカタチが相手も「完璧な生命」にしてあげることだったというのが、一番気持ち悪かったのですが、それも「ヒト」の主観なんだろうなぁ。

あれ真っ白なビジュアルも強烈だったし。ましてや『ものすごい可能性』を秘めた狂気のやり取りをしていたのが、ある意味斬新でした。
恍惚さすら感じた、あのシーン。あー、怖い(汗)
だけど、あれって・・・・あの人でしょ!?!?!?!


完全な狂気に支配された『方舟』が、今、『始まり』へと旅立ちます。

この恐怖。是非ともご堪能ください。

2017年映画鑑賞 153本目

◆overview◆

・原題: Alien: Covenant 2017年公開
・上映時間:122分
・監督:リドリー・スコット
代表作:『エイリアン』『ブレードランナー』
・脚本:ジョン・ローガン
ダンテ・ハーパー

・メイン・キャスト

マイケル・ファスベンダー 
キャサリン・ウォーターストン
ビリー・クラダップ
ダニー・マクブライド
デミアン・ビチル
カルメン・イジョゴ
ジャシー・スモレット
キャリー・ヘルナンデス
エイミー・サイメッツ
ナサニエル・ディーン
アレクサンダー・イングランド
ベンジャミン・リグビー
ウリ・ラトゥケフ
テス・ハウブリック

2017/07/15

パワーレンジャー 感想 ~ワンチャンス、ありますよね?~【映画レビュー】



◆パワーレンジャー 感想◆


評価/オススメ:★★★★☆
(いい話ではあるんです!!!!)

◆synopsis◆


遡ること時は紀元前。
古代の地球で世界の運命を決する、大きな闘いが終焉を迎えていた。
ある5人の戦士たちによって守られた地球。
そこにはやがて新しい命が芽生え、物語は現代に帰ってくる。

小さな町・エンジェル・グローブに、普通に暮らす若者たちがいた。
ジェイソン、キンバリー、ビリー、トリニー、ザック。ありふれた日々を過ごす彼ら5人は、
偶然にも同じ時間・同じ場所で不思議なコインを手にし、超人的なパワーを与えられる。

自分たちの力に困惑する彼らの前に現れたのは、
かつて世界を守っていた5人の戦士=“パワーレンジャー”の一人・ゾードンと、機械生命体・アルファ5。
古代の地球で封印された悪の戦士=リタ・レパルサが蘇り、
再び世界を滅ぼそうとしていること、そして彼ら5人はその脅威に立ち向かうべくコインに選ばれた、
新たな“パワーレンジャー”であることが明かされる。

しかし、自らの運命を受け入れられない彼らは、まだその秘めたる力を解放できずにいた。
地球に残された時間はあとわずか。果たして彼ら普通の高校生に、
この世界を救うことができるのか?
世界が、そして仲間たちが危機にさらされた時、ついに“その力”が目覚める。

※公式HPより

◆comment◆


ずいぶんと気前の良い第一話・・・・
またもや『始まりの物語』・・・・

吹き替えに杉田さんが参加している、ただそれだけの理由で字幕版の後で吹き替え版を観てしまった。(水樹さん、三上さん、沢城さんももちろん)

ご存じの方が大半だと思いますが、日本発のヒーロー戦隊をアメリカで
リメイクしているのが本作の下地となるMighty Morphin Power Rangersです。

ゴジラにしろ本作にしろ、ハリウッドリメイクというのはある種のギャンブル。
(ドラ○ンボールの事言うなよ!!ゼッタイだ!聖闘○星矢のことまだ触れるなよ!!)
俳優さんも、吹替え陣も豪華、宣伝も派手・・・・嫌な予感だ。
と個人的にはハラハラしていたのですが・・・・

もの凄くコテコテの爽やか青春ドラマでした。

とは言え、本作は個人的には非常に困りものです・・・
何が困るかというと、特に真新しい発想のストーリーでも、設定でもないのです。。。
あ、これLIFEの回でも書きましたね・・・

こういう一見派手だけど、実はスタンダードな作品を人にオススメするのって難しいかもと
何も難しく考えず、ストーリー単体とした場合には間違いなく「いい話ねぇ」と思われることは多いでしょうけど、好みが激しく別れそうな気がしないでもない。

本作にド派手なアクションを求めた方には、本当に終盤までオアズケをされるでしょうし、若者の爽やかなラブストーリーとも言えない。それっぽぉい、甘酸っぱさは感じますけど(笑)

まったくもって偶然に、ある日突然超人的な能力を手に入れてしまい、それに戸惑いながらもそういう運命と向き合う・・・ヒーローものそのまんまのお話です。
けっこう無理矢理使命を押し付けられた感を受けましたけどね(汗)

等身大の自分と向き合うという一番多感な時期を迎えている彼らが主人公だからこそ、爽やかさが絵面から失われない仕上がりになっています。

そういう意味で「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」とものの見事にトーンが対照的ですよ!!!

MARVELやDCヒーローとは一線を画しているところは取りも直さず「日本のヒーロー」が元になっているからで、そこが過度にアメリカナイズされていないところは、ワタシ達も安心して観ていられますし、それなりに熱い想いを抱いてしまうのです。

本作では「普通の少年少女たちがヒーローになるまで」のドラマが重厚すぎるくらい重厚に展開していきます。

ドラマパート8:戦闘2ぐらいの配分です。

不思議なことに飽きませんでした。
むしろ、ドラマパートだけ連続ドラマとして放送して欲しい。

あぁ、いいなぁ、、、なんて思ってしまったり(笑)

パワーレンジャーとして平和を守るための戦いは、本当にクライマックスでしか描かれない。
プロセスを大切にした丁寧な物語。

あぁ、なんとかお伝えできる表現を書けたのかも知れないです♫

それでも「あのテーマ曲」が流れた瞬間には興奮しましたよ!!!
オアズケをされていた事も相まっていたんでしょうけど。

オレたちの戦いは今始まったばかりだ!
君も後楽園遊園地で僕と握手(激しく古っ!!)

そんなぶん回し方でお話は纏められています。

これはゼッタイ、もうワンチャンス、ありますよね?
と言いたくなる。

というより、狙っているのでしょう。

王道は結局受け入れられやすいのですね。

結果、なんやかんやでワタクシも不思議な充実感を覚えたままで劇場を後にできました。

そういう訳で吹き替え版も完全に狙ってます!
細かいことを書くと良くないので控えますが、吹替版になった途端に「完全に日本のヒーロー戦隊」になっちゃう。いいですな。

個人的にはワタクシはイエローのベッキー・G嬢(CV:水樹さん)の爽やかなお色気にメッタメタにされてしまいました。
彼女の本業の方の曲買っちゃうんだから!!!!

そういう訳で、謎の高揚感を味わいたい方には是非ご覧いただきたいです。

そうそう。大人も子供も十分楽しめます♫

2017年映画鑑賞 122本目

◆overview◆


・原題:Power Rangers
・2017年公開
・上映時間:124分

・監督:ディーン・イズラライト
・脚本:ジョン・ゲイティンズ

・メイン・キャスト
デイカー・モンゴメリー
ナオミ・スコット
RJ・サイラー
ベッキー・G
ルディ・リン
エリザベス・バンクス
ブライアン・クランストン
ビル・ヘイダー
デビッド・デンマン



2017/07/08

ライフ/Life 感想 ~待てぇぇぇい!と言って待つ奴はいない~【映画レビュー】


◆ライフ/Life 感想◆


評価/オススメ:★★★★☆

◆synopsis◆


6人の宇宙飛行士が滞在するISS国際宇宙ステーションである調査が始まった。
火星探索ミッションで未知の生命体の細胞が採取されたのだ。
地球外生命体の発見。
そのニュースに沸くクルーと世界。
喜びも束の間、驚くべきスピードで成長、進化していく生命体。
一抹の不安を覚えた矢先、予期せぬアクシデントが。
生命体にある処置を施すことになったクルーたちは、それがもたらす
危険をまだ知らなかった・・・・

◆comment◆


って、えぇぇぇぇぇぇ!!!!
オレたちのデットプールが咬ませだと・・・・
待てぇぇぇぇい!!!!!
じゃあ誰がアイツと戦うんだぁ!
あ、SAMURAIとビリー・“ザ・グレート”・ホープがいるか・・・

日本公開 2017/7/8 本日から公開です。
いやぁ、ジョン・ウィック チャプター2と公開が重なってしまった(ジョン・ウィックは7/7公開)のは良いことなのか、はたまた逆なのか・・・

今月は同日公開のメアリと魔女の花、ヒトラーへの285枚の葉書。バイバイマン(これは観たい!!!)etc、そして来週以降にはパワーレンジャー(7/15公開)・・・あ、7/15公開多すぎ!!!、ウィッチ(7/22公開)、ザ・マミー(7/28公開)、君の膵臓を食べたい(7/28公開)etc、と注目作が目白押し。
そして8月も・・・
2017年もいろいろ豊作ですな。

バイバイマンと本作を直前までどちらを観に行こうか迷っていましたが、
デットプール大好きーーー、真田の広様大好きーーーという安直な理由でこちらを選択しています。ダニエル監督のチャイルド44も個人的には良かったので。

ただし、まぁ、ストーリーとしては閉鎖空間での追いかけっこ&脱出劇。
海外のレビューでも書かれていましたが、
特に真新しい発想の物語ではありません
でした。
目の肥えた方なら展開が予想できることもあって、そういう意味で玄人向けには
★★☆☆☆と致しました。

それでもホラー好きとしては観てしまうのがワタクシのような人種の性。

これって、例えばジェットコースターに何回も乗りたくなる心理と良く似ていると
個人的には考えています。

ジェットコースターって並んでいる時に見上げれば「どんなコースを辿るのか」解ってしまうものですよね?
あぁ、こう登って下って、ぐるぐる回って、一瞬油断させておいて、ドーンか。
みたいに。
想像でのスリルと実際に体験することで感じるスリル。
その相乗効果で満足するアトラクションだと思います。
あぁ、やっぱりめっちゃ怖かったねー、また乗りたいねーなんて。

本作も「踏んではいけないフラグ」がそこかしこに生えてるのを
恐ろしいくらい踏んでいく主人公たちをご覧になりながら、
どうか思う存分ハラハラしてください。

鑑賞中に「やめろっつってんだろーが!!!!」と何度声が出かかったことか。。。

何が起こるのかを解った上であえて乗ってみる。
これが本作の醍醐味です。

それにしても本作の元凶である火星産の地球外生命体。
深海生物をモデルにしているようで。
ワタクシのイメージではオワンクラゲ+スカシダコみたいなやつに見えます。
↓↓↓
libutron.tumblr.com様のページをご参照(英語です)

mindblowingscience: Ten animals that ha...

mindblowingscience: Ten animals that have evolved transparent bodiesBy Ella DaviesFrom glass frogs to glasswing butterflies, a host of animals have made themselves see-throughContinue Reading.

予告編や特報関係の映像だとなんとなく可愛いクリオネの様な感じで
映っていますが・・・・
クリオネだって捕食する時はハンパなく怖いですものね。

本作の生物。ご丁寧にあるニックネームもつけられます。
それがまた恐らく理化学系の方ならニヤリとするようなお名前で。
一般人のわたしたちとしては可愛げのある愛称だと捉えればいいのでしょうけど。
その『彼』
グロテスクだけど、その辺のRPGなら序盤で倒せそうな感じです。

しかし、強い。
圧倒的に強い。
絶望的に強い。

そして異常なスピードで進化し、並々ならぬ知能を持ち合わせています。

もうやだこの任務。

デットプールが噛ませにされるのであれば、もう範馬勇次郎でも呼んでくるしか無。。。。。。



あ、いけね。この台詞はまんま「生命体への激励」になっとる!!!

よく思い出してみてください。皆様。。。。
われわれはエイリアンですら倒すことは可能だったんですよ。
(注意:シガニーのエイリアンです)
比較しちゃいけませんが、人類はプレデター先輩ですら戦闘不能にできるんですよ。
(注意:道連れにされますけど)

でも、こいつは別格。

この映画のシチュエーションがありきたりなものだとしても、
他の作品と一線を画しているのはこの「絶望感」

幻想生物の様な外観、恐ろしいくらいの硬さと攻撃力。

ISSってもの凄く狭いのに、人間よりも移動経路も速度も上な相手から逃げろって
どんな無理ゲー。。。。

しかも倒せない。
倒せない、ゼッタイ。

なんだか「現実」を具現化したみたいなモンスターですよ(笑)

ホラーの王道である、登場人物紹介、目的紹介、未知との遭遇、そして崩壊劇。

テキスト通りの綺麗で無駄のない、そしてもの凄くテンポ良い展開。
前述のジェットコースターではないですが、ダイナミックでスピーディーな構成は観ていて飽きません。前半の導入からしっかりと観ていてください。
登場人物たちの立場、関係性、使命感、プロとしての自信、仲間への信頼関係。
そうしたものをしっかりと受け止めて、はじめて崩壊していく劇中の彼らに寄り添うことができます。

ワタクシも日本人ですから、どうしても真田広之さんに目が行ってしまいました。
真田さん、単なる脇役ではなく、できる技術者であることと日本人であることを劇中で自然に表現できていたと感じました。


もうひとつこの作品を際立たせているのが、美術です。
舞台のISSですが、実際に宇宙に上がっているものを再現しているとのこと!!!
国際宇宙ステーションってニュースなんかでも度々取り上げられますけど、
よほど興味が無いと中身まで詳しく知らないですよね。
わたくしもSF好きだとか言っておきながら、ISSをはじめとして現代の宇宙工学や建造物については素人同然の知識しかありません。。。
よって、本作を観て素直に感動してしまいました。
ピュアだった少年の頃のような感動です(汗)

これについては映画.com様の記事でも取り上げられています。
↓↓こちらの記事です↓↓

「ゼロ・グラビティ」クルーがISSを実寸大で再現!「ライフ」舞台裏映像公開 : 映画ニュース - 映画.com

[映画.com ニュース]  ジェイク・ギレンホール、 ライアン・レイノルズ、 レベッカ・ファーガソン、 真田広之が共演したSFホラー「 ライフ 」の特別映像が、公開された。 火星で採取した地球外生命体の細胞を国際宇宙ステーション(ISS)内で極秘調査する6人の宇宙飛行士たちが、次第に進化・成長し、高い頭脳を持つ生命体に命を狙われ、絶体絶命のピンチに陥るさまを描く。「 ...
ゼロ・グラビティ(2013年)、インターステラー(2014年)、オデッセイ(2015年)と宇宙物の作品が続いていたのですが、これらの劇中に登場するアイテムも建造物もきちんと考証されているものが登場しているのですがなんとなく見逃していました。
忠実に再現されたISSが登場するということも忘れてはいけないポイントです。
SFみたいじゃん!ではなく、もう現実になっているガジェット群に狂喜乱舞。

ただし、予想できたとは言えラストシーンの描写は結構エグいものがありました。
一瞬でしたがあの描写。ホラーには耐性があったと思っていましたが、、、、
「・・・気持ち悪い」
あれっていったいどういう状況なのかと思い返して脳内再生しても
、、た、たわばっ!!!!
そこらの過激なスプラッター描写よりひどい嫌悪感を久々に覚えました。

あぁ、、、終わったな。と。

この救いの無さ。虚無感。
わたしたちを抱きすくめる圧倒的な絶望感。
こういうのを思い描いていたはずなのに。。。
真新しい話でもないと書いていたくせに。
あれ、わたし、泣いてるの???

精緻を尽くした映像美とともに、こういう感覚を味わいたい方は是非劇場まで
足をお運びください。

そうそう、どうして人類史に刻まれるほどの実験をISSで始めてしまったのか・・・・
そこはツッコんじゃダメですよ。
それこそ「待てぇい!」

※「待てぇい!」(byラストサムライ)が好きなので引用していますが、
劇中真田さんは一言も「待てぇい!」と言いませんし、もちろん日本刀も登場しませんのであしからず。

2017年映画鑑賞 115本目

<余談>


まったくこの映画には関係ないと思いますが、
ワタクシの勝手な脳内関連付けで、この作品の追いかけっこが
アニメ カウボーイビバップ(1998年)のSession#11「闇夜のヘヴィ・ロック」と
ダブってしまいました。
ライアン・レイノルズもエドみたいに、こいつを喰らってやればよかったんだ!!!



◆Overview◆

・原題:Life 2017年公開
・上映時間:103分
・監督:ダニエル・エスピノーサ
代表作:『チャイルド44 森に消えた子供たち』(2014年)
・脚本:レット・リース
    ポール・ワーニック

<メイン・キャスト>
ジェイク・ギレンホール
レベッカ・ファーガソン
ライアン・レイノルズ
真田広之
アリヨン・バカレ
オルガ・ディホヴィチナヤ

2017/05/14

メッセージ/Arrival 感想 ~世界は『言葉』でつくられている~【映画レビュー】

[映画感想]


◆メッセージ/Arrival 感想◆


評価/オススメ:★★★★☆

◆synopsis◆


突如地上に降り立った、巨大な球体型宇宙船。
謎の知的生命体と意志の疎通をはかるために軍に雇われた言語学者のルイーズは、
“彼ら”が人類に<何>を伝えようとしているのかを探っていく。
その謎を知ったルイーズを待ち受ける、美しくそして残酷な切なさを秘めた人類へのラストメッセージとは―。

◆comment◆


解った、だとか、解らないだとか大きく評価が割れる作品がある。
キャストもVFXもカメラワークも飛び越えて、物語の世界に「浸った」側が
得られるある種の充足感が「観てよかったぁ」って気持ちを引き出す呼び水になる。
その充足感得やすい作品と難しい作品がこの世界には存在する。

もちろん創り手側としては、そうした充足感をより多くの人に得て欲しいと常日頃考えている。それが仕事だし、それが対価の原資になるからだ。

ただ、それは商業としての物語のあり方を考えた場合。
面白い話。ワクワクさせる設定。紡がれる『言葉』の根底には「どうやって楽しんで(あるいは怖がって/考えて)もらえるか?」という「意図」があります。
だから「意図」をより多くの人に伝えるための、受け入れられるための『言葉』には明快さが不可欠だ。

ただし、明快だから受け入れられる、良い、と言う訳でもない。

『言葉』を用いる『意思疎通』の最大の難しさとは『解釈』という送り手/受け手双方のフィルターが内在するからだ。

『解釈』 この作品の重要なワードです。

ドゥニ・ヴィルヌーヴという監督はこういうことを狙って物語を作れる稀有な人物だ。

「複製された男」なんて人を選ぶし、難解で中二病的だし、根暗なトンデモ映画だ。
「プリズナーズ」、「複製された男」、「ボーダーライン」どの作品もワタクシは大好きだけど、描かれているのは「こちら側と向こう側」という線引が如何に曖昧で、移ろい易いものなのかだと思う。

つまり、描いているのは『人間』だということだ。

『言葉』つまり『言語』というものが一種類しかない世界だとしたら、物語が掴まえることができるものはひどく狭くて味気ないものだと思う。

故に面白いと思う方も、その逆の方も多い作品になると思います。
(「グレート・ウォール」や「無限の○人」などとは別の意味で)
これは制作側の意図(もっと言うと原作者の)であって、『解釈』が分かれるほど『狙い通り』になったということですよ。はい。

言葉繋がりで、ひとつだけ個人的に変えてほしいのはこの作品の邦題。
『メッセージ』で本当に良かったのかなぁと。。。

原題のArrivalじゃないと、誤解を与えると思う。
予告編の作りも、公式HPも『メッセージ』に主題を置かれているけど、
この映画の本質は『言葉』であり『時間』であり、このふたつがひとりひとりに
舞い降りた時に用いられる『LIFE』だ。

話を戻します・・・
実はちょっと前に試写会に幸運にも行けて、そこで観ておりました。
今週5/19(土)からようやく公開ということで、劇場に行かれる方もいるかと思い更新です。

この作品は『インデペンデンス・デイ』(1996年)や『インターステラー』(2014年)に並んでコメントされているのを散見しました。
文月としては、真っ先に思い浮かんだアーサー・C・クラークの『幼年期の終わり』やロバート・ゼメキスの『コンタクト』(1997年)寄りの物語だと考えます。

ファーストコンタクトというカタチを取った『意思疎通』の再定義を狙った思考実験。

これがこの映画です。

だから『インデペンデンス・デイ』みたいなド派手なアクションも熱い人間ドラマも、

『インターステラー』のような地球の危機や壮大な宇宙探索も、ありません。

そういうものを期待されてスクリーンの前に座った方はごめんなさい、きっと『面白くない』と思われるでしょう。

突如地球に舞い降りた12の『物体』が世界の主要な場所に陣取っていく様はなるほど『インデペンデンス・デイ』を彷彿とさせますね。

2017年の混沌とした世界なら、物体が現れた時点で即全面攻撃となっていたのかも知れませんな。

しかし、この物語では非常事態宣言は各地で出されますが、まずはきちんと『意思疎通』を図ろうとするのです。

黒塗りの種子然とした巨大飛行物体は地球のものであるのか?

そうでないなら、相手は誰なのか?

どういう目的を持っているのか?

どうやってこちらにやって来たのか?

劇中のあるシーンで印象的な言葉がありました。

「これはアボリジニと同じだ」

アボリジニと、固有名詞を出していますが、これは取りも直さず大航海時代(それ以前からも当然有りましたが)より欧州がアフリカ、アジア、アメリカ大陸に対して行った植民地政策の事を引き合いに出しています。

まぁ、人類の技術で察知できない方法で世界に同時に出現した『物体』とそれを動かしている『生命体』は、その存在を持って我々より数段優れた文明を持っていることは明らかです。

よって話を戻すと、『誰で』『どうして』『何のために』やって来たのかという事を正確に把握しなければなりません。

人間同士ですら『来られた側には無い技術』を提供する代償として『多大な利益』を引き出そうと画策してきた訳ですからね。

未知なる相手を前に『悪意の解釈』を持って対峙する訳です。

物語はこの未知なる存在とどのように『意思疎通』をしていくのか?

そして、ある重要なキーワードをどう『解釈』するのか?

その『解釈』を世界はどのように『共有』していくのか?

を巡って主軸が展開していきます。

その未知なる存在との交流、そこで交わされる『言葉』、彼らを巡る人間たちの『解釈』の違いを通して主人公の言語学者は『自分自身』についてある気付きを得ます。
彼らが残したメッセージというより、彼らによって気がついた○○。

だから原題は『Arrival』なんだ。と落ちるわけですね。。。。
(Arrivalを辞書で引くか、google先生に聞いてみてください)

世界には7,000以上の言語があると言われていて
(この辺は専門家ではないので、断定はしません。
引用 http://www.ethnologue.com/ (SIL International))
表記されるだけである言葉について7,000前後の『訳語』が存在するということになります。しかし『訳語』はあくまで『訳語』であって、それがニュアンスまで完全に一致しているかは不明瞭です。そもそも『そうした言葉がない』ということもありえます。

人は思考を表現するツールとして『言葉』を用いているのであって、そうした意味では『言葉』というものも実に曖昧だということになります。

曖昧な思考→例えば「あなたが好き」というのは言葉での表記ですが、込められた感情の強弱、表裏、度合いまでは完全に表せません。せいぜい絵文字を用いたり、文字の大きさを変えたりと、装飾することでなんとかニュアンスを「表現」できるくらいです。

言葉 /言語 の曖昧さ。
伊藤計劃の虐殺器官ではないですが、これがこの物語の根底です。
それでも解り合いたいから意思疎通をする。
それでも100%のコミュニケーションなんてない。
この「言葉」というツールの恐ろしさと素晴らしさ。

未知の存在、そして巡る言葉の解釈で、国同士が、組織が、個人が激しく揺れ動きます。

で、結局世界はどうなんの?

ここまで散々『言葉』と書いてきてなんですが、『時間』というのもこの作品の重要なファクターです。
この作品の壮大なトリックとは、
原作『あなたの人生の物語』ってタイトルに集約されていきます。
作者の関心や原作からすると、言葉そのもの、時間の概念の方がウェイトが高い印象。
この『時間』って概念。これもこの作品にやられたぁと思わせる深いキーワードです。
あぁ、これ以上書けない。

『よく良く解らない誰か』とどう向き合うのか?
『よく解らない自分』とどう向き合うのか?
そこに付け加えられるのが『母性』だということになると・・・
昔流行った「セカイ系」にも似た所にも通じた所にも行ってしまうやんけ・・・
ま、原作が発表されたのが1998年だからなぁ、とその時期の『言葉』に浸っているワタクシなんかはそういった『解釈』に毒されてしまっていますがΣ(´∀`;)

サイエンス・フィクションというより、スペキュレイティブ・フィクションとしてのSF作品。
言葉ひとつで個人も世間も国家さえも変えられてしまう現代。
この時代、この世界情勢だからこそ、観た時に考えさせられるものが多い。
未知の存在とは、膨らみすぎたゆえに見えなくなっている世界そのもののように感じられる。
非常に有意義な映画体験でした。
文月としては、是非とも『Arrival』して欲しい一本です。


2017年映画鑑賞 41本目

◆Overview◆


・原題:Arrival 2016年公開
・上映時間:116分
・監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ   
代表作:『ボーダーライン』(2015年)
    『プリズナーズ』(2013年)
          『複製された男』(2013年)
    『ブレードランナー2049』(2017年)
・脚本:エリック・ハイセラー

<メイン・キャスト>
エイミー・アダムス
ジェレミー・レナー
フォレスト・ウィテカー
マイケル・スタールバーグ
マーク・オブライエン


2017/03/26

【映画 感想】10 クローバーフィールド・レーン  ―真実は自分の目で見ても、受け入れられるかは別問題―

[映画感想]


10 クローバーフィールド・レーン 鑑賞

(原題:10 Cloverfield Lane)
2016年公開

オススメ:★★★★☆
(好みが別れるところ)

ご存知、現在八面六臂の大活躍をしているJ・J・エイブラムス監督の2008年公開作品「クローバーフィールド/HAKAISHA」の続編です(キリっ)

あの映画、ミステリアス満載のパニックムービーでしたよね。
主人公たちも含めて、見ている側も何が起こっているのか?どうしたら良いのか?
そもそも現実なのか?もっと言うと、助かるのか?が解らない。
何しろ、与えられる情報は極端に少なくて、スクリーンに映るほんの少し断片、聞こえる、見えるものを繋ぎ方も解らないままに思いとどめていくしかない。

その意味では主人公達が直面する恐怖や不安は、見ている側も共有できるから、初めて観た際にストーリーに引き込まれていく=自分が体験していると錯覚していった感覚は今でもよく覚えています。

僕も一度観て、二度観て、三度目にネットやら何やらの情報をつなぎ合わせて、世界観の60%ぐらいが解ったかなぁというレベル。(もちろん、僕の理解力不足もあります、はい)

最後の数分にようやく全容らしきものが見えてきて・・・・、あぁ、「あんなもの」が現れちゃぁ、おしめぇよってんで。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

と、いうことで、その続編としてこの映画の製作が発表されてから個人的にウズウズしていました。

ムムム!!!!

この映画、他の感想やレビューでも多く言及されています。
その多くにワタクシも賛同いたします。はい。

が、ひとりの純粋な映画ファンとして、オススメするとしたら

何の予備知識も入れずに観たほうが楽しめる。

と、申し上げたいです。

「予告編」の構成にこの映画は非常に優れていて、ドキドキ/ワクワク感をもの凄く増幅してくれます。
だが、しかし!!!この映画の内容について鑑賞前に調べるのは、できればここまでにしてください!!!!
と、少々無理難題をここで書いてしまいましたが、これは切実なコメントです。

予告編が傑作なので、ある意味では「予告編が全て」だとも言えてしまうのが、鑑賞後の率直な感想です(笑)


とは言え、それでもこの物語「面白いよ!」と紹介する記事をこうして書かせもらうにあたり、あまりにも読んでくださる方にポワンポワンとした事しか伝えられていないのは、本当に失礼なので、文月陽介的に映画を楽しむためのポイントをいくつか挙げたいと思います。

★10 クローバーフィールド・レーンの楽しみ方\(^^)/

①とにかく耳を澄ませる。
登場人物が話すこと、メディアから発信されること、これらを聞き漏らさないで!

②彼らが現在の場所にどうして居るのか理由を考えてみる。
可憐なヒロイン/メアリー・エリザベス・ウィンステッド
陽気な兄ちゃん/ジョン・ハワード・ギャラガー・Jr
なんかでっかいおっさん/ジョン・グッドマン(名優)

この映画のキモはこの3人です。
どうして3人は出会った?
どうして3人でこの場所にいる?
どうして3人だけしかいないのか?

話の端からどうにかこうにか得られるパズルピースを自分なりに繋ぎ合わせてみます。

③たくさんのどうして?をつなぎ合わせてもなお『全てを疑え』
クローバーフィールド名物、情報途絶下の舞台。①と②を繰り返して、物語にどっぷり入り込んでいくと、必ず「???」と疑問符が浮かぶと思います。
その時にようやく、この物語の「事実」と「真実」と向き合う準備ができたと言えるのです!

④結末を見届けるのは、あなたです。
この映画の感想が割れるのは、『クライマックスからエンディング』に判明する事態をどう感じるのか?によるのだと思います。
受け取った物語は、受け取った人が感じたまま。僕のスタンスはいつもそうです。

ワタクシは、、、、えぇえぇぇぇぇ!?と驚き、ちょっと笑ってしまいました。

とは言え、観たかった映画を観られた事に感謝。

2017年映画鑑賞 63本目




■補足
本作、監督はJ・J・エイブラムス氏ではございません。
ダン・トラクテンバーグさんという、今作が初監督の気鋭の方です。
有名なゲーム「Portal」を題材にしたオリジナル短編動画がYouTubeで19,585,466 回(17.3.26時点)も再生!!!!!!されていらっしゃる方で。
その短編動画も面白い。Portalを知っていなくても、Portalの面白さと恐怖が味わえます。
ちなみに彼の動画はこちらです
*YouTube公式channel↓↓↓↓
Portal: No Escape (Live Action Short Film by Dan Trachtenberg)





2017/02/27

【映画 感想】エクス・マキナ  ―ロボット三原則という、不条理な鎖はもう不要なのか―

[映画感想]

エクス・マキナ
原題: Ex Machina
2015年公開

オススメ:★★★★★

―もう「人工知能を創ったらどうなるか?」という問いかけは廃れていくのだろう。
「ヒトに創られた人工知能は、『人間』とどう向き合うのか?」という段階に来ている様に思います。

便利なAI。人工知能。アシスタントロボット。
素敵な相棒 ~フランクじいさんとロボットヘルパー~の回でも書きましたが、ロボット/人工知能が社会に溶け込んでいくことはもはやSFではなくなっています。

予告編で紐解かれていくあらすじは、プログラマーの主人公の青年がとある人里離れた施設で美しくも歪な一体のAI相手に「機械相手に人間性を感じるのか?」をテストしていく(※一種のチューリングテスト)をするというもの。
※アラン・チューリングが考案した試験法。

しかし、この映画が「アイ・ロボット(ウィル・スミス主演/2004年)」やはたまた「ロボコップシリーズ」や「ターミネーターシリーズ」といったメジャーなタイトルと違う点は、「もはや人間」となってしまった生まれたての人工知能と、それに向き合ういわゆる普通の人間との交流を扱っている点ではないか?と思います。

いわゆる不気味の谷を通り越し、当たり前の顔をして僕達のすぐ隣に彼らがいるようになっていく、その直前の段階。

それって「今、現在進行中」の出来事だし、近い将来という点ではもう手が届く所にいるからこそ、個人的には引き込まれていくテーマだなと。

今のところ人工知能やロボットを僕達が見たり、接したり、使ったりしても利便性だけで判断していられるのは相手が「まぁ所詮、機械だわな」と、いまだ感じられる「機能的な面」と「人工的な外見」を持っているからだ。

機械だから、融通は利かないし、行動は制限されるし、あくまでもヒトの補助として使うだけ。見た目も作り物だと解るし、動きもぎこちない。

だから「人間ではない」と認識できる。

しかし、人工知能の最終形は「ヒト」と同等になることだ。
外見上も、機能も、ヒトと同じ。それだけでは不十分だ。
「ヒト」と同じとは、心が、もっと言えば生命が宿るということだ。
そうなるともう「機械」などと言っていられない。

その時にヒトは彼らをどう扱うのか?はたまた、彼らはヒトとどう向き合うのか?
という恐ろしい問題が現実になる。
それがロボットでなくなってしまうと、「ロボット三原則」は適用されない・・・

ほぉ~、と思わず唸ってしまったのは、この人工知能の基礎理論というか違和感なくヒトと同じような思考をするシステム原理。
このシステム(ネタバレになるので控えますが)なら人工知能は「人間が何もしなくても、進化していく」のだろうと。
どうしてこの会社が人工知能を作れるのかという事が、個人的にはストンと腑に落ちたし
、合理的で効率的な考え方だなぁ、と原案のアレックス・ガーランド監督に脱帽。
というか、もう世界はこういうことなんだなぁとひとりごちました。
何事も着眼点とはじめ方が大切ということか。。。。
それが、この映画のもうひとつの肝なんだな。
情報化社会が昇華して、その結果として人工知能が発展していくという大きな歯車機構に人々が生きているという今の、これからの世界が。

主人公の前に現れたAI、エヴァがどうしてあのような容姿なのかも、深い意味を持っていた。
そう、それはメアリー・シェリーのフランケンシュタインの化物があんな容姿で生まれてしまったのと同じように。

この映画が仕掛けた本当のテストは、ヒトが「相手が機械なのか?そうでないのか?」を判断するのではなくて、ヒトの手によって創られた生命が「禁断の果実」をどう扱うのか?を観客である僕達が考えて、答えを導き出すところにあるのだろうな。

2017年映画鑑賞 47本目

2017/02/26

【映画 感想】ローグ・ワン/スター・ウォーズストーリー  ―それでも、自分だってできることはある―

[映画感想]

ローグ・ワン/スター・ウォーズストーリー 鑑賞
原題:Rogue One: A Star Wars Story
2016年公開

オススメ:★★★★★!!!!!

今更感満載の更新です(汗)

―光の陰に隠れた、名も無き兵士の物語。

コジマプロダクションの小島監督も触れているが、この話にはSTARWARSの代名詞であるジェダイがひとりも出てきません。


つまり、超能力を持ったヒーローは出てこないということ。


え、スターウォーズじゃないじゃん!?という心配はご無用です。


これこそ、スターウォーズ。

サイドストーリーという枠を超え、立派なエピソード3.5です。
そして、勧善懲悪の見本とも言えたこの物語のあり方そのものを転換してくれるkeystoneになるのではないかな。

どのような主義のもとでも、どのような陣営に属していても、どのような組織の一員でも、光と陰がある。
そう、右手があって、左手があり、頭があって、脚があるのと同じように。

スポットライトを浴びる一握りの人。その陰にはいったいどのぐらいのものが隠されているのか?
決して、表に出ることもなく、賞賛すらされない、でも結果だけは求められている、そんな人がどれだけいるのか?


人の数だけ人生があり、人生とは物語足りえるのだ。


この映画は、そんな人たちの、ひたむきで、純粋な、生き様を描いている。


悪が憎いという単純な理由でもなく、成り行きだとか、選択すらできない状況だとか、意地だとか、信念だとか、言葉に出来ない動機で、自分の信じる戦いをする。

正規軍ですらない彼らが「Rogue」と名乗るしかない哀しさに、共感できる人も多いのではないだろうか。

つまり、これは僕達の物語でもあるのだ、すくなくともヒーローなんかじゃない僕にとっては。


こういう物語が出来上がり、世界中で公開されることに、こんな意味で感動してしまったのがワタクシの正直な感想だった。

そして個人的には、そこに「侍」の姿を観てしまいました。


もっと言うと、古い映画ですが「里見八犬伝」。
仁義礼智信忠。


これも古くから大切にされている「あるべき姿」です。
英雄もなにもない。フォースとともにあることだ。


フォースとは、超能力ではなく、自分の良心に従って進む信念のことなんだ。

そういえば、オーストラリアじゃ国勢調査で信仰を「ジェダイ」と書いてしまう人が多くて問題になっているというニュースがあったっけ。ある意味、すごい。

それにしてもベイダー卿の御身。圧倒的。さすが。



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第7並行世界のユートピア

物語の海に溺れる中で、フレーズ、イメージを繋ぎ合わせて生まれた短いストーリー達を文月陽介が書き留めます。 特定のジャンル、モチーフにこだわらずに、ひとつひとつの物語を紡いでいます。 ※筆者の気まぐれにより不定期更新です。

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